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国家の破綻は通貨の価値を下げるという形で起こる

2025/8/7 17:04

 インフレはステルス増税だ。日本は「金融抑圧」によって国民の富がどんどん政府に移転していく。早い話が、国民が貧乏(実質資産が目減り)になる一方で、政府は債務を実質的に圧縮していくのである。

目次
  1. ヘッジファンド業界にとっての一つの転機となるのか?レイ・ダリオが勇退
  2. 国の破綻は「通貨の価値を下げる(デバリュエーション)」という形で起こる
  3. 8月6日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」

ヘッジファンド業界にとっての一つの転機となるのか?レイ・ダリオが勇退

 世界最大規模のヘッジファンド運用会社、米ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者、レイ・ダリオがブリッジウォーターの投資持ち分全てをブリッジウォーターに売却し、取締役会から退いたことが明らかになった。

 約10年前に始まった経営移行が完了した形だ。ブルームバーグの8月1日の記事『レイ・ダリオ氏、ブリッジウォーター保有株全て売却-取締役退く』は、ダリオの影響力を踏まえると、業界にとっての「転機」となり得ると報じた。

 ダリオは1975年にブリッジウォーターを創業。世界中の国々の経済、金融市場などについてマクロの視点から分析して投資する「グローバル・マクロ戦略」やポートフォリオにおける各資産のリスクの割合を均等に近づけるように調整することでリスクを低減させる「リスクパリティ戦略」などを中心に展開し、世界最大級のヘッジファンドへ育て上げた。

 ダリオは2017年に共同CEOを退任し、経営の第一線から退くことを表明。2022年9月には共同CIOも辞任し、以降は「創業者・メンター」的立場に移行していた。

 ダリオの退任をいち早く報じたウォール・ストリート・ジャーナルの7月31日の記事『Ray Dalio Sells Last Stake in Bridgewater, the Hedge Fund That Made Him a Billionaire(レイ・ダリオ、ブリッジウォーターの最後の株式を売却)』によると、ダリオはファンド投資家としては今後も関与を続けるということだ。

 ダリオは7月31日、SNS(交流サイト)のLinkedInに『My Reflections on Celebrating Bridgewater at 50 Years and Transitioning It to the Next Generation(ブリッジウォーターの50周年記念と次世代への移行についての考察)』を投稿した。

 ブリッジウォーターは2ベッドルームのアパートからスタートしたという。そこから50年、素晴らしいチームと共にブリッジウォーターを世界最大のヘッジファンドに築き上げ、ほかのどのヘッジファンドよりもクライアントに多くの利益をもたらし、次の世代の素晴らしい人材にバトンを渡す最後のステップを完了したと記した。

 そして、このことについて、とても興奮しているとともに大変な喜びだと述べている。

 ブリッジウォーターが、私無しでも繁栄するのを見るのは喜ばしいことだ。これは最高のライフサイクルだと考えている。ブリッジウォーターとブリッジウォーターの人々(その多くは数十年間一緒に働いてきた人々)を愛する者として、私がいなくても子供たちが強く健康であるのを見るのは、76歳の親として子供たちを世話しなければならないということよりもずっと好ましい。

 人生のこの段階においては、私を助けてくれたプリンシパル(原則)を伝えていくことが主な目標の一つだ。ブリッジウォーターの投資成功の背景にある最も重要なプリンシパルは次の通りである。

  • 現実は機械のように機能するため、その機械の仕組みを理解し、適切に対応するための確固たるプリンシパルを持つ必要がある。
  • 原因と結果の関係を理解する:変化を駆動する原因と結果の関係を理解することで、原因が結果に先立つため、その理解が将来起こることを予測する手助けになる。
  • 意思決定の基準を明確化し、バックテストし、システム化し、コンピュータ化することで、よく考えられ、十分にテストされたゲームプランを実行できるようになる。
  • 知らないことが知っていることよりもはるかに大きいことを認識する。
  • 適切な分散投資の方法を理解して欲しい。そうすれば、期待リターンを低下させずにリスクを約80%削減できる。
  • あなたと意見の異なる最も賢い人々を探し、彼らと建設的な議論を通じてあなたの考えをストレステストしよう。これにより、正しい判断をする確率が上がり、多くのことを学ぶことができる。
  • 受け入れられない損失の確率をゼロにすること。

 シンプルであるが、実行するのはなかなか難しい。しかし、これらを淡々と実行するところに相場での成功はあるのだろう。

国の破綻は「通貨の価値を下げる(デバリュエーション)」という形で起こる

 ダリオは4月28日のXへの投稿で、貿易摩擦が通貨体制、政治体制、国際秩序を分断し、脱グローバル化と持続不可能な貿易不均衡を招いていると述べた。

 そして、世界が「世界的な通貨体制の崩壊の瀬戸際」にあり、トランプ政権による関税政策の混乱がそれを加速させていると警告した。また、米国政府の債務問題に正面から取り組めば、「今歩んでいる道」よりもはるかに良い結果をもたらすはずだと語った。

