AI需要拡大により花形セクターとなっている半導体関連株。その中で、時価総額でデッドヒートを繰り広げているのが爆上げのアドバンテスト(6857)と、出遅れの東京エレクトロン(8035)。順張りか、逆張りか?この2社で比べてみます。
今回のお題:時価総額10兆円クラブの半導体株
| アドバンテスト(6857) | 東京エレクトロン(8035) |
上記両社の株価のポイントや株価データを見ながら、双方を比較し、皆さんの相場観で購入検討するならどちらにしますか?
銘柄A: アドバンテスト(6857)
ここがGOOD👍
ビジネスモデル
半導体の不具合を検査するテスターを手掛けています。生成AI関連の需要が拡大することで、SoCテスターの需要が伸びています。AI需要のさらなる拡大で、製造工程でのテスト時間、テスト回数が増えるのは確実。エヌビディア製のAI半導体の多くにアドバンテストのSoCテスタが使われているとされ、エヌビディアの株価との相関性もピカイチです。
業績抜群
1Q(4-6月期)は、事前に想定していなかった需要の前倒し分も乗り、売上高は前年同期比90%増、純利益は同278%増と超絶好決算!1Qにして、早くも通期業績予想を上方修正。26年3月期の最終利益予想は、従来の1,790億円から2,215億円に増額。これは、決算発表時点のコンセンサス2,177億円をやや上振れていました。
AI向け製品の販売比率が高まり、売上高営業利益率も大幅に向上しています。内容の良さを反映し、アナリストによる業績予想も切り上がり、26年3月期の最終利益予想のコンセンサスは9月17日時点で2,403億円に。また、来27年3月期のコンセンサスも同2,848億円と、約20%増益が見込まれています。
強い株価モメンタム
年間騰落率は、2023年+126%、2024年+91%、そして2025年も9月19日時点で+63%と怒涛の上昇劇。結果、時価総額は10兆円を超え、売上規模では約3倍ある東京エレクトロンを一時上回る状況ともなりました。
連日の上場来高値更新で、買い方需給は常に良好。一方で、アドバンテストを空売りしている投資家の損失は膨らむばかりです。9月12日時点における信用倍率は0.88倍と、株価が上がるにつれて信用買い残が減り(利益確定売り)、信用売り残が増え、売り残の方が多い構図になっています。株価が上がることで買戻し(ショートカバー)が誘発されやすい環境といえます。 それでいて、流動性(25日移動平均売買代金1,431億円)は人気の半導体株でもディスコに次ぐ極めて高い水準で、モメンタムフォローの短期勢も含めた全員参加型銘柄といえます。アドバンテストを持っていないとパフォ―マンスが見劣りするのは間違いないわけで、もはや“アドバンテスト持たざるリスク”状態!?
ここが心配😢
予想PERが高い
株価が上がると必然的に高まるのはバリュエーション水準。今期予想PER(株価収益率)は49.6倍と、東京エレクトロンの同26.4倍にダブルスコア近い差が付いています。アナリストによる来期の1株当たり利益(EPS)のコンセンサスは389円で、来期予想ベースで計算した予想PERも38.6倍と高めです。
同社のダグラス・ラフィーバCEOは1Q決算説明会で「下期の需要が1Qに前倒しで反映されている」としていました。想定していなかった需要の前倒し分が1Qにあった反動で、2Q、3Qが1Q比で弱く見える可能性も。株価が上がり、予想PERが高い水準では、四半期ごとの決算発表のハードルが高い点は気にしたいところです。
アナリストの評価を超越
アドバンテストをカバーしているアナリストの中で、レーティングと目標株価を付与しているのは14社。ほとんどが強気評価を付与しているのですが、14社の目標株価の平均値が1万2325円。9月19日に付けた上場来高値1万5195円、9月19日終値1万5020円は、強気予想のアナリストによる高い目標株価の平均値を大きく超えてしまっています。14社中、11社のアナリストの目標株価を上回っており、業績予想とバリュエーションで試算した目標株価では説明できない割高ゾーンに到達?
アドバンテスト レーダーチャート
銘柄B: 東京エレクトロン(8035)
ここがGOOD👍
割安感
株価指標面では、主要な半導体株の中では低評価に甘んじています。流動性上位4銘柄(同社他ではアドバンテスト、ディスコ、レーザーテック)の予想PER平均は39.5倍(9月19日時点)ですが、同社は26.4倍と平均を大きく下回るうえ、4社中で最低(つまり割安)評価です。また、今期予想の下方修正に伴い、今期の年間配当を従来予想の618円から485円に減配しました。それでも配当利回りは1.89%と、4社平均の1.17%より高く、4社中で最も高い利回り(つまり割安)です。
東京エレクトロンをカバーしているアナリストの中で、レーティングと目標株価を付与しているのは16社。業績の下方修正をしながらも、未だ大半が強気評価を付与しており、16社の目標株価の平均値は2万7,993円。9月19日終値2万5,610円は目標株価の平均値を下回っており、上値余地まだアリとも言えそう?
