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「原油の反発基調が鮮明」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「原油の反発基調が鮮明」

2017/5/16
金相場は上昇。米国の政治的混乱や北朝鮮のミサイル発射、世界規模のサイバー攻撃を背景に、資産の逃避先としての金の需要が高まっているもようである。
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金相場は上昇。米国の政治的混乱や北朝鮮のミサイル発射、世界規模のサイバー攻撃を背景に、資産の逃避先としての金の需要が高まっているもようである。さらに米国経済指標が予想を下回ったことを受けたドル安も金の買い材料だった。徐々に下値を切り上げる展開にあり、これまでの投機筋の投げも完了しており、いまは不透明要素を嫌気する長期的な金投資家の買いが入りやすい地合いにあるといえる。

金市場には様々な投資主体が参加しているが、長期的に金を保有しておきたいと考えている投資家は少なくない。長期的にはドル安になる可能性が高いことを考えると、金を長期的に保有する意味はあるだろう。また、米国の政治的な混乱は今後も続くことから、これも投資家の金投資を促しやすい。

北朝鮮の新たな軍事力誇示の動きも地政学的リスクを想起させ、これも金相場を支えるには十分な材料といえる。さらに、米国の年内利上げペースはこれまで想定されていたほどには早まらない可能性があり、これも金相場を支えることになるだろう。

非鉄相場はまちまちの展開。原油相場が急伸し、非鉄など他のコモディティにも原油高に追随する形で買いが入ったが、非鉄に関しては銘柄ごとに異なる値動きだった。

中国で発表された鉱工業生産や固定資産投資が弱い内容だったことも重石になった可能性がある。アルミは1,900ドルを回復し、銅も5,600ドルまで上げている。

アルミは中国の生産抑制の観測が買いを誘ったもようである。アルミと銅はこれらの水準を超えると、再び上昇基調が強まるが、そのような動きになるかを確認したい。

一方でニッケルは戻り一杯となり下げている。9,300ドルを明確に超えないと、次の展開にはつながらないだろう。一方、鉛・亜鉛は安値圏で辛うじてサポートされている。ここから大きく下げるとは考えていないが、まずはこの水準を維持できるかを確認したい。

中国の4月の鉱工業生産は前年同月比6.5%増だったが、伸びは3月に記録した2年超ぶりの高水準の7.6%から減速した。4月の小売売上高は10.7%増で、前月の10.9%増からやや減速し、1~4月の都市部固定資産投資が前年同期比8.9%増と、1~3月の9.2%増から減速した。また1~4月の不動産投資も前年比9.3%増と、1~3月の9.1%から加速している。ただし、4月単月では前年比9.6%増で、3月の9.4%増から伸び幅は小幅に拡大している。

一方、中国主導のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が15日に30カ国首脳による共同声明を採択し、2日間の日程を終えて閉幕した。一帯一路をテーマにした初めての首脳会合で、構想実現に向けて経済協力を強化することで合意した。会議の定例化を決定し、中国を中心とする新たな国際秩序の構築が始まったことになる。

習近平国家主席は、「各国の意見を集約し、一帯一路構築の方向性が明確になった」とし、協力の行程表を策定したことを明らかにしている。また道路や鉄道、港湾などのインフラ整備にとどまらず、貿易活性化、金融協力も進める方針。

原油は約2%の急伸。世界の2大産油国であるサウジアラビアとロシアがOPEC加盟・非加盟産油国の協調減産を来年まで継続する必要性で一致し、減産延長に近づいたとの期待が高まったことで買戻しが入った。

協調減産合意は今年1月から半年間実施した上で、半年間の延長を検討することになっていた。サウジとロシアのエネルギー担当相は来年3月まで9カ月間延長する必要性で一致し、他の産油国の賛同を期待すると表明している。

25日にウィーンで開催されるOPEC加盟国と非加盟産油国の会合で協調減産に参加している国々が支持するかは現時点で不明だが、在庫水準が依然として高いことから、減産は不可欠な状況にある。

米国のシェールオイルの増産が世界の需給バランスの改善を遅らせており、原油価格はサウジが期待する60ドルに達していない。カザフスタンのボズムバエフ・エネルギー相は、原油の協調減産の延長を支持する意向を示したが、同国のカシャガン油田での生産拡大が見込まれることから、新たな合意の下で生産枠を見直す必要があるとの認識を示している。しかし、いずれにしても減産延長をしない限り、原油価格の水準を維持するのは難しい。生産枠の見直しがあったとしても、減産延長合意は既定路線であろう。

一方、中国の4月の国内製油所の原油精製は前年比0.6%減の4,445万トン(日量1,082万バレル)となり、16年9月以来の低水準となった。1~4月の原油精製は前年比3.1%増の1億8,225万トンだった。

米エネルギー情報局(EIA)は、6月のシェールオイル生産量が前月比12万2,000バレル増の日量540万バレルになるとの見通しを示している。これは15年5月以来の高水準で、6カ月連続の増加となる。

原油価格の回復を受けて、生産業者の掘削活動が増加している。テキサス州西部とニューメキシコ州にまたがるパーミアンが7万1,000バレル増の日量249万バレルと、過去最高になる見通し。テキサス州南部のイーグルフォードは3万6,000バレル増の128万バレルで、16年4月以来の高水準になる見込み。ノースダコタ州バッケンは5,800バレル増の103万バレルと予想されている。

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