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高市トレードで高騰する株価、油断は禁物!万一のバブル崩壊に備えよう

2025/10/9 11:00

 自民党総裁選で高市早苗氏が当選したことで、「高市トレード」が続く可能性も指摘されています。しかし、すでに割高感も感じられる日本株がさらに上昇すれば、バブル再来の可能性もあります。過去のバブル崩壊を振り返り、個人投資家が注意すべき点を今から確認しておきましょう。

目次
  1. 下馬評を覆し、自民党総裁選で高市早苗氏が総裁に選出
  2. 2000年のITバブル崩壊では光通信の株価が約300分の1に
  3. 天井を付けた後はあっという間に株価が下落
  4. インデックスファンドも大きな下落に注意した方がいい?

下馬評を覆し、自民党総裁選で高市早苗氏が総裁に選出

 10月4日、自民党の総裁選の投開票が行われました。決選投票の末、高市早苗氏が当選し、初の女性総裁となりました。順当にいけば、国会での首班指名により、内閣総理大臣が誕生することになるでしょう。

 もともと下馬評では小泉進次郎氏の当選が有力視されており、マーケットもその前提で動いていました。高市氏の当選はマーケットにあまり織り込まれていなかったと考えられ、もし高市氏の財政出動路線を好感した「高市トレード」がしばらく続くとなれば、日経平均株価が5万円を突破するような急騰が実現する可能性も考えられます。

 現状の日経平均の株価収益率(PER)は18倍ほどであり、適正水準とされる14~16倍に比べるとやや割高になっています。

 PER18倍の水準で、ただちにバブル崩壊に至る可能性は低いでしょう。しかし、もしここから高市バブルが到来し、PERが20倍を大きく超えてくるようだと、天井を付けた後のバブル崩壊も現実味を帯びてくる可能性があります。

2000年のITバブル崩壊では光通信の株価が約300分の1に

 最近株式投資を始めた個人投資家の方はご存じないかもしれませんが、バブル相場が終焉(しゅうえん)し、バブル崩壊となると、株価は大きく下落します。

 筆者にとって、過去に経験した中で特に印象が大きかったのは、2000年のITバブル崩壊です。特にITバブルで株価が大きく上昇していた光通信(9435)ソフトバンク(現:ソフトバンクグループ)(9984)の強烈な下落を今でも記憶しています。

 例えばソフトバンクは2000年2月に1万0,998円(株式分割考慮後。以下同)だった株価が2002年11月には137円へと、約80分の1まで下落しました。

 光通信に至っては、2000年2月に24万1,000円だった株価が2002年7月には895円まで下落し、269分の1になったのです。

 現在の日本株では、ここまでの特徴的な動きをしている銘柄は見られません。しかし、ここから、企業収益の増加率に比して株価の上昇率が明らかに大きく、バブル的要素をはらんでくるようであれば、株価が業績を伴わずに大きく上昇すればするほど、天井を付けた後の反落も大きくなる可能性が高いことを、今のうちから意識しておくべきでしょう。

天井を付けた後はあっという間に株価が下落

 筆者は保有株の売却時期として、「25日移動平均線を下回ったら売却する」というルールを提唱しており、筆者自身も実践しています。しかし、バブル崩壊後はこのルールが機能しない可能性が高まります。

 なぜなら、平時のように少しずつ株価が下落して移動平均線をわずかに割り込むといった動きではなく、移動平均線を無視して株価が急速に下落し、時にはストップ安で売るに売れない状況になりかねないからです。

 先の光通信の例でいえば、ITバブル崩壊により売りが売りを呼び、20営業日(約1カ月)にわたりストップ安売り気配のまま売買が成立しない、という異常事態となりました。

 マーケット全体がバブルでなくとも、個別銘柄では、株価が急騰した後に天井を付けて急落するケースはよく見られます。そうした銘柄の株価の動きを見ていただければ、移動平均線ルールでの売買が機能しづらいことがお分かりいただけるはずです。

 従って、株価がバブル気味に大きく上昇した場合は、上昇している最中に少しずつ利益を確定していき、天井を付けて下落に転じたと思ったら残りも売却する、といった対応が適切と考えられます。

インデックスファンドも大きな下落に注意した方がいい?

 ITバブルの時は、光通信やソフトバンクなど、IT関連銘柄の株価急上昇に伴い、日経平均や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数も大きく上昇しました。

 もし個別銘柄が明らかにバブル状態であったとしても、インデックスファンドは個別銘柄の株価上昇により、その銘柄のウエートを高める必要があれば、買い上がらなければなりません。

 また、アクティブファンドも、バブル状態にある銘柄を組み入れなければ、株価指数に成績が大きく劣後してしまうため、そうした銘柄も積極的に組み入れざるを得ない状況でした。

 このような状態が続いた後にバブル崩壊が生じると、ファンドに大きく買い上げられたことによりバブル化に拍車がかかった分、株価の下落も増幅されることになります。実際、ITバブル崩壊後は日経平均株価が60%以上の下落を記録しています。

 インデックスファンドをバイ・アンド・ホールドしている個人投資家の方は、価格が今の半値以下になる可能性もあることをよくご理解の上、保有継続をご検討ください。

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