金相場は下落。フランス大統領選の結果を受けたリスク選好の動きが、安全資産である金からの逃避につながっている。米国の金融政策の引き締め観測を背景に債券利回りが上昇し、一時8週間ぶり安値を付ける場面があった。1,220ドルで下げ止まるかが重要なポイントであり、目先はここを注視することになる。下げ止まれば反発に転じる可能性が高まるが、それも外部要因次第である。

市場における6月のFOMCでの利上げ確率は88%にまで上昇しており、利上げは確定的である。これが市場に織り込まれてしまえば、ドル高・金利上昇の余地は低下し、金相場の底打ちにつながることが想定される。また、北朝鮮情勢が再び不透明になれば、これも心理面から金相場を支える可能性があろう。

COMEX金先物市場で投機筋のロングが極端に積み上がっているわけではないことから、投げが下値を叩くような動きにはなりづらいだろう。いずれにしても、1,220ドルで底値形成の動きが見られるかを当面は注視することになろう。

非鉄相場は上値の重い展開。フランス大統領選でEU離脱を訴えた極右政党・国民戦線(FN)のルペン候補が敗退し、数カ月にわたり金融市場を覆っていた先行き不透明感が晴れたものの、非鉄相場には買いは戻ってきていない。アルミは続落。1,860ドルにあるサポートを目指す動きにある。下げ止まりが確認できるかを待つことになろう。

銅は下げ渋っているが、全般的に重さを感じる展開にある。LME在庫の増加や中国の輸入量の減少が影響している。ニッケルはさすがに下げすぎ感から反発しているが、9,500ドルを明確に上抜けないことには、トレンドの回復は確認できない。一方、亜鉛は2,600ドルを回復して反発基調に入り、鉛も辛うじて下げ止まっている。そろそろ全般的に下値を確認して上向く動きに入るものと考えている。

原油は反落。需要減退懸念やドル高、米国のシェールオイル増産に伴い、OPECの需給再均衡能力に対する市場の信認が揺らいだことが影響した。世界の石油在庫動向については、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計とOPEC月報で明らかになるだろう。世界の在庫水準の低下が裏付けられれば、再び反発に向かう可能性は十分にあるだろう。

一方、米国ではガソリン在庫の水準が高いことが嫌気されている。4月の米消費支出が3年ぶり低水準に落ち込んでおり、さらに自動車販売台数も前年比で4カ月連続減少しており、個人消費への懸念が高まっている。一方、世界最大の原料需要国である中国でも製造業が低迷しており、コモディティの輸入が減少している点も不安要因になっている。一方、サウジアラビアは「需給再均衡のためなら何でもする」との方針を示しており、需給バランスの改善に本気で取り組む姿勢を示している。

OPECの減産を米国の産油量の増加が相殺する展開にあるが、絶対量が異なる。また需要も前年比で増加することから、世界の石油在庫は必然的に減少する。しかし、市場はこの点を全く織り込んでいないようである。EIAは米国の生産量が来年にも過去最高の日量約1,000万バレルとなり、ロシアやサウジに近づくと予想しており、これも上値を抑える可能性がある。一方、米石油協会(API)が引け後に発表した原油在庫は前週比580万バレル減となり、市場予想の同180万バレル減を大幅に上回った。

一方、オクラホマ州クッシングの在庫は同13万3,000バレル減だった。ガソリン在庫は同320万バレル増と、市場予想の同53万8,000バレル減と反対の結果となった。ディスティレート在庫は同120万バレル減で、市場予想の同100万バレル減を上回った。原油輸入は日量56万3,000バレル減の740万バレルだった。一方、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは、6月のアジア向けの原油供給量を約700万バレル削減する見通し。日量では23万3,000~23万4,000万バレル程度が削減されることになる。