株式投資の利益は配当金(インカムゲイン)と値上がり益(キャピタルゲイン)の2種類。大きく資産を増やすには値上がり益を重視する方が効果的だが、配当金をもらいながら値上がり益も狙う、一挙両得は可能なのか? 個人投資家目線で解説する。
株式投資で大きな財産を築くためには?
株式投資はとても夢のある世界です。株価が10年間で5倍、10倍、景気や銘柄によっては、時には100倍を超える可能性もあります。期間を20年、30年に延ばせば、その可能性はさらに高まります。
株価と業績(言い換えれば「企業価値」)は、長期的に見れば連動します。実際、株価が大きく上昇した銘柄は、総じて業績も大きく伸びています。株価が買値より上昇したところで売却し、利益確定することで、一時的に大きな利益を得られます。
従って、株式投資で大きな財産を築くためには、まずは、業績が今後も大きく伸びると思われる銘柄に投資し、値上がり益(キャピタルゲイン)を得ることが有効な手段といえるでしょう。
多額の配当金を出す銘柄の将来性は?
一方で、配当金(インカムゲイン)を重視する投資家もいます。業績が大きく伸びている、いわゆる「成長株」と呼ばれる銘柄の多くは、配当金を出していないか、出していたとしても少額であることが多数です。
銘柄にもよりますが、インカムゲインはそれなりに安定した収入を得ることができるため、特に株価の変動による損益の大きなブレを好まない投資家に、根強い人気を保っているように思います。
しかし、多額の配当金を出す銘柄は、やはり長期的に見て株価の大きな上昇はなかなか期待しにくいといえます。
特に配当性向(利益のうち配当金に回している割合)が高い銘柄は、利益の大部分を、将来利益を得るための種まきではなく、株主への還元として外部に流出しているため、長い目で見て、企業としての稼ぐ力が落ちてしまう可能性があります。
そうなると、配当金をもらえているときは良いのですが、将来的に利益水準が低下してしまい、配当金も減額となってしまう恐れが他の銘柄より高くなってしまうでしょう。
企業の稼ぐ力が保たれてこそ、多額の配当金を株主が受け取ることができるのだ、という点を私たちは忘れないようにすべきです。
配当金を受け取りながらキャピタルゲインを狙える銘柄の選定方法は?
とはいえ、やはり配当金を受け取ることができればうれしいものです。一方、過度に配当金に偏った投資だと、企業業績の向上によるキャピタルゲインも見込みづらいですし、配当金だけではなかなか資産を増やすこともできません。
それなりに配当金=インカムゲインを受け取りつつ、最終的な売却益=キャピタルゲインも目指すための銘柄選択として、次のような点に気を付けてみてはいかがでしょうか。
チェックポイント1:業績そのものが伸びているか
配当金の源泉は利益です。利益が伸びなければ配当金も増えませんし、株価も上がらないでしょう。
ですから、売上高・利益が増加傾向にあり、今後も増加が見込まれるかどうかに注目して銘柄を選ぶようにしましょう。
チェックポイント2:配当性向が高くないか
時々見るのが、利益は増えていないのに配当金が増額され、株価も上昇しているという銘柄です。
確かに、配当金が増額されて配当利回りがアップすれば、当然株価にもプラスですが、利益が増えていない状況で配当金を増額させ続けるには限界があります。
やがて株価も頭打ちになるでしょうし、利益が減少してしまえば、配当金も減配になりますし、株価も下落してダブルパンチの影響を受けてしまいます。
配当性向が高いのに業績が伸びていない銘柄は、相対的にリスクが高いといえます。配当性向はおおむね30%程度に収まっているのが、キャピタルゲインと配当金の両方を目指すためには妥当な範囲と考えます。
結論:配当利回りではなく利益で株価形成されている銘柄を選ぼう
株価形成の物差しとして使われるのは主に「利益」「純資産」「配当金」で、それぞれ「株価収益率(PER)」「株価純資産倍率(PBR)」「配当利回り」の指標が用いられます。
キャピタルゲインが見込まれる銘柄は、この三つの物差しのうち「利益」に着目して株価が形成されています。
その結果、PBRや配当利回りから見て「割安」という判断にはなりにくいです。PERが高い銘柄の多くは、PBRが高かったり、配当利回りが低かったりします。
配当利回りに着目されて株価形成されている銘柄は、利益の面で見ると、「なかなか株価が上がらないが、配当金がもらえるという点から、これくらいの株価は付けられる」という評価になっていることが多いのです。
配当金だけもらえればよいというなら、配当利回りで銘柄を選ぶことは否定しませんが、配当金も受け取りつつ、しっかりキャピタルゲインも得たいというのであれば、経営上、しっかりと利益を出し続けている銘柄を選ぶ方が、成果が出やすいと思います。
株式投資:配当金と売却益、二兎は追えるもの?目的で違う「銘柄選びのコツ」
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