株価の出遅れ感
9月に入り、日経平均株価が史上最高値を再び更新。世界同時半導体株ラリーとなるなかで、東京エレクトロン株も“出遅れ修正”の動きも相まって、9月4日~19日にかけ怒涛の11連騰を記録しています。それでもやっと、年初来騰落率がプラスになったばかり…。9月19日終値2万5,610円は、6月30日に付けている年初来高値2万8,540円を大幅に下回っています。
日経平均株価が最高値を更新するなか、“ミスター日経平均”的値がさ株の東京エレクトロンの低迷ぶりが逆に目立ちました。9月19日時点の年初来騰落率は+5.9%ですが、これは日経平均株価の+12.9%、TOPIXの+13.0%を大幅アンダーパフォーム。また、半導体株の流動性上位のアドバンテスト+63.3%、レーザーテック+26.3%、ディスコ+11.4%と比べても劣ります。株価の下落は業績に慎重になり過ぎていることが主因とし、「現在の株価は割安過ぎる」という理由で投資判断を買い推奨に引き上げる外資系証券も出てきました。
ここが心配😢
業績は明暗の“暗”
半導体関連株の業績の明暗、“明”がアドバンテストとすれば、“暗”の代表が東京エレクトロンでした。AI半導体の好調が意識される時期にもかかわらず、1Q(4-6月期)にして一転、通期減益予想に大幅下方修正したのがネガティブサプライズ。26年3月期の最終利益予想は、従来の5,660億円から4,440億円に減額。これは、決算発表時点のコンセンサス5,582億円を大幅に下振れていました。
先端ロジックメーカーの特定顧客における設備投資の大幅引き下げ、 中国市場で台頭する現地競合企業の存在などから、業績回復の遅れを指摘するアナリストも増加しています。アナリストによる業績予想は切り下がり、26年3月期の最終利益予想のコンセンサスは9月19日時点で4,679億円に…。
株式需給面の重石
株価のパフォーマンスが悪い…、これが“逆張り”を好む個人投資家には買い理由になったりします。年初来の高値圏で推移していた7月18日時点の信用買い残は167万株でしたが、業績予想の下方修正での急落場面で信用買い残は激増。ピークは9月5日時点の462万株と、2カ月もかからず信用買い残は2.8倍に膨張しました。この時点の信用倍率は20.8倍ということで…、買い残が売り残の20倍ということに(^^;
9月4日から始まった連騰期間中に、溜まりに溜まった信用買い残も整理が進んでいます。9月12日時点では346万株で、信用倍率は9.4倍。ただ、それでも買い残が重いことには変わり無く、信用倍率0.88倍のアドバンテストとは天地の差。上がれば上がるほど売り方の買戻しを巻き込むアドバンテストに対し、上がれば上がるほど、過去に買った投資家の戻り売り圧力が強まる東京エレクトロン…需給環境では分が悪いと言えますね。
東京エレクトロン レーダーチャート
あなたなら、どっちを買う?
日本を代表する最強モメンタム株、だけど…すでに株価高過ぎのアドバンテスト株。一方で、業績ネガティブで出遅れた訳アリ株、だけど…こちらも国際優良株である東京エレクトロン株。時価総額ではデッドヒート状態ですが、ここから買うなら順張りでアドバンテスト勝負?それとも復活期待の逆張りで東京エレクトロン株…あなたならどちらを選びますか?
▼あわせて以下の投票にぜひ参加してみてください。
【お金と投資の意識調査】アドバンテスト vs 東京エレクトロン 時価総額10兆円クラブの半導体株
株価データ比較
| 予想PER | 1株当たり利益の何倍(何年分)まで株価が買われているかを示す指標。同業他社と比較する際に使われ、低いほど割安と判断します。 |
|---|---|
| PBR | 1株当たり純資産の何倍まで株価が買われているかを示す指標。同業他社と比較する際に使われ、低いほど割安と判断します。この数値が1倍を下回る企業に対し、東証は「1倍を上回るよう頑張れ」と指令を出しています。 |
| 配当利回り | 今期の予想配当金ベースの利回りで、高いほど配当妙味が高いと判定します。定義はありませんが、3%以上なら配当利回りが高いと認識されています。 |
| 流動性 | 1日の売買代金がどれくらいあるか?(表では25日平均)を金額で表示しています。同数値が高いほど、機関投資家も大口の個人投資家もストレス無く参加できると考えられます。 |
アドバンテスト vs 東京エレクトロン 時価総額10兆円クラブの半導体株
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