お金の不安第1位は老後資金といわれています。その主な原因は自分の生活費を把握できていないこと、今後どのくらい生活費がかかるか見通せていないことでしょう。今回は老後資金不安を軽減するために、60歳からの生活費を見直す実践的な方法についてご説明します。
セカンドライフのお金を見える化してファイナンシャル・ウェルビーイングに近づこう!
60歳以降のセカンドライフに向けて、今後の年金収入や現在の手元資金でお金は十分に足りるのか、不安を感じている人も多いのではないかと思います。
「経済的な面で不安なく良好な状態」を意味するファイナンシャル・ウェルビーイング(Financial Well-being)という考え方があります。具体的には「当面の支払いを着実に行うことができ、将来のお金について安心しており、人生を楽しむためにお金の面で幅広い選択ができる状態」(出所:米国消費者金融保護局、筆者訳)とされています。
セカンドライフにおける収入と支出を見える化できると「将来のお金についての安心」につながります。今回は「経済的な面で不安なく良好な状態」であるファイナンシャル・ウェルビーイングを実現していくために重要となる、将来のお金の見える化、特にセカンドライフに向けての生活費の見直しについてご説明します。
なお、ファイナンシャル・ウェルビーイングについては連載『お金持ちよりも自分らしい人生を!「ファイナンシャル・ウェルビーイング」のススメ』でくわしくご説明していますので、併せてご覧いただけたらと思います。
手元のお金でいつまで生活していけるのか、資産寿命を確認する
セカンドライフにおける生活費を考えていくにあたり、まず現在の生活費を前提とした場合に、「お金はいつまでもつのか」「今の生活をいつまで続けていけるのか」を確認しておくことが大切です。
例えば、年金収入が240万円で、手元に2,000万円持っている家計を考えてみましょう。生活費が年340万円の場合、毎年の赤字額は100万円(=240万円-340万円)ですから、単純に計算すると毎年100万円ずつ取り崩していくことになり、2,000万円の資金は20年で底をつくことになります。
一方、生活費が50万円少なく、年間290万円の場合はどうなるでしょうか。毎年の赤字額は50万円(=240万円-290万円)ですから、同様に計算すると40年間、つまり先ほどの2倍ほどもつことになります。
一般的に高齢になるほど生活費は下がっていきますので、必ずしもこのような計算通りにいくわけではありませんが、大まかなイメージを持っておくことは大切です。
60歳以降も働き続ける人が増えてはいるものの、若い世代と比較すると、勤労収入のアップや維持は限定的です。老後資金が十分でない場合には、セカンドライフでは生活費を見直していくことが不可欠といえます。
まずやるべきことは「現在の生活費の確認」
生活費を見直すためにまず必要なことは、現在の生活費を大まかにでも把握することです。一般的な生活費は大きく分けると、次の表のように基本生活費、特別生活費、住居費、保険料、教育費の五つに分けられます。
一般的な家計の生活費は大きく五つに分けられる

60歳といってもライフプランは人それぞれですから生活費もさまざまですが、一般的に、50代後半から60代くらいで大きく低下する支出があります。それは子どもの教育費と住宅ローンです。子どもの教育費負担や、住宅ローンの返済が終われば生活費は大きく低下します。何年後にどのくらい生活費が下がりそうか、確認しておきましょう。
生命保険を見直して保障を最適化しつつ保険料を削減
子どもの教育費負担が終わる、つまり、子どもが社会人になれば親としての責任はいったん一区切りといえます。このタイミングで生命保険の見直しをしておくのがおすすめです。
万が一の時に遺族の生活費や子どもの教育費などを確保しておくために生命保険に加入している人が多いと思いますが、子どもが社会人となれば必要性は大幅に低下します。子どもの独立後の生活を見通しながら、公的年金の遺族給付なども考慮しつつ、保障が過剰になっていないか確認、保険を見直すことで保険料を削減できる可能性があります。
固定費の代表、住居費を見直せると効果は大きい
生活費の中でも大きな割合を占めるのが住居費です。持ち家の人は住宅ローンの返済完了が見えてくる時期といえますが、まだ一定の残高がある場合には借り換えも選択肢になります。固定金利か、変動金利かにもよりますが、2%以上など借入金利が高い場合は借り換えの可能性をチェックしてみることをおすすめします。
一方、賃貸の人であれば、今より家賃の低いところに引っ越すことが選択肢になります。現役時代は通勤の利便性や子どもの教育環境などから引っ越しのハードルは高いと思いますが、セカンドライフにおいてはそういった制約は少なくなります。生活費を見直す場合、家賃負担を見直せるとその効果はかなり大きいといえます。
家賃を毎月5万円(例:15万円→10万円)引き下げることができれば、年間60万円、10年間では600万円、20年間なら1,200万円も生活費を下げることができます。60歳という節目に、住む場所を変更してみるのも一つの選択肢といえるでしょう。
通信費の見直しも忘れずに
現代の生活では欠くことのできないスマホなどの通信費ですが、これも見直せると効果が大きいものの一つです。
自宅の固定電話、携帯電話、自宅のインターネットなど、家族構成にもよりますが、月額2~3万円という方も少なくありません。利用状況によって異なりますが、固定電話は今後も必要か、携帯電話は格安SIMに変更できないか、自宅のインターネットは携帯電話と兼用にできないかなど見直す余地が大きい場合もあります。
健康に関わるもの、楽しみに関わるものは削りすぎない
生活費を見直すといっても、何でもかんでも削ればいいというものではありません。60歳といっても、平均寿命を考えればまだ少なくとも20年以上、長ければ30年以上の人生があります。
そんな長寿社会において生きていくためには、健康に楽しく過ごしていくことがとても大切です。生活費を見直す際に、健康に直結する食料品や食費、ウォーキングやピラティスなどのフィットネスにかかる費用などは、ただ削ればよいというものではありません。
また、家族や友人で食事やお茶をしたり、旅行に行ったりなど、人生を楽しむためのお金も一定程度確保していくことが大切です。やみくもに削りすぎることなく、バランスを取りながら、ご自身なりのファイナンシャル・ウェルビーイングを探っていくようにしましょう。
家計がまわっている場合には、生活費をこまめにチェックしてこなかった人も多いかと思います。しかし、60歳というのは年金生活に入る直前ではあるものの、まだ手を打ちやすい年齢ともいえます。このタイミングで生活費を確認しつつ、セカンドライフに向けた見直しにぜひ取り組んでいただければと思います。
【関連リンク】
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60歳からの家計、今のままで大丈夫?生活費を5分類して「削る」と「守る」を見直し
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