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今週のマーケット:米物価高の加速で株価急落も!石破首相辞任で日本株は上昇?

2025/9/8 16:35

 先週は半導体株が乱高下しましたが、日本市場はトランプ関税合意もあって鉄鋼、自動車株が好調でした。今週は米国で雇用統計が大幅に悪化した中、8月の物価指標が発表され、物価高と景気後退が同時進行するスタグフレーション懸念が高まるかどうかが最大の注目ポイント。日本株は石破首相が辞意を表明したことで株高が進むかもしれません。

目次
  1. 今週の米国物価指標で予想以上の物価高なら株価急落!日本株は新政権誕生期待で続騰!?
  2. 先週:アリババ・ショックで半導体株下落もトランプ関税合意や下水道・医薬品株の上昇で循環物色続く!
  3. 今週:米国の8月物価指標が最重要!物価高加速で利下げ期待が吹き飛ぶ可能性も?

今週の米国物価指標で予想以上の物価高なら株価急落!日本株は新政権誕生期待で続騰!?

 今週は9月10日(水)の米国の8月卸売物価指数(PPI)、11日(木)の8月消費者物価指数(CPI)の結果次第で最高値圏にある日米株価が急落する恐れがあります。

 ただ7日(日)には石破茂首相が、臨時総裁選実施による自民党の分断を避けるため辞意を表明。新総裁選びや新連立政権の経済政策に対する期待感が日本株の下支え役になりそうです。

 先週発表された米国の経済指標は一部を除き、米国の雇用市場や景気が予想以上に落ち込みつつあることを示すものばかりでした。

 米国の景気や雇用の減速は来週9月17日(水)終了の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待につながるため、人工知能(AI)関連株の好決算もあって、機関投資家が運用指針にするS&P500種指数は前週末比0.33%高とプラスで終わりました。

 しかし、5日(金)の8月雇用統計の非農業部門新規雇用者数は前月比わずか2.2万人増と予想を大幅に下回り、失業率は4.3%に上昇しました。

 さらに6月の新規雇用者数が1.3万人の減少に下方修正され、コロナ禍の2020年12月以来、実に4年半ぶりの減少となったことも判明しました。

 さすがに雇用統計がこれほど悪くなると、利下げ期待の楽観論も吹き飛び、米国の長期金利の指標となる10年国債の利回りが4.08%まで急低下したにもかかわらず5日(金)の米国株は反落しました。

 今週の8月PPI、CPIが予想以上の物価高を示すと、いよいよトランプ関税で物価高と景気後退が同時進行するスタグフレーション懸念が台頭して、米国株が本格的調整に入る恐れもあります。

 反対に景気・雇用の減速による消費活動の落ち込みで、今週の米国物価指標が予想程度か、それ以下の伸び率にとどまるようなら、米国で2025年内に2度の利下げや、9月17日(水)のFOMCで通常の倍となる0.5%の利下げが行われる期待感も台頭し、景気減速でも米国株の上昇が続く可能性もあるでしょう。

 一方、先週の日経平均株価(225種)は日々の上下動が激しい1週間でしたが、前週末比300円(0.7%)高の4万3,018円で終了。

 8月以降の日経平均の史上最高値更新をけん引してきたAI関連のソフトバンクグループ(9984)が前週末比4.3%安、AIデータセンター向け光ファイバー製造の古河電気工業(5801)が5.9%安と下落。

 その一方、4日(木)に自動車関税を現行の25%から15%に引き下げることを盛り込んだ日米貿易合意に関する大統領令にトランプ大統領が正式に署名をしたこともあり、米国への自動車輸出比率の高いマツダ(7261)が10.3%高となるなど自動車株が上昇しました。

 さらに、日米貿易合意で関税面での悪材料が出尽くしになったことを好感して米国のUSスチール(すでに上場廃止)を買収した日本製鉄(5401)が8.7%高となるなど、株価が割安で高配当株の側面もある鉄鋼業が週間の業種別上昇率首位になりました。

 8月第4週(8月25~29日)の海外投資家は現物・先物合計で日本株を6,352億円売り越しているものの、日本市場は毎週のように物色される銘柄が入れ変わり、全体として株価の底上げが続いています。

 先週の悪い米国雇用統計を受け、米国の金利が急低下したため、5日(金)のニューヨーク為替市場では一時1ドル=146円80銭台まで円高に振れたものの、終値は1ドル=147円40銭台と前週末比ではわずかに円安方向で着地しています。

 5日(金)の米国株下落を受け日経平均先物(期近)は4万2,870円まで小幅下落していますが、今週の日本株が銘柄物色の矛先(ほこさき)を変えながら上昇を継続できるかどうかに注目です。

 8日(月)、日経平均は4万3,451円の続伸でスタート。新政権による経済対策への期待から上げ幅は拡大、一時は800円高超となりました。終値は前営業日625円高の4万3,643円と3日続伸で終えました。

先週:アリババ・ショックで半導体株下落もトランプ関税合意や下水道・医薬品株の上昇で循環物色続く!

