SMICの2025年12月期3Qは、9.7%増収、営業利益2.06倍。中国国内の各分野で中国製品のシェアが上昇しており、中国の半導体需要は強い状態が続いている。メモリ不足と設備投資の遅れがマイナス要因だが、工場稼働率が高く、製品ミックスも良く、業績好調が続こう。今後6~12カ月間の目標株価を若干引き下げるが、中長期で投資妙味を感じる。
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「決算レポート:SMIC(各種輸入品の国産品への代替と在庫積み増し需要で、中国半導体需要は順調に増加中)」
毎週月曜日午後掲載
本レポートに掲載した銘柄:SMIC(00981、香港)
1.SMICの2025年12月期3Qは9.7%増収、営業利益2.06倍。
SMICの2025年12月期3Q(2025年7-9月期、以下今3Q)は、売上高23.82億ドル(前年比9.7%増)、営業利益3.51億ドル(同2.06倍)となりました(金額はUSドル、以下ドル)。
売上高の伸びは今2Qの前年比16.2%増から鈍化しましたが、これはDRAM不足の影響でスマートフォン向け受注を選別して緊急度の高い発注を優先して出荷していること、海外から輸入している半導体製造装置の中国向け輸出許可が遅れており、中国国内の半導体需要に対して十分な供給能力を構築できていないことによります。ただし、輸入品が中国製品に置き換わる傾向は続いており、ボトルネックの少ないコンピュータ・タブレット向け、コンシューマ・エレクトロニクス向け、コネクティビティ&IoT向け、産業・自動車の向けは伸びが続いています。
また、相互関税やメモリ不足のような不確実性に対処するために、従来よりもメモリ、ロジックともに在庫を多めに持ちたいという動きが半導体ユーザーにあり、これが中国国内の半導体需要に上乗せされている模様です。
製品別には、アナログIC、MCU(マイクロ・コントローラー・ユニット)、CMOSイメージセンサー、LCDドライバーなどが好調です。メモリ不足に伴い組み込み型のNOR型フラッシュメモリも好調です。
一方、営業利益は前年比、今2Q比ともに大幅増となり、営業利益率は今2Q6.8%から今3Q14.7%へ上昇しました。これは今2Qに計上された新生産ラインの立ち上げ費用がなくなったこと、生産能力増強が計画よりも遅れているため、工場稼働率が上昇したこと(今2Q92.5%→今3Q95.8%)、製品ミックスが改善したこと、これによって売上総利益率が今2Q20.4%から今3Q22.0%に上昇したことなどによります。
アプリケーション別売上高を見ると、スマートフォン向けはメモリ不足の影響で今2Q比減収となりました。一方で、コンピュータ・タブレット、コンシューマ・エレクトロニクス、コネクティビティ&IoT向け、産業・自動車は輸入品が国産品へ代替されている影響もあって今2Q比増収となりました。また、中国では新製品の投入サイクルが短いため、各種製品の性能向上が進んでおり、これが製品ミックスの改善に繋がっています。
ウェハ出荷枚数を見ると(グラフ1)、強い半導体内需を背景に勢いのよい動きが続いています。ウェハ単価は傾向的に上昇していませんが、これは、中国国産品のシェア上昇が様々な分野で起きているため、様々な価格帯の半導体の需要が拡大しているためと思われます。
今3Q設備投資は23.94億ドルとなり、四半期としては過去最高の設備投資となりました。積極的な生産能力増強を行っています。
表1 SMICの業績
時価総額 587,118百万USドル(2025年11月14日)
発行済株数 8,009百万株(完全希薄化後、Diluted)
発行済株数 7,988百万株(完全希薄化前、Basic)
1USドル=7.7723香港ドル(2025年11月17日)
単位:百万USドル、USドル、%、倍
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。
表2 SMICのサービスタイプ別売上高
出所:会社資料より楽天証券作成。
注:会社側開示の売上構成比より楽天証券計算。
表3 SMIC:ウェハー売上高のアプリケーション別売上高
出所:会社資料より楽天証券作成。
注:セグメント別売上高は、会社側開示の売上構成比より楽天証券計算。
表4 地域別売上高
出所:会社資料より楽天証券作成
注:売上高、前年比は会社開示の売上構成比より楽天証券計算。
表5 SMICの四半期業績詳細
出所:会社資料より楽天証券作成
グラフ1 SMICのウェハ出荷枚数
グラフ2 SMICのウェハ単価
グラフ3 SMICの設備投資
2.来期も業績好調が予想される。
会社側の今4Q業績ガイダンスは、売上高は今3Q比0~2%増、売上総利益率は18~20%です。今3Q実績は売上高は今2Q比7.8%増、売上総利益率は22.0%でした。半導体需要が強い状態が続くと思われること、工場稼働率が引き続き高いと思われることから、今4Qの売上高と売上総利益率は会社側ガイダンス上限に達するか、これを超える可能性があると思われます。
楽天証券では、2025年12月期を売上高92.70億ドル(前年比15.4%増)、営業利益10.10億ドル(同2.13倍)、2026年12月期を売上高115億ドル(同24.1%増)、営業利益17億ドル(同68.3%増)、2027年12月期(参考値)を売上高140億ドル(同21.7増)、営業利益25億ドル(同47.1%増)と予想します。前回予想に対して売上高予想はほぼ同じですが、営業利益予想は3期間とも上方修正します。
楽天証券の2026年12月期、2027年12月期業績予想には、ある程度のAI半導体売上高を織り込んでいますが、今の中国の半導体需要の強さ、勢いを考えると、AI半導体がなくともこの予想に近い業績になる可能性があります。
3.今後6~12カ月間の目標株価を前回の115香港ドルから105香港ドルへ引き下げるが、中長期で投資妙味を感じる。
SMICの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の115香港ドルから105香港ドルへ引き下げます。
楽天証券の2026年12月期予想1株当たり利益(EPS)1.28香港ドルに、楽天証券の2026年12月期予想営業増益率68.3%に対して、プレミアムを付けて想定PEG=1.2倍前後を当てはめ、想定株価収益率(PER)を80~90倍として当てはめました。
今期にメモリ不足、設備投資の遅れのマイナス要因があるため、目標株価を引き下げました。ただし、来期には設備増強が進むと思われること、中国国内の半導体需要が強いこと、会社側はコメントしていませんが、来期にはAI半導体の量産がある程度可能になると思われることを考慮し、長期的な視点から高めのPERを当てはめました。
引き続き中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:SMIC(00981、香港)
決算レポート:SMIC(各種輸入品の国産品への代替と在庫積み増し需要で、中国半導体需要は順調に増加中)
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