金相場は急伸。この日で5日続伸となり、約2週間ぶり高値を付けている。米国の政治混乱で年内の利上げ観測が後退し、米国債利回りが低下したことでドルが半年ぶりの安値に下落したことが背景にある。また、安全資産としての買いが入った可能性もあるだろう。

トランプ大統領がコミー前連邦捜査局(FBI)長官に対して、フリン前大統領補佐官への捜査をやめるよう要求していたとの報道を受けて、連邦当局の捜査を妨害しようとしたのかについて、トランプ大統領に説明を求める圧力が高まっている。司法妨害は弾劾に追い込まれる可能性がある行為であり、市場の懸念が高まっている。トランプ大統領はコミー氏を解任し、さらに機密情報をロシアのラブロフ外相に明かしたとされるなど、ここにきてトランプ大統領が選挙に勝利する前に懸念されていたことが一気に噴出したような形になっている。

市場における6月の利上げ確率は6割台に低下しており、急激に調整が入っている。これを受けて。ドルが下げていることも金相場の押し上げにつながっているが、一方でユーロの上昇も鮮明である。欧州での政治懸念が後退し、ECBによる金融政策の調整が想定されることがユーロの買戻しを促している。ユーロ高・ドル安はドル建て金相場の押し上げにつながりやすく、これも金相場の上昇を後押ししているといえる。

重要な節目の1,250ドルを超えたことで、1,270ドルを明確に超えると1,300ドルを目指す展開になりそうである。

非鉄相場は底堅い展開。それぞれの銘柄が直近の水準でかろうじて下げ止まっており、反発のきっかけを待っている状況ではないだろうか。

この日はニッケルが小幅に下げたが、カナダのニッケル鉱山操業停止の報道が下値を支えているとみられている。また中国で鉄筋価格が上昇したことも下値を支えたとの見方がある。亜鉛も同様の材料で買われ、下値を割り込む動きは回避されている。アルミは中国の生産抑制が引き続き意識される中、高値を維持している。銅は在庫増が嫌気されて売りに押される場面もあったが、最近の反発基調は維持されている。鉛も安値から反発し、下げ渋っている。

一方、中国の大連商品取引所の鉄鉱石先物は、鉄鋼価格の急騰に追随して5%近く上昇している。政府当局が過剰供給を削減する取り組みを続ける中、鉄鋼在庫が減少しており、堅調な需要があるとみられている。また、上海先物取引所の鉄筋先物は4.3%高だった。一日の上げ幅としては1月10日以来の大きさだった。

原油は上昇。2 週間ぶり高値を付けている。

25日のOPEC加盟国と非加盟国の会合で、協調減産が延長されると期待される中、米国の原油在庫が6週連続で減少したことが好感された。トランプ大統領の弾劾の可能性からドルが圧迫されており、これもドル建て原油相場の割安感につながっている。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新の原油在庫は前週比180万バレル減と、減少幅が市場予想の240万バレルを下回った。ただし、ガソリン在庫が40万バレル、ディスティレート在庫が190万バレル減少したことが支援材料になった。また、米国内の産油量が日量9,000バレルではあるが小幅に減少したことも支援材料だったと考えられる。米国内の産油量はこのところ毎週2万バレル程度増加していた。

今後はガソリン需要期に入ることで、原油相場は本来であれば上昇基調に入る季節である。その通りになるかはガソリン在庫の動向次第の面があるが、米国の景気動向を考慮すれば、懸念すべき状況ではなさそうである。

一方、OPEC加盟・非加盟国による協調減産の延長については、25日に合意されると考えるのが妥当ではないだろうか。延長期間は9カ月間が想定されているが、市場では減産幅を拡大させないと意味がないとの指摘もある。

しかし、世界の石油在庫は減産効果で着実に調整されているようである。米国での産油量は増加傾向にあるが、採算割れで生産を続けられるかがポイントになる。増加ペースが鈍化すれば、それだけで買い材料になりそうである。