 年初の1月13日から23日にかけては、LinkedInに『How Countries Go Broke(国家はいかに破綻するのか)』と題する論文を掲載した。

 国の債務の増加には限度があるのか、もし政府債務の増加が抑制されない場合、金利はどのようにそのほかの資産に影響を及ぼすのか、米国のような主要な準備通貨を持つ大国が破綻することはあり得るのか、もしあり得るのであれば、それはどのような状況になるのかなどをカバーする内容となっている。

 特に自国通貨が基軸通貨である場合、政府債務や債務増加に上限はないと考える人もいる。なぜなら、世界中で広く受け入れられている基軸通貨国の中央銀行は、債務返済のためにいつでも通貨を発行できると考えられているからだ。

 一方で、高水準の債務と急速な債務増加は、近い将来に大きな債務危機が起こる前兆であると考える人もいる。しかし、その危機がいつ、どのようにして訪れるのか、また、それがどのような影響をもたらすのかは、正確には分かっていない。

 ただし、ダリオは研究を通じて、大きな長期債務サイクルは必ず大きな債務バブルと崩壊につながっていると結論づけている。

 1700年以降に存在した約750の通貨/債務市場のうち、今も残っているのはわずか20%ほどであり、残っている市場についても機械的なプロセスによってその価値が大幅に切り下げられ、大きな長期債務サイクルが帝国、国、地方を崩壊させる予兆を何度も見てきたとしている。

 年初にLinkedInで公開された内容が6月、著書として発売された。その発売に際し7月11日にレイ・ダリオと、カーライル・グループの会長であるデイビッド・ルーベンスタインが対談を行った動画がYouTubeにて公開された。そのやりとりの一部を抜粋してご紹介したい。

 ルーベンスタインは新刊において「国が破綻する」ことがテーマになっているが、国は本当に破綻するのかという問いを投げかけた。企業や人は破産するが、果たして国が「破産(財政破綻・デフォルト)」することはあるのかというものだ。この問いに対しダリオは次のように述べている。

 国の債務とそのダイナミクスは、基本的には個人や企業の借金と同じだ。ただし、2つの重要な違いがある。1つは「お金を刷る(発行する)」ことができること。もう1つは「税金という形で国民からお金を徴収できる」こと。国は、選択を迫られたときには、たいてい「お金を刷る」ことを選ぶ。つまり、国が破綻するというのは、通常の意味で「デフォルト(債務不履行)」するということではなく、「通貨の価値を下げる(デバリュエーション)」という形で起こる。

 国の所得が増えるにつれて、(特に人々の性質や政治家の行動の影響もあって)ほとんどの国では債務もそれに比例して増えていく。政治家は人々を満足させたいと考えるので、借金が増える。債務返済は、徐々に健全な循環を阻害し始める。具体的には、利払い負担が増え、ほかの消費や投資を圧迫していく。

 その兆候は経済データの中で確認できるという。そして、次の三つのことが同時に起こっているとし、債務問題の核心を指摘した。

 1つ目は、「利払い負担による経済活動の圧迫(クラウディングアウト)」。2つ目は、「供給と需要の不均衡」。例えば、今のアメリカでは次の1年間で約12兆ドルの資金を市場から調達しなければならない。政府はこの12兆ドルを市場に売り出す必要がある。しかし、それを誰が買うのかという「需要」の問題がある。これが3つ目の現象だ。供給が需要を上回ると、「供給過剰=価格(債券価格)下落=金利上昇」という圧力がかかる。そして、金利が上昇すると、資産価格は下がり、経済活動も抑制される。こうして経済全体が冷え込んでいく。これが、今まさに起きている「政府債務問題の核心」だ。

 大規模予算法案「ビッグ・ビューティフル・ビル(BBB)」がこの問題を解決したり、緩和したりするのかとルーベンスタインは尋ねる。これに対し、ダリオは、BBBは問題の解決にならないだろうとした上で、日本を引き合いに出し、米国も同じような状況に陥るだろうと述べた。

 いつものように次のことが行われるだろう。国が「破綻状態」にあるときにいつも使われる方法だ。つまり、国がとる典型的な対応はこうだ。通貨を切り下げ(デバリュエーション)、お金を刷り(金融緩和)、それによって金利を人為的に低く抑える、この仕組みによって債券を保有している人(投資家や国民)は、実質的に目減りした価値の金利しか受け取れなくなる。要するに、インフレや通貨安を通じて借金を薄めるというわけだ。これはまさに日本が行ってきたやり方であり、そして米国も最終的には同じ方法を取ることになるだろうというのが私の見立てだ。

 このことはおそらく、私たちの孫やひ孫の世代よりも前に始まるだろう。ドルの価値に注目してみて欲しい。ほかの通貨(ユーロや円など)との相対的な為替だけでなく、特に「ゴールド」との関係に注目すべきだ。ゴールドは今や世界第2位の準備通貨だ。第1位はドル、第2位がゴールド、続いてユーロ、そして円。ゴールドは「通貨としての地位」を持っている。だから、ゴールドに対してドルがどう動いているかを見れば、ドルの実質的な価値の下落がわかる。

