アリババ・グループ・ホールディングは電子商取引(EC)とクラウドサービスで中国最大手。2026年3月期1Qは、1.8%増収、2.8%営業減益。ECが競争激化と費用の増加でEBITAベースで減益となった。一方で、クラウドサービスは好調で大型投資を行う。独自のAI半導体も開発した模様。中長期で投資妙味を感じる。
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著者の今中 能夫が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「決算レポート:アリババ・グループ・ホールディング(クラウドサービスが好調。独自のAI半導体を開発した模様) 」
本レポートに掲載した銘柄:アリババ・グループ・ホールディング(09988(香港)、BABA(NYSE))
1.アリババ・グループ・ホールディングの2026年3月期1Qは、1.8%増収、2.8%営業減益。
アリババ・グループ・ホールディング(以下アリババ)は中国最大手の電子商取引(EC)会社であり、中国最大手のクラウドサービス会社です。
アリババ・グループ・ホールディングの2026年3月期1Q(2025年4-6月期、以下今1Q)は、売上高2,476.52億元(前年比1.8%増)、営業利益349.88億元(同2.8%減)となりました。前3Q、前4Qと一桁増収ながら大幅増益でしたが、主に、「アリババ・中国・Eコマース・グループ」がEBITA(金利、税金、無形固定資産の償却前利益)ベースで二桁減益となったことが響きました。
セグメント別に見ると、「アリババ・中国・Eコマース・グループ」(中国における小売、卸売の電子商取引)は、売上高1,400.72億元(同9.7%増)、EBITA383.89億元(同21.3%減)となりました。アリババは中国最大の電子商取引会社ですが、人口約14億人で国土が広大な中国ではECの競争が激しく、通常のECであるカスタマーマネジメントの売上高は前年比10.1%増、新しいカテゴリーであるクイックコマース(日用品、食品等の短時間配送)が同12.0%増と順調に伸びましたが、EBITAは21.3%減となりました。
「アリババ・インターナショナル・デジタル・コマース」(以下AIDC。中国以外の地域での電子商取引の小売、卸売)は、売上高347.41億元(同18.6%増)、EBITAマイナス0.59億元(前年同期は37.06億元の赤字)となりました。AIDCはEBITAベースでの赤字が続いてきましたが、今1Qは赤字が縮小しました。特に小売は事業規模はまだ大きくありませんが二桁増収が続いてきたため、その効果と思われます。
クラウド・インテリジェンス・グループ(クラウドサービス)は、売上高333.98億元(同25.8%増)、EBITA29.54億元(同26.4%増)となりました。世界第4位のクラウドサービスで、中国、東南アジアを中心に事業活動をしています。AI半導体のレンタルが好調でした。
表1 アリババ・グループ・ホールディングの業績
時価総額 2,870,922百万香港ドル(2025年9月15日)
発行済株数 19,142百万株(完全希薄化後、Diluted)
18,570百万株(完全希薄化後、Basic)
1人民元=1.0927香港ドル(2025年9月16日)
1USドル=7.7796香港ドル(2025年9月16日)
単位:業績は百万人民元、人民元、株価、配当はUSドル、香港ドル、時価総額は百万香港ドル、%、倍。
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。
表2 アリババ・グループ・ホールディングのセグメント別業績(四半期)
出所:会社資料より楽天証券作成
2.クラウドとAIインフラに対して大型投資を行う計画。独自のAI半導体を開発した模様。
会社側は今2Q、2026年3月期通期の業績ガイダンスを出していませんが、中核事業の「アリババ・中国・Eコマース・グループ」では10%前後の増収が予想されます。クイックコマースは競争は厳しいですが市場が拡大しているため、これも10%台の増収が続くと予想されます。このため、今2Q以降は「アリババ・中国・Eコマース・グループ」のEBITAの減益率が縮小し、来期にはEBITA横ばいか、10%前後の増益に転換する可能性があります。
AIDCは二桁増収が続いており、今1QはEBITAの赤字が大幅に縮小しました。このため、今期は収支均衡、来期は小幅ながら黒字転換の可能性もあると思われます。
クラウド・インテリジェンス・グループは、今期、来期とも好調が予想されます。会社側は今年2月に今後3年間で3,800億元をクラウドとAIインフラの構築に投資することを発表しました。1年平均で1,267億元の投資になります。2024年3月期は営業キャッシュフロー1,825.93億元に対して設備投資は275.79億元、2025年3月期は営業キャッシュフロー1,635.09億元に対して設備投資が842.72億元だったので、今後設備投資は大幅に増えることになりますが、AI半導体が十分確保できなかったためと思われますが、過去の設備投資が少なすぎたと思われます。クラウドとAIに対する投資を増やすことによる今後の営業キャッシュフローの増加を考慮すると、3年間で3,800億元の設備投資計画は過大な投資とは言えないと思われます。
また報道によれば、アリババは独自のAI半導体を開発した模様です。性能的にはエヌビディアには及ばないと思われますが、中国にはDeepSeekのような生成AIを低コストに効率的に開発、運用する技術があります。すでに実地でこのAI半導体をAIの学習に使用している模様です。もともと中国のクラウドと生成AIのインフラは米国に比べ貧弱です。米国の対中国半導体輸出規制が強化されたため、エヌビディア製AI半導体が中国国内に入ってこない状況になっています。そのため、性能の低いAI半導体でも使えるのであれば、クラウドの能力増強と生成AIの開発、運用のためのインフラ増強、そして、クラウドと生成AIビジネスの拡大に寄与すると思われます。
このような見方から、楽天証券ではアリババの業績を、今期2026年3月期は売上高1兆600億元(前年比6.4%増)、営業利益1,420億元(同0.8%増)、来期2027年3月期は売上高1兆1,900億元(同12.3%増)、営業利益1,640億元(同15.5%増)と予想します。今期は設備投資や競争に対応するための各種経費増加の影響が予想されますが、来期は投資の成果が出てくると予想しました。
表3 アリババ・グループ・ホールディングのセグメント別業績(通期)
出所:会社資料より楽天証券作成
3.今後6~12カ月間の目標株価を、190香港ドルとする。
アリババ・グループ・ホールディングの今後6~12カ月間の目標株価を、190香港ドルとします。
楽天証券の2027年3月期予想1株当たり利益(EPS)8.60香港ドルに独自のAI半導体の開発によってクラウドサービスが高成長する可能性ができたことを評価して、想定株価収益率(PER)20~25倍を当てはめました。
中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:アリババ・グループ・ホールディング(09988(香港)、BABA(NYSE))
決算レポート:アリババ・グループ・ホールディング(クラウドサービスが好調。独自のAI半導体を開発した模様)
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