米国の5月実質PCEがトランプ関税に伴う駆け込み消費の反動から減少しました。米国の消費はトランプ大統領就任以降、増勢鈍化傾向にありますが、駆け込み消費の反動はこれで済むでしょうか。6月の実質PCEを試算し、どの程度下振れリスクがあるか考えてみました。注意すべき数字のマジックについても解説します。
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著者の愛宕伸康が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「この夏、米景気は正念場を迎える ~トランプ関税に伴う駆け込み消費の反動~」
米国の5月実質PCEは駆け込み消費の反動から減少
米国の5月実質個人消費支出(PCE)が6月27日に米商務省から発表され、前月比マイナス0.3%と、3カ月ぶりに減少しました(図表1)。トランプ関税に伴う駆け込み消費の反動が、耐久消費財を中心に出たことが主な背景です。
図表1 米国の実質PCE
実質PCEの前月比がマイナスになること自体、過去3年を見ても6回あり、それほど珍しいことではありません。ですが、よくあるフレと見過ごせない理由があります。というのも、トランプ大統領が就任して以降、実質PCEのトレンドが緩やかになっているのです。消費の地合いが強くなければ、駆け込み消費の反動が予想以上に出る可能性があります。
米国の実質PCEはトランプ大統領就任後ペースダウン
図表2は、季節調整済みの実質PCE(年率)を2015年から見たものです。実は、新型コロナ禍前の実質PCEのトレンドと、新型コロナ禍明けからトランプ大統領就任前まで(2022~2024年10月まで)のトレンドは、前月比0.21%ペースでほぼ同じです。
図表2 米国の実質PCEの長期推移
ところが、トランプ大統領が就任した2024年11月以降は、前月比の平均が0.11%と、それまでのほぼ半分のペースに鈍化しています。関税引き上げなど将来に対する不安から、米国の消費者が予備的貯蓄(precautionary saving)を増加させている可能性があります。
そこで、以下では、駆け込み消費の反動によって6月の実質PCEがどの程度下振れるのか、簡単な試算を行ってみました。その上で、7-9月期や2025年の実質国内総生産(GDP)成長率を評価する際のインプリケーションを探ってみたいと思います。
この夏、米景気は正念場を迎える~トランプ関税に伴う駆け込み消費の反動~(愛宕伸康)
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