金相場は反落。4月半ばに付けた5カ月ぶり高値からの下落局面に戻った模様。ただし、1,265ドル前後での推移が続いており、底堅さも全く変わっていないようである。前日はトランプ大統領の税制改革案発表を受けて買われたものの、買いが続かず売りも出ているとみられる。

しかし、米利上げが速いペースで行われることはないとみられることから、金相場は長期的に支えられると考えられる。一方、ECBのドラギ総裁の発言でユーロ安となったことは金相場の圧迫要因になっている模様。

ECBはこの日の定例理事会でこれまでの政策を維持することを決定したが、その後のドラギ総裁の会見では「ユーロ圏の景気回復が底堅さを増し、下振れリスクは一段と後退した」との認識が示され、その際にはユーロドルは1.0,932ドルまで買われる場面があった模様。

しかし、ドラギ総裁は「大規模緩和の縮小を開始するにはまだいくつかの障害がある」との見方を示したことからユーロは反転し、1.09ドルを割り込んで引けた。結果的に、ドラギ総裁のスタンスは、事前に想定されたほどはタカ派的ではなかったため、目先のユーロの上昇の可能性は低下すると考えられており、これが金相場の上値を抑える可能性があろう。

ただし、様々なリスク要因は完全には払しょくされておらず、米国債も買われているようである。したがって、株高基調が続く中でも、同様に安全資産である金を完全に手放す動きにはつながらないだろう。

非鉄相場は下落した。これまで堅調だったアルミが急落し、銅も5,750ドルで打たれており、やや不安な動きであるようである。一方で、これまで下げてきたニッケルが反発し、鉛・亜鉛は堅調に推移している模様。全般的には底堅いと考えてよいだろう。

米国株は堅調さを維持しており、これも支援材料である。トランプ政権の政策への懸念は根強いが、徐々にこの材料から離れ、需給面の長期的なひっ迫懸念への関心が高まることで、徐々に下値を切り上げる動きになっていくものと考えている。

原油は小幅安。リビアの油田操業の再開やガソリン需要の低迷を背景に、主要産油国が世界的な過剰在庫を緩和できるのかに対して懸念が高まったことが売りにつながった模様。ただし、現状の水準はきわめて売られすぎと思われる。

リビアではパイプラインを封鎖していた抗議活動の終了に伴い、シャララ・エルフィール両油田で操業が再開したとされている。両油田の産油量は合わせて日量40万バレルとみられる。

一方、NYMEXガソリン先物相場は下落し、この時期としては8年ぶりの安値水準を付けている。前日発表された米国内のガソリン在庫が約3カ月ぶりの大幅増となったことが背景にある模様。

OPECのバルキンド事務局長は、OPECの減産の延長に関し、「原油の供給過剰が後退しているものの、在庫を一段と削減する必要がある」と指摘した。同事務局長は減産の延長について直接言及しなかったが、17年のOPEC議長であるサウジアラビアが中心となり、5月25日の総会前に同意を取り付けるための取り組みが進行しているとしている。

一方、国際エネルギー機関(IEA)は最新の月報で、先進国の原油在庫が2月末時点で約30億6,000万バレルと、5年平均を約3億3,600万バレル上回ったとしている。世界の過剰在庫の解消には、OPEC加盟・非加盟国による協調減産の継続は不可欠な状況にあるといえよう。サウジアラビアは5月の総会での減産延長を支持している。

一方でロイターによると、史上初となる米ノースダコタ州産原油のアジア向け輸出が3月に出荷された模様。5月にダコタ・アクセス・パイプラインが開通すれば、これに続いて多くの出荷が予想されている。

バッケン原油60万バレル超とマーズ原油は3月末にルイジアナ州沿岸からシンガポールへ向け出荷されたという。アジアの製油所では、米国産原油への関心が急激に高まっている模様。特にダコタ・アクセス・パイプラインの操業開始後は、バッケン原油にとって恩恵となる見通し。

同パイプラインは、ノースダコタ州のバッケン油田とメキシコ湾を結び、日量47万バレルを輸送するとされている。アジアでの軽質油の需要が増加している模様で、バッケン産の軽質原油への関心が高まっているという。輸出が増加すれば、アジア向け需要の獲得競争が激化する可能性もある。その結果、原油価格の上値が抑えられると考える市場関係者が増える可能性もあろう。