NISAの成長投資枠240万円でもらえる配当金と株主優待だけで生活はできるのか…。株主優待だけで生活する桐谷さんにNISAのおすすめポートフォリオを聞いてみました! 徹夜で考えてくれたという桐谷さんがつくったポートフォリオをのぞいてみましょう!
桐谷広人さんプロフィール

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※枠内の銘柄データはトウシル調べ、6月23日の終値時点の数値。取材日は5月21日で、桐谷さんは20~21日にかけて銘柄データを調査してくださったため、枠内の数値とは差分が出ています。
NISA成長投資枠だけで優待生活を送るのは絶対に不可能!

今回は「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の成長投資枠240万円だけで生活できる株主優待ポートフォリオを組んでみた」ということで、これは何日も悩んだのですが、240万円でもらえる株主優待だけで生活するのは絶対に不可能ですね。
株主優待の利回りはどんなに頑張っても10%ほどです。240万円だと年間で24万円になります。ひと月あたり2万円で生活するのは、いくらなんでも無理ですね。ちょっと設問が無茶振りでした。
12年ほど前に優待投資家で飲み会をした際、家賃を払わなくていい前提で、いくらあれば配当金と優待品だけで生活できるのか…を話し合ったことがあります。
投資額が3,000万円で、利回りが5%と仮定すると、優待と配当を合わせて年間150万円相当がもらえるので、なんとか生活できるという結論に至りました。当時は株価が今よりも安くてたくさん買えたのですが、今に置き換えると6,000万円ほど必要だと思います。
NISA活用おすすめポートフォリオとは!?

今回は240万円の枠に収めないといけないので、昨日からほぼ徹夜で考えました。1時間くらいしか寝られませんでした(笑)。
新NISA制度が始まり、どんどんいい優待品を出していこうと考えている企業が多いと思います。私がこれから紹介する4銘柄は配当金がもらえるだけでなく、長期保有することで株主優待の内容が充実していくものばかりです。NISA枠内で保有すれば配当金が非課税になるので、早く始めると有利ですし、株主優待の長期保有の特典も長く受けられます。
桐谷さん厳選銘柄をご紹介!
芙蓉総合リース(8424)
どんな企業?:機械、器具備品などのリース、不動産リース、割賦販売取引および金銭の貸付などの金融取引 |

まずは、リース業界から芙蓉総合リース(8424)を選びました。リース業界で一番のおすすめはリコーリース(8566)なんですが、240万円の枠に収めないといけないので、今回は選んでいません。
芙蓉総合リースは、株価が3,820円。2025年4月1日付で普通株式が3分割となりました。分割前は、100株購入しようとすると110万円ほど必要だったので、買いやすくなりましたね。
芙蓉総合リースは3月末の権利確定日に300株以上を保有していると、3,000円相当のカタログギフトか3,000円分の図書カードをもらえ、2年以上継続して保有していると5,000円相当にグレードアップします。
また、芙蓉総合リースは連続増配銘柄です。増配すると自然と株価も上がっていくので、私がNISAのポートフォリオに入れるなら、芙蓉総合リースを300株買います。これだけで114万6,000円になるので、240万円の枠の半分近くになりますね。10万円や20万円の銘柄を数十社選ぶのは大変なので、一つ目の銘柄はこのくらいがちょうどいいと思います。

信和(3447)
どんな企業?:仮設資材、物流機器を中心とした金属製品の製造・販売を行う |

信和(3447)は、株価が738円なので1,500株買うと110万7,000円になります。芙蓉総合リースと合わせて225万3,000円と一気に240万円の枠に近づきます。
信和は配当金だけでも4.34%ありますし、プレミアム優待倶楽部を導入しています。信和は1,000株保有だとたった5,000ポイントしかもらえませんが、1,500株保有すると2万ポイントももらえて利回りがよくなります。さらに、1年以上保有しているとポイントが1.1倍になるので、2万2,000ポイントももらえます。
ちなみに、私は信和を2,000株保有しているので、2万2,000ポイント以上もらえました。評価損は出てしまっていますが、優待品のオレンジを5,500ポイントでもらえたので、お世話になっている4人に配り、自分用にも1セット残しました。
プレミアム優待倶楽部は、導入するとすぐやめてしまう会社もあるため、優待投資家に人気がありませんでしたが、信和はやめずに続けてくれています。

