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「ドル安や株安で金は反発、原油も底堅い展開」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「ドル安や株安で金は反発、原油も底堅い展開」

2017/5/12
金相場は上昇。1,220ドルのサポートを維持する展開にある。欧米株安を背景に安全資産としての買いが入っており、徐々に下値を固める動きになっている。
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金相場は上昇。1,220ドルのサポートを維持する展開にある。欧米株安を背景に安全資産としての買いが入っており、徐々に下値を固める動きになっている。1,220ドルで下値を固めると、再び1,250ドル水準を試す動きになる可能性が高まろう。

雇用やインフレ関連の米国経済指標が堅調な内容だったことを受けて、ドルや米国債利回りが上昇したため、上値が重い展開ではあるが、6月の米利上げはほぼ織り込まれており、金市場への影響は軽微であろう。12日には米消費者物価指数(CPI)や小売売上高が発表される。内容次第では再び金利上昇の可能性が高まることが想定される。その際の金相場への影響を見極めることになろう。

一方で、インフレ期待が高まれば、金への関心が高まることも十分に想定され、いずれにしても、金の下値余地は限定的であろう。また銀も底打ちから反発に転じており、プラチナも900ドルが底値になり、反転・上昇の動きに入っている。プラチナは900ドルが心理的に底値になっているように感じられる。

非鉄相場は底堅い展開。アルミは1,860ドルで辛うじて支えられ、反発している。底値確認になったと考えてよさそうである。銅は5,500ドルを何とか維持している。これ以上を売ってもあまり意味がないだろう。ただし、5,650ドルを明確に超えないと上値を買う動きも出づらい。ニッケルも下値から反発しているが、9,400ドルを超えることが明確な上昇基調への回帰の条件であろう。亜鉛は2,570ドル水準で下げ止まっており、底値固めが完了しつつある。鉛も2,150ドルで同様の動きにある。

米国株がやや不安定になっていることから、トランプ銘柄である非鉄相場は上値を買いづらいが、下値を売る理由もない。将来的な需給改善を背景に、いずれ上昇に向かうとの見方を変える必要はないだろう。

一方、中国の4月の新車販売台数が低迷している点には注意が必要であろう。4月の新車販売台数は前年同月比2.2%減の208万4,000台だった。小型乗用車の減税幅の縮小が影響し、16年2月以来の前年割れとなった。自動車販売の不振は景気悪化につながる可能性があるだけに注意が必要であろう。中国政府は景気減速を食い止めるため、排気量1,600㏄以下の乗用車を対象に、16年末まで自動車取得税の税率を本来の10%から5%に引き下げた。これが販売増に貢献したものの、17年は税率を7.5%に変更したため、これが影響したもようである。4月は乗用車が3.7%減の172万2,000台だが、16年通年で5割近い伸びを示したスポーツ用多目的車(SUV)は11.1%増の68万4,000台と、勢いは明らかに鈍っている。

原油は続伸。米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した原油在庫の大幅減少や、OPEC加盟・非加盟国の協調減産に対する支持が広がったことが、世界的な供給過剰の緩和の解消に対する信頼感を高める結果となっている。イラクやアルジェリア、クウェートといった主要産油国はここ数日で協調減産の延長を支持する意向を相次いで表明している。11 日にはOPEC非加盟国で小規模産油国のトルクメニスタンと赤道ギニア共和国も賛同する意向を示している。市場では、25日のOPEC総会で少なくとも今年末までは減産を延長することで合意するとみている。しかし、合意できなければ、原油相場が底割れするとの悲観的な見方もある。

現状を考慮すれば、減産延長が否定されることはまず考えにくい。OPEC月報によると、加盟国の4月の産油量は前月比1万8,200バレル減の日量3,173万2,000バレルとなり、昨年の減産合意で定めた上限目標の3,250万バレルを4カ月連続で下回った。アンゴラやサウジアラビア、ナイジェリアなどの生産増加が目立った一方、アラブ首長国連邦(UAE)やリビア、イラク、イラン、ベネズエラなどが減少した。4月の生産量が減産合意の際に設けた国別の上限目標に収まったのはイラン、クウェート、カタール、サウジ、UAE、ベネズエラの6カ国だった。サウジは4万9,200バレル増の995万4,000バレルで、生産枠の1,005万8,000バレルを10万4,000バレル下回った。生産上限を設けることで増産を認められたイランは3万4,700バレル減の375万9,000バレル(生産枠は379万7,000バレル)だった。イラクは3万9,100バレル減の437万3,000バレルにとなったが、生産枠上限の435万1,000バレルは上回っている。

OPECが産出動向の把握に活用する二次情報源のデータによると、減産目標を掲げる加盟11カ国の4月の供給量は、日量2,967万4,000バレルに減少。ロイターの計算によると、合意順守率は111%となり、3月の104%から上昇している。一方、17年の非加盟産油国の石油供給見通しを日量95万バレルとし、前回予想の58万バレルから大幅に上方修正した。そのうち、米国の産油量は日量60万バレル増えるとしている。

原油価格の回復により、米国のシェール掘削業者が産出量の拡大を進めている。その結果、過剰供給解消に向けたOPECの取り組みが妨げられかねない状況にある。

一方、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)は、17年と18年のブレント原油とWTI原油の見通しを引き下げた。世界で石油在庫が積み上がっていることや、米国からの供給回復が予想より早まっていることを理由に挙げている。ブレント原油見通しは、17年が61ドルから54ドルへ、18年は65ドルから56ドルに下方修正された。WTI原油は17年が59ドルから52ドル、18年が63ドルから53ドルに引き下げた。BAMLは「米国での石油掘削リグ稼働数が早いペースで再び増加している一方、在庫水準の減少ペースは遅く、投機筋のポジション急減を促した」と指摘し、「需給バランスは緩み、世界の原油在庫の当初水準も高いことから、ブレント原油は今後1年半にかけて50~60ドルで推移する」との見方を示している。

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