日経平均株価が5万円を超える中で、短期間で大きく上昇する個別株も少なくありません。このような株をいつ売ればよいのか、というぜいたくかつ切実な悩みへの解決策を検討します。
短期間で株価が急騰する銘柄の存在
日経平均株価があっという間に5万円の大台を達成すると同時に、個別株をみても短期間で大きく上昇する銘柄がいくつもあります。
中には、今年に入ってから3倍、4倍、5倍以上に上昇するものもあり、こうした銘柄をまだ株価が大きく上昇する前に買い仕込むことができた個人投資家の方は、うれしい状況が続いていると思います。
しかしそれと同時に、そのような大きな上昇を見せた銘柄を「いったいいつ売るのか」に頭を悩ませることになります。
「買い時」よりもはるかに難しいとされるのが「売り時」です。しかも、短期間に株価が急騰する銘柄の売り時は、通常よりもさらに難易度が上がります。
結論から申し上げると、「常にベストタイミングで売ることはできない」のが現実です。従って、いかに自分自身で納得し、妥協できる売り時を見つけるかがポイントとなります。
なぜ急騰する銘柄の売り時は難しいのか
筆者は保有株の売却時に、「25日移動平均線割れ」というルールを基準としています。これは、株価が巡航速度で上昇を続けているときには、かなり有効な方法です。もし株価が天井をつけた場合でも、25日移動平均線を割る時点ではそれほど大きく下落していないため、高値圏で売却することが可能です。
しかし、短期間で株価が急騰している銘柄は、25日移動平均線から株価が大きく乖離(かいり)しているケースが多いのです。
例えば、もともと4,000円だった株価が大きく上昇して現在は2万円、25日移動平均線が1万5,000円にあるようなケースでは、もし株価が天井をつけて25日移動平均線を割る頃には1万5,000円近辺まで下がっているため、現時点の2万円で売却するのに比べてかなり安く売却することになってしまいます。これはかなり痛手に感じるのではないでしょうか。
売った後に株価が上昇してしまうと…
では上記のようなケースでは、株価が上昇途中であっても2万円で売却してしまえばよいのではないか、と思うかもしれませんが、逆に、売却後さらに株価が上昇し、2万5,000円、3万円に達するような可能性もあります。
それなのに2万円で売却してしまうと、株価が上昇したタイミングで買い直しをすることがかなり困難です。また、例えば2万1,000円で買い直しをしたとして、その直後に株価が急落してしまうと、損失が生じてしまい、せっかく2万円で売却したときに生じた利益が減少してしまいます。
このように、株価が短期間に大きく上昇した時は、移動平均線を割り込む前に売却してしまった方がよいこともあるし、移動平均線を割り込むまでは保有を続けていた方がよいこともあるのです。
そしてこのどちらが正解だったかは、後になってみないと分かりません。
自分で納得できるルールを作るほかない
上記の例でいえば、現時点で2万円の株価が、ここから2万5,000円になるかもしれないし、1万5,000円になるかもしれない、そしてどちらに転ぶかは現時点では分からない、という状況で判断を迫られることになります。
ですから、今2万円で売ることで1万5,000円まで下落するリスクを回避するか、売らずに保有を続けることで2万5,000円まで上昇する可能性に乗るのか、自分自身で納得できるルールを作るほかありません。
正直、筆者も常に迷いますが、その銘柄が上昇を始めてからの期間や上昇率、日経平均株価が上昇を始めてからの期間や上昇率をみて、「さすがにそろそろ利食いしておいた方が良いかも」と強く感じたら売却するようにしています。
それでも迷うのであれば、もし200株保有しているなら、100株は売却し、残りの100株は移動平均線割れまで粘る、という分割方式もありだと思いますし、筆者もよく行っています。
株価上昇の都度売り上がるのも一法
また、筆者がよく行う方法として、「複数単元保有している場合は株価が上昇する都度売り上がっていく」というものがあります。
例えば1,000円で1,000株買った株が3,000円まで上昇したら200株売却、5,000円まで上昇したら300株売却、というように、株価が上昇するごとに段階を決めて、少しずつ保有株を売却していくのです。
また、株価上昇がストップして25日移動平均線を割り込んだら、その時保有している残りの数量を全て売却します。
こうすれば、株価が突然急落して利益を大きく減らすことを避けつつ、利食いを行って利益確定を進めていくことができます。
株価はどこまで上がるか、いつ天井をつけるかは誰にも分かりません。だからこそ、「ベストタイミングで売る」ことは諦め、妥協点を見つけることが重要です。
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