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税理士が教えます!生前贈与で損しないテクニックと注意点[Vol.1]

2025/11/15 11:00

 上場株式の生前贈与にはいくつかのメリットがあります。適切に活用すれば節税につながりますが、一方で知っておくべき注意点もあります。

目次
  1. 上場株式の贈与という選択肢
  2. 時価より安く贈与を行うテクニックとは?
  3. テクニックその1・短期間で大きく上昇した銘柄を後出しで贈与
  4. テクニックその2・短期間で大きく下落した銘柄を後出しで贈与

上場株式の贈与という選択肢

 株価が上昇すると、ご自身や親御さんの保有する財産が増加します。これにより、相続税の課税対象となる方が増え、相続税額も増加する傾向にあります。

 その対策として「生前贈与」が有効です。生前にお子さん、お孫さんなどに財産を贈与することで、親御さんの財産を減少させることができ、それが将来の相続税の節税につながります。

 生前贈与と聞いてまず思い浮かぶのは現預金の贈与でしょう。また、不動産を多く所有する方であれば不動産の贈与をするケースもありますが、上場株式を贈与する方はそれほど多くないと感じます。

 現在、各証券会社では諸整備が進められています。楽天証券でも、贈与者と受贈者間での株式の移転により、上場株式の贈与がスムーズに行えるようになっています。

時価より安く贈与を行うテクニックとは?

 上場株式を贈与する際、税法上の評価額は、必ずしも贈与した日の株価にはなりません。下記の四つのうち、最も低い価格で贈与されたものとして贈与税が計算されます。

(1)贈与した日の終値
(2)贈与した日を含む月の毎日の終値の平均値
(3)贈与した日の前月の毎日の終値の平均値
(4)贈与した日の前々月の毎日の終値の平均値

 そのため、例えば11月10日に贈与した場合、9月の月中平均値が11月10日の終値よりも低い場合は、9月の月中平均値を用いて贈与することが可能です。

 このルールは上場株式(不動産投資信託(REIT)や上場投資信託(ETF)など、上場投資信託も含む)に適用されます。上場していない投資信託や債券などの場合は、贈与した日の時価(終値)で贈与税が計算されるため、注意が必要です。

テクニックその1・短期間で大きく上昇した銘柄を後出しで贈与

 上場株式の生前贈与を有利に行えるケースがいくつかあります。その一つは、株価が短期間に大きく上昇した銘柄を贈与する場合です。

 例えば、業績上方修正により株価が3,000円になったA社株を1,000株保有していると仮定します。

 このA社株の2カ月前の月中平均が1,000円だった場合、3,000円ではなく1,000円の株価で贈与税が計算されます。

 その結果、現在の価格では300万円の価値があるA社株を、100万円の時価評価額で贈与することが可能になります。

 ほかに贈与財産がなければ、110万円の非課税枠の範囲内であるため、贈与税を支払うことなく、300万円の価値があるA社株を贈与することが可能です。

テクニックその2・短期間で大きく下落した銘柄を後出しで贈与

 もう一つのテクニックは、株価が短期間で大きく下落した銘柄を贈与する場合です。

「〇〇ショック」のような急落が生じた場合、普段は株価が安定している優良銘柄でも、大きく株価が下落することがあります。

 例えば、元々株価が5,000円だったB社株を1,000株保有しているとします。ところが、〇〇ショックにより2カ月前の月中平均が2,000円まで下落していたと仮定します。

 その後、現時点では株価下落が落ち着き、株価が4,000円まで回復していたと仮定します。

 贈与税計算上のルールでは、現在の株価が4,000円であっても、上記のような状況であれば1株2,000円で評価されます。

 つまり、現時点で400万円の価値があるB社株を、200万円の時価評価額で贈与することが可能になります。

 贈与税の非課税枠は超えますが、贈与税額9万円を支払うことで、400万円の価値があるB社株を贈与できると考えると、かなり有利な選択肢となるでしょう。

 次回は、これ以外の生前贈与のメリット、そして特定口座にある上場株式を生前贈与する場合の注意点などについてお伝えする予定です。

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