 先週、注目が集まったのはAI向けなど株高が続く半導体株を取り巻く市況の変化でした。

 週初には中国電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディング(BABA)が独自の中国製AI半導体を開発したというニュースを受けて、日米などの西側諸国の半導体メーカーの中国市場での販売低迷が懸念される「アリババ・ショック」が発生しました。

 中国市場での売上成長率が高い半導体研磨装置のディスコ(6146)が前週末比7.5%安となるなど半導体株が軒並み急落しました。

 5日(金)早朝にはAIデータセンター向けカスタム半導体に強い米国ブロードコム(AVGO)が予想を上回る好決算を発表。

 生成AIツール「ChatGPT」の世界的な普及が進む米国オープンAI社と思われる新規顧客から100億ドル(約1.47兆円)超の新規受注があったと明らかにしたことで、ブロードコム(AVGO)の株価は前週末比12.6%も上昇しました。

 日本の半導体関連株も「アリババ・ショック」の下げから戻り歩調になりました。

 しかし、オープンAI社とブロードコムが独自のAI半導体の開発を進めることを受けて、これまでAI半導体分野で独り勝ちだったエヌビディア(NVDA)は急落し、週間でも前週末比4.11%安と4週連続で下落しています。

 米中間の貿易戦争で半導体の開発や生産に「米中の壁」ができつつあること、米国内でもエヌビディアvsブロードコム&オープンAI社連合の競争激化による利益率低下が見込まれることもあり、AI関連ならどんな銘柄でも買われる相場は今後、曲がり角を迎えるかもしれません。

 一方、半導体株の調子が悪くても別の業種やテーマ性のある銘柄が入れ替わり立ち替わり循環物色されるのが今の日本株の強いところ。

 先週はトランプ大統領が日米貿易合意の大統領令に署名したことで、鉄鋼業、ゴム製品、輸送用機器セクターが買われた他、医薬品や卸売業、鉱業など株価が割安で配当利回りが高い高配当株が好んで物色されました。

 また老朽化した日本全国の上下水道インフラに対する政府の国策投資に対する期待感の高まりから、下水道向け鉄筋コンクリート製のヒューム管を製造する日本ヒューム(5262)が28.5%も急騰するなど、下水道関連株が軒並み急上昇。

 AI半導体基板向けの特殊ガラスの増産を発表した日東紡(日東紡績:3110)が24.6%も上昇するなど、AIデータセンター絡みの素材関連株が急騰する流れも続いています。

 トランプ大統領が医薬品に対して最終的に250%の高額な関税を課すと表明していることもあって、このところ下落する銘柄の多かった医薬品株の中にも底値圏から反発する銘柄が目立ちました。

 1日(月)に米国で皮下注射型アルツハイマー病治療薬が承認されたと発表したエーザイ(4523)が13.2%高。

 iPS細胞を使った再生治療薬の国内承認に期待がかかる住友ファーマ(4506)が18.8%も上昇しました。

 下水道や新薬だけでなく、米の価格高騰など農業関連、AIデータセンターにガラスや銅箔(どうはく)などの部材を販売するAI周辺株、法定通貨に価格が連動するように設計された仮想通貨ステーブルコイン関連など、さまざまなテーマ性のある銘柄が幅広く循環物色されるのは、日本株が好調の証拠といえるでしょう。

今週:米国の8月物価指標が最重要!物価高加速で利下げ期待が吹き飛ぶ可能性も?

 今週は10日(水)にまず米国8月PPIが発表。

 前月7月のPPIは前年同月比3.3%上昇、前月比0.9%上昇と、3年ぶりの大幅上昇となり、製造業など生産者がトランプ関税で生じたコスト増加を価格転嫁し始めている状況が浮き彫りになりました。

 今回8月PPIは前年同月比3.3%の上昇と予想されていますが、さらに上振れするようだと輸入品のコスト上昇で米国企業の利益率の悪化が進みそうです。

 11日(木)には8月CPIが発表。

 前月7月のCPIは前年同月比2.7%の上昇で市場予想を下回ったものの、トランプ関税の影響を受けやすい家具や自動車部品の値上がりもあり、変動の激しい食品・エネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.1%の上昇と予想を上回っています。

 今回8月のコアCPIも前年同月比3.1%の伸びと高止まりが予想されています。

 これまでは、米国の景気・雇用が小幅に失速するだけなら、逆に米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な利下げ路線に転換するきっかけになるので、むしろ株価にとって追い風といった楽観論が台頭してきました。

 しかし、先週5日(金)の8月雇用統計が示すように、米国ではトランプ政権による不法移民の取り締まりで労働者の全体数が減っているにもかかわらず、雇用市場が急速に悪化しています。

 株式市場がトランプ関税によるスタグフレーション懸念を本格的に織り込み始めることになると、FRBが来週9月17日(水)終了のFOMC以降、矢継ぎ早に利下げを行っても株価が下落する流れが続く恐れもあります。

 ただ、米国で物価高が再燃すると金利も上昇しやすいため、日米金利差の拡大で為替相場がさらなる円安に振れる可能性もあり、日本株にとって多少の追い風にはなるでしょう。

 また7日(日)には石破首相が辞意を表明。今後は自民党で石破総裁の後任を決める総裁選に向けた動きが活発化しそうです。

 誰が自民党の新総裁に就任するかはまだ定かではありません。

 しかし自民党総裁選前には、総裁候補の政策に絡んだテーマ性のある銘柄が急騰することが多く、日本株にとっては株価の下支え材料になりそうです。

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