▼プレミアム優待倶楽部とは? プレミアム優待倶楽部とは、登録されている企業の株主になることで保有株数や保有期間に応じた「優待ポイント」がもらえるサービスです。たまったポイントは、商品・他社ポイントとの交換や寄付に使うことができます。 |
ユニプレス(5949)
どんな企業?:自動車のプレス加工部品の製造販売を行う |

ユニプレス(5949)は株価が976円。100株買って9万7,600円になります。なんとユニプレスは配当利回りが6.15%あるので、配当金も非課税になるNISAと非常に相性がいいんですね。
初年度は何も優待がありませんが、100株を1年以上保有していると、3月末の権利確定日で1,000ポイント、2年以上で2,000ポイント、3年以上だと3,000ポイントの株主優待ポイントが付与されます。この株主優待ポイントは、株主優待サービスの商品カタログに載っているものと交換できます。
3年以上持っていると3,000円分のQUOカードと交換できるので、それをコンビニで使えば好きなものを買えますね。配当金と3,000円分のQUOカードを合わせて考えると総合で9.22%の利回りになります。
シード(7743)
どんな企業?:コンタクトレンズの研究開発および製造販売と、コンタクトレンズケア用品、その他商品の販売を行う |

コンタクトレンズの製造・販売などを行っているシード(7743)は、株価が445円。100株買うと4万4,500円です。シードは100株を1年以上保有していると、3月の権利確定日に、コンタクトレンズを優待特別価格で買える株主優待券、コンタクトレンズケア用品セット、1,000ポイントの三つの中から一つを選んでもらえます。
以前は1万円相当のケア用品を選んだので、保存液やクリーナーが20本くらい私の家に届きました。株主優待券をもらった時は、普段は1万円ほどかかっていたコンタクトレンズを2,500円ほどで作れたので、コンタクトレンズを使っている人はうれしいですよね。
ポイントで受け取る場合は、カタログギフトの中から商品を選んで交換できます。3年以上保有していると100株でも3,000ポイントもらえるので、コンビニで使える3,000円分のQUOカードと交換すると、配当金と合わせた利回りがなんと10%を超えます。
▼まとめ
NISAで優待を楽しむなら、高配当×長期保有優遇!!

NISAの成長投資枠240万円を使った配当金と株主優待だけで生活するのは、絶対に不可能です。ですが、旧NISAの枠が120万円だったのを考えると、NISAの成長投資枠が240万円と倍になったことで、できることは広がりました。今回紹介した4銘柄のように、高配当かつ長期保有優遇のある銘柄を選ぶと、240万円の枠でも利回りを高められます。
優待品やカタログギフトにQUOカードがあると、買えるものの自由度が高くなるので日常生活でも使いやすいです。また、シードのように、普段から使っているものが優待品でもらえる銘柄を選ぶのもおすすめです。
ちなみに、今回紹介した銘柄を合計すると、239万5,100円になります。これで今年のNISAは決まりですね。ちょっと4銘柄でラクしちゃいましたけれど(笑)。

いつもトウシル取材班の無茶ぶりに応えてくださる桐谷さん。今回は「NISA買い付け額だけで優待生活を送れるポートフォリオを考えてください」というリクエストをしてみたところ、ずいぶん頭を悩ませてくださったようです…。いつも和やかで笑いの絶えない取材現場です。取材の裏話もぜひご覧ください!
桐谷さん厳選!NISA成長投資枠240万円を株主優待だけで組んでみた!
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