公立か私立かで2倍以上の差が出る教育費。幼少期から大学まで続く「教育費マラソン」を乗り切るには、長期的な戦略が不可欠です。6人の子どもを育てるママFPが、入学時のリアルな出費や教育費の三つの落とし穴を紹介します。
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の橋本 絵美が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「教育費は進路で2倍差!6人のママFPによる学年別出費と3つの落とし穴」
教育費はフルマラソン。長期的な戦略が必要
子どもが成長するにつれ、避けて通れないのが教育費です。公立に進むか、私立に進むか、進路によって学費は何倍にもなります。幼少期の習い事から、小学校、中学校、高校、大学と長く続く教育費は、まさに「フルマラソン」のようなもの。この長い道のりを最後まで走りきるためには、しっかりとした戦略が必要です。
また、子どもの年齢差によっては、入学時期が重なるということもあるでしょう。一人ずつだと余裕があっても、2人重なると家計へのインパクトは大きくなります。
わが家でも、6人の子どもたちの幼稚園、小学校、中学校、高校の入学が重なった年が何度かありました。経済的な負担はもちろんのこと、準備や手続きなど時間的・体力的にも非常に大変です。
今回は、学費が家計に与えるリアルな影響と、その備え方について、大家族ママFPが実際の体験を基にお伝えします。
教育費はいくらかかる?進学ルートでこんなに違う
公立と私立で、教育費はどのくらい違うのでしょうか。
多くの家庭が気になる教育費の全体像を、文部科学省のデータを基にざっくり見てみましょう。
- 幼稚園は私立、小中高は公立で国立大学へ進学した場合:合計約1,150万円
- 幼稚園は私立、小中高は公立で私立大学文系へ進学した場合:合計約1,320万円
- 幼稚園は私立、小学校は公立で中高大が私立の場合:合計約1,790万円
- 幼稚園から大学までオール国公立に進学した場合:合計約1,100万円
- 幼稚園から大学までオール私立に進学した場合:合計約2,700万円
▼参照元
文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」
文部科学省「令和6年度 私立高等学校等授業料等の調査結果について」
文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査結果について」
上記データを見ると、国公立か私立か、進路の違いで教育費は2倍以上の開きがあることになります。ただし、これらはあくまで「平均値」です。同じ公立・私立の進路を選んでも、実際の家計への影響は各家庭によって大きく異なります。
例えば、私立中学受験をする場合、小学4年生からの3年間で塾代が200万円以上かかります。高校受験でも、塾代は月5万円前後で、冬期講習、夏期講習合わせると、年間70万円程度かかります。大学受験では、さらに金額が上がります。
塾代は最初のうちは比較的安いのですが、最高学年になるにつれてどんどん上がっていきます。また、夏期講習、冬期講習、直前講習、志望校別講習と、追加費用が次々と発生します。
受験の際には、滑り止めとして何校受験をするのか、入学金を払っておくのかによっても数十万単位で費用が変わってきます。さらに、大学進学時に一人暮らしをすることになれば、家賃、食費、帰省費などで年間100万円単位の出費が発生します。
私自身、6人の子どもを育てる中で、平均値は目安にすぎないことを実感しました。各家庭の「わが家の方針」が教育費に大きな影響を及ぼすのです。
例えば前回のコラムでご紹介したとおり、わが家の習い事費用は他の家庭に比べてかなり低い水準です。周りのお友達を見ると毎日のように習い事をしていたので、この差は大きいと思います。
2025年10月17日:6児のママFP、子供の習い事と費用を大公開!やりくりの秘訣は?
また、長男は中学受験をしましたが、「特待生になれたら」という条件付きだったので、通常200万円近くかかる塾代は0円で済みました。高校は本人の希望で公立を受験したのですが、塾に通わず乗り切りました。レアケースではありますが、そうした選択肢もあります。
一方、長女は強豪校の部活動に所属していたため、ユニフォーム代や遠征費用に年間100万円近くかかりました。このように、兄弟姉妹でも、進路や部活などによって費用はまったく変わってきます。
教育費について、各家庭の価値観や方針はさまざまで、「正解」はありません。ただ、収入や家計には限りがあります。「わが家ではどこまで出すのか」「どこから本人に任せるか」を家族で共有しておくことが大切です。
例えば、幼稚園は私立、小中高は公立、大学は私立文系という「現実的な中間ルート」の場合、一人当たりの教育費はおよそ1,320万円が目安となります。
この金額を基準に、「公立コースの1,100万円までは親が準備する」「私立や下宿が加わる場合は、奨学金や本人負担で調整する」といったように、あらかじめ家庭内のルールを決めて、教育資金を準備しておくといいでしょう。
また、上記のような「実際にどのようなタイミングでどれくらいお金がかかるのか」という肌感覚を、先輩パパママから情報収集しておくと安心です。
教育費は進路で2倍差!6人のママFPによる学年別出費と三つの落とし穴
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