金相場は上昇。米GDP統計を受けた株安やドルの上値の重さなどから買われている模様。また4月のユーロ圏CPI上昇率が市場予想を上回り、ユーロが対ドルで上昇したことが好感されたようである。一方で、北朝鮮情勢への警戒感も根強く、これも心理的な下支え要因になっているとみられる。

フランス大統領選では中道系独立候補のマクロン前経済相が勝利する見通しであり、政治リスクは後退している模様。FRBは5月2・3日にFOMCを開催するが、3月の利上げから約1カ月半しかたっておらず、今回は政策金利を据え置く見通しのようである。

トランプ政権の政策が経済に及ぼす影響を点検し、今後の利上げ時期やペースを議論する方針とされている。イエレンFRB議長は3月の会合後の記者会見で、「雇用や物価が政策目標に近づいている」とし、「利上げ方針の維持が妥当」との認識を示していた。FRBは現時点で、年内あと2回の利上げを想定しているが、引き上げが遅れて景気が過熱し、急激なインフレを招く事態を警戒してペースを速めるべきだとの声も聞かれる。

しかし、1~3月期の実質GDPが前期比0.7%増となり、個人消費の低迷で3年ぶりの低成長となっている。またトランプ政権の大型減税案などには不透明感が強いこともあり、FRBは拙速な利上げは避けると考えられる。

一方、市場の関心は金融緩和により膨らんだ約4兆5,000億ドルの保有資産の縮小に関する議論に向かっているようである。金融政策の正常化がどのように進捗するのか、FRBが示す方針に注目することになろう。

一方、世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、21日の858.69トンから28日には853.36トンに減少した。投資家の金購入意欲はやや低下したとみられるが、大幅に減少しているわけではない模様。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、4月25日時点で20万0,677枚の買い越しとなり、前週から4,909枚増加。買いポジションが8,157枚増加する一方、売りポジションも3,248枚増加した。前週と同様に買いポジションと売りポジションの両方が増える形となっており、強弱感が交錯しているといえよう。

これは、上昇を見込んだ買いが入る一方、高値を付けたとの判断から売りが出ていると考えられる。市場の不透明感は完全には払しょくされておらず、今後も下値は買われる可能性が高そうである。一方、パラジウムがきわめて強いようである。プラチナとの価格差が徐々に縮小している。

非鉄相場はまちまち。アルミは下げたが、重要なサポートの1,900ドルで下げ止まっている。銅は上昇。ただし、5,750ドルを超えられるかが重要である。ニッケルはさすがに売られすぎであり、戻りを試す動きに入りつつある。亜鉛も底堅く推移し、鉛は急伸している。このように、非鉄相場は下げそうで下げない状況が続いているようである。やはり底値はかなり固いといえるだろう。

一方、中国の4月の製造業PMI(購買担当者景況指数)は51.2と、前月の51.8から低下。卸売物価指数の上昇が減速傾向となったことや、当局が不動産市場と与信の伸びのリスクに対処していることが背景と見られている。また4月の非製造業PMIは54.0と、14年5月以来の高水準だった前月の55.1から低下した。

原油は上昇。OPECの減産合意への期待感から買戻しが入った。OPECが6月に終了する減産を年末まで延長することで合意すれば、世界的に膨らんだ原油在庫が減少する可能性がある。

OPECのバーキンド事務局長は、「世界の原油在庫がさらに減少すると期待している」としたことで、OPECが減産の延長に踏み切るとの観測が高まっている。一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比9基増の697基と、15年4月以来の高水準となった。増加は15週連続で、前年同週の332基の2倍以上の水準に達している。

ただし、月間での稼働数の増加ペースは5カ月ぶりの低水準に減速しており、徐々に伸びは鈍化している。現状の原油価格の水準で積極的に増産するのは難しく、今後は産油量の伸びも鈍化するだろう。

一方、25日時点のNYMEX・WTI原油先物の投機筋のポジションは、前週から3万2,061枚も減少。買いポジションが減少する一方、売りポジションが積み上がった。ただし、買いポジションの20万枚は長期的に残ったままであり、この1年間のポジション量の増減には含めなくてもよいと考えている。

そうであれば、実質的な買い越し幅はそれほど大きくないといえる。あとは、反発したあとの上昇過程で、売りポジションの解消が進めば、一気に水準訂正が起きるだろう。あと1カ月弱は現状のような水準での推移が続く可能性があるものの、その後は米国のガソリン需要期入りもあり、反発に転じるだろう。

ちなみに、市場関係者のブレント原油の17年の平均予想価格は57.04ドルと前月予想の57.25ドルを下回った。またWTI原油は54.73ドルと、前月予想の55.29ドルを下回った。市場の見通しはそれほど強くないようである。