 その結果として、金利は人為的に低く保たれるようになる。これが債務を処理する「見えにくい方法」だ。私が懸念しているのは、これらの動きが「景気後退」と重なることである。実際、それが実現する可能性の高いシナリオだと思う。その場合、当然ながら財政赤字はさらに拡大する。リセッションの最中に「増税します」とか「給付を削減します」とは誰も言い出さない。結果として、政治的・社会的・経済的に非常に困難な状況に陥る可能性が高い。

 では、そうした中で投資家はどのようなスタンスを取るべきなのか。ダリオは「より安全な投資とは何か」という観点から、彼の考えを披露した。

 第一に、あなたのポートフォリオの価値は名目ではなく、インフレ調整後(実質)で考えるべきだ。「インフレで目減りした後でも、どれだけの購買力が残るか」を基準にする。現在、最も安全な投資対象の一つは、インフレ連動債だ。これは、インフレに連動して価値が調整され、実質で年2%以上のリターンが得られる可能性がある。どんな経済環境でも、一定の購買力を維持しやすい資産だ。

 次に重要なのは、分散投資だ。分散の力は非常に強力だ。ただし、ゴールドを保有することについては考えておくべきだろう。ゴールドは通貨の一つの形態であり、中央銀行が分散先として買い増している資産でもある。また、市場が大きく混乱したときに、ほかの資産と逆に動く傾向があるため、保有していると全体のリスクを抑えることができる。

ゴールドCFD(日足)

ゴールドCFD(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド) 出所:楽天MT4・石原順インディケーター

ゴールドCFD(週足)

ゴールドCFD(週足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド) 出所:楽天MT4・石原順インディケーター

 かつて世界はゴールドを通貨として使っていた。その頃は、人々は価格を「ドル建て」ではなく「ゴールド建て」で見ていた。分散の一環として、ポートフォリオの10~15%をゴールドに充てるのは、非常に賢明な判断だと思う。インフレ連動債とゴールドを組み合わせれば、今の多くの資産と比べて、よりリスクを抑えた構成になる。要するに、大きな賭けをするのではなく、実質的な購買力を守る形でポートフォリオを安定化させるのが大切だ。数千年にわたり通用してきた知恵を使うことは、よりリスクを取るのではなく、安全な側に立つという選択になる。

 レイ・ダリオが推奨している「インフレ連動債」については、筆者は推奨しない。政府が発表しているインフレ率と現実のインフレ率は全く違う。従って、政府発表のインフレ率に連動する債券は、実際のインフレには勝てないのである。

 資産バブルはフィアット・マネーの劣化である。サードパーティ・リスクの回避にゴールドなどの資産価値保存商品を持っておきたい。今の政治体制では歳出削減など絶対無理だろう。従って、どこの国も「プリンティング・マネー(紙幣増刷)」の一択である。これから、そして、これからどこの国も税金はどんどん上がっていく。

 なんと、世界の債務が300兆ドルを超えた。300兆ドルは148.5円換算で4京4,550兆円である。もうファンダメンタルも業績も関係ない。市場そのものを動かすのは「政策当局が注入する過剰流動性のレベル」と「政策期待を巡る感情」である。

 負債と資産の両建て相場が、この先の米国の「利下げ」と「量的緩和」ですさまじい上昇を見せる可能性があるが、問題はその後である。そのことについてはいずれ書くつもりだ。

世界の債務が過去最高に

世界の債務が過去最高に
出所:Bravos Research

「彼らが何を約束しようとも、唯一の解決策は紙幣を刷ることだ。彼らは借金を返済できない。債務不履行に陥ることもできない。借金の価値を下げるしかないのだ。紙幣印刷のコストは通貨で支払われるのではなく、我々が支払うのだ。若者がそれを負う」

(ジャック・マラーズ)

 世界金融危機(リーマンショック)以降、どの国も債務残高が危険ラインに到達している。これを簡単に解消するにはハイパーインフレしかないが、そんなことはできないので金融抑圧政策が行われている。

 政府の借金圧縮(いわゆる財政健全化)のための「増税」や「歳出削減」は、国民やマスコミから文句が出やすい。イーロン・マスクのDOGEの結末を見ていれば、歳出の削減など不可能だということが分かるだろう。

 2%のインフレが10年も続けば、政府の債務は実質20%軽減される。だが、多くの国民はそれを認識しづらい。いわゆる「ゆでカエル」状態だ。

 多くの借金を抱える国が「インフレ率より長期金利を下げたい」という<金融抑圧の誘惑>にかられるのは当然の帰結なのかもしれない。

 日本は「金融抑圧」によって国民の富がどんどん政府に移転していく。早い話が、国民が貧乏(実質資産が目減り)になる一方で、政府は債務を実質的に圧縮していくのである。

 繰り返すが、結論は「プリンティング・マネー」の一択だ。すなわち、不換紙幣(通貨)の価値は下がるのである。

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