金相場は上昇。トランプ大統領がコミー前連邦捜査局(FBI)長官を解雇したことが投資家の懸念につながっているもようであり、金需要が高まっているとの指摘がある。また、米国株安・ドル安・米国債利回りの低下も金相場には追い風となっている。1,220ドルのサポートを維持して反発しており、すでに目先の底値を付けたとの判断になろう。コミー氏解任や英国の総選挙などの政治的不透明感もあり、さらに6月の米利上げ確率の低下も金相場を支えていると考えられる。

世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、5日の853.08トンから12日には851.89トンへわずかに減少。投資家の金購入意欲は低下傾向とはいえ、大幅に減少しているわけではなく、金を保有しておきたいと考えている投資家が少なくないことがうかがえる。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、5月9日時点で15万0,006枚の買い越しとなり、前週から3万9,628枚減少した。買いポジションが3万9,917枚もの大幅な減少となった一方、売りポジションが289枚減少した。金相場の下落により、投機筋による買いポジションの大幅な縮小の動きがみられたが、これも一巡した感がある。目先は1,250ドル前後を目指す展開にあると判断できるだろう。

非鉄相場は反発基調。下値を固めて再び上値を試す展開にある。アルミは1,860ドルからの反発基調が継続し、1,915ドル前後まで戻すかに注目している。銅も5,500ドルを維持して反発しており、5,625ドルを超えると5,775ドルを目指すことになろう。ニッケルも9,000ドル割れからの戻りを試す展開にあり、9,335ドルを超えると1万ドルを目指すことになるだろう。亜鉛は2,550ドルまで下げており、鉛も2,125ドルまで下落したが、ここで下げ止まれば問題ない水準である。

市場では、中国での金融引き締めに伴う経済指標の減速が懸念されているが、秋の習近平体制の再構築に向けて、経済運営に取り組むと考えられ、大きな中国経済の動向は大きな問題にはならないのではないかと考えられる。15日には中国の鉱工業生産と小売売上高が発表されるが、市場の注目が集まることになりそうである。

原油は小幅続伸。米国内の原油在庫の減少やOPEC加盟・非加盟国による協調減産の延長に対する支持拡大の報道を背景に、世界の供給過剰の改善への期待が高まった。

OPEC加盟国と非加盟国は25日に会合を開き、昨年11月に合意した協調減産を延長するかどうかを決定する。サウジアラビアは半年かそれ以上の延長で合意することを目指している。

一方、米国内の石油掘削リグ数は前週比9基増の712基となり、15年4月以来の高水準となった。増加は17週連続。掘削リグの稼働数の回復局面は12カ月に達しており、米国の原油生産は来年には過去最高に増加するとみられている。稼働数は、前年同週の318基の2倍以上の水準に達しているが、増加ペースは減速している。増加ペースは過去4週間では3月以来の低水準に落ち込んでいる。

米国内の産油量は昨年半ばから10%増加の日量930万バレル超と、ロシアやサウジの水準に近づいている。サウジはこの状況を受けて、世界の石油在庫量を過去5年平均にまで減少させるとして、減産拡大を目論んでいるが、他の生産国も巻き込む必要があり、簡単にはいかないだろう。しかし、ここで減産の手を緩めると、需給バランスの改善は進まないことになり、原油相場は確実に下落するだろう。まさに5月末が正念場となる。

米国ではガソリン需要期に入る時期と重なるが、過去の原油相場動向を見ると、軟調な年でもこの時期から秋口は最低でも横ばい、通常は上昇している。そのため、OPECが減産延長を決めることが出来れば、少なくとも夏場に原油相場が現状以下の水準になる可能性は大きく後退するだろう。