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【クイズ】高利回り外国債券への投資に「為替ヘッジ」は必要か?

2025/11/16 8:00

 高利回りの外国債券は魅力的ですが、円高のリスクが懸念されます。為替ヘッジを付けることでその不安を軽減する一方、見過ごせない「コスト」がかかります。外国債券投資を成功させるためには、為替ヘッジの仕組みを理解することが重要です。本記事では、米ドルを1年間為替ヘッジする際の「本当の費用」をクイズ形式で解き明かします。

目次
  1. 今日のクイズ:米ドルで為替ヘッジするコストを考える
  2. 外国債券の代表的なリスクは「通貨下落リスク」
  3. 「為替ヘッジ型」投資信託には、為替ヘッジコストがかかる
  4. クイズの正解
  5. 為替ヘッジしながら、外債に投資すべきか?
  6. 外国株と外国債券に為替ヘッジしないで分散投資

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
外債投資、為替ヘッジする?ヘッジコストはいくら?【クイズでわかる!資産形成】

今日のクイズ:米ドルで為替ヘッジするコストを考える

 今日のクイズは難問ですが、外債投資に関心のある方には、ぜひ学んでいただきたい内容です。

 質問文を読んでも「答えがまったく想像つかない」という方は、外債投資の解説を読んでから、改めて答えを考えてみてください。

<クイズ>米ドルを1年間、為替ヘッジするコストは約何%ですか? 以下の説明を読んだ上、正解を【1】~【3】のうちから選んでください。

【1】約1%
【2】約2%
【3】約3%

 Aさんは、円を米ドルに両替し、米国債に1年間投資します。1年後に、米国債を売却して、売却代金(米ドル)を円に戻します。その間、円高が進むと、投資元本が目減りするので、円高が進んでも良いように、あらかじめ為替ヘッジすることとしました。1年間のヘッジコストは約何%でしょう。

<参考:米ドルおよび円の金利(年利):2025年11月11日>

<参考:米ドルおよび円の金利(年利):2025年11月11日>
出所:QUICKより作成。3カ月金利は年率換算。

 クイズは以上です。以下、外債投資についての解説です。

外国債券の代表的なリスクは「通貨下落リスク」

 外国債券の高利回りは、一見魅力的です。

<世界各国の10年金利(10年国債利回り):2025年11月11日>

<世界各国の10年金利(10年国債利回り):2025年11月11日> 
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ただし、外国債券の利回りは、「確定利回り」ではありません。元本割れするリスクを含んだ利回りです。外国債券には、主に以下のようなリスクがあります。

【1】為替リスク(通貨下落リスク)

 相場格言で「There is no free lunch(ただのランチはない)」とあるように、高い利回りには、それに応じたリスクがあります。最も代表的なリスクが為替リスクです。円高になると(投資した国の通貨が円に対して下落すると)、投資元本が目減りします。

 米ドル建ての米国国債で説明しましょう。11月11日時点で、為替レートは1ドル=約154円です。日本の個人投資家が1ドル=154円で1万ドル買い(投資額154万円)、利回り約4.1%の米国10年国債に投資して償還まで持ち続けるとしましょう。

 10年後も1ドル=154円のままならば、償還資金を円に戻すと、10年間年率4.1%(税金を勘案しないベース)の運用ができたことになります。

 ところが、10年後に1ドル=120円まで円高(ドル安)が進んでいたとしましょう。すると、米国債の償還資金を円に戻した時に、為替差損(償還元本の目減り)が発生します。当初154万円の投資資金を使って米国債に投資していたとすると、償還元本は約120万円に目減りしています。償還差損が約34万円(154万円―120万円)発生します。

【2】高金利国ほど通貨下落リスクが大きい

 上記の表で「高金利国」として挙げた国は、いずれも対外負債が大きい国です。海外からたくさん借金をしているため、高い金利でなければ国債が発行できない国です。対外負債(借金)の大きい国ほど、長期金利が高く、長期的に通貨が下落するリスクが高いと言えます。

 一方、日本は世界最大の対外純資産を保有し、国債のほとんどを国内で調達しているため、長期金利を低く維持しています。

 ちなみに、高金利国トルコの通貨、トルコリラの対円クロスレートは、以下の通り、年々大きく下落してきました。

<1トルコリラの価値(対日本円):2011年1月~2025年11月(11日)>

<1トルコリラの価値(対日本円):2011年1月~2025年11月(11日)>
出所:QUICKより作成

 いくら利回りが高くても、こんなに通貨が下落すると、投資元本が大きく減り、損失が発生することがあります。トルコリラは派手に暴落した極端な例です。

 この例で分かる通り、外債投資は利回りが高ければ高いほど良いというわけではありません。金利がほどほどに高く、経済がそこそこ安定していて、通貨もそこそこ安定している国を選別して投資していくことが大切です。

 米国国債やオーストラリア国債などが投資対象として良いと判断しています。一つの国に集中投資するのではなく、複数の先進国に分散投資した方が良いと思います。

「為替ヘッジ型」投資信託には、為替ヘッジコストがかかる

 外国債券や外国株式に投資する投資信託で、「為替ヘッジ型」「為替ヘッジなし」の2種類が設定されているのを、よく見かけます。

 外貨に投資する時、為替が円高になると差損が発生しますが、あらかじめ為替予約をすることで、為替が円高になっても損失が発生しないようにすることを、「為替ヘッジ」と言います。

 例えば、円をドルに替えて1年間ドルで運用して、1年後に円に戻すとします。その間、円高(ドル安)が進むと、為替差損が発生します。円をドルに替えると同時に、1年後にドルを円に戻す為替予約をしておけば、円高による損失を回避できます(反対に、円安になっても為替差益は得られません)。

 金利の高い外債に投資しながら、為替ヘッジをしておけば、「円高になっても損失が拡大することがないので安心」と思い、「為替ヘッジ型」投資信託を選ぶ人がいます。そこに落とし穴があります。

 為替ヘッジにはかなり大きなコストがかかります。今日のクイズは、米ドルで為替ヘッジすると、どのくらいのコストがかかるか考えるものです。

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