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日米関税交渉、大枠合意か?日鉄、USスチール100%買収へ。日本株は時間分散しながら買い(窪田真之)

2025/6/16

 日経平均は3万8,000円手前で足踏み。日米関税交渉の期限が7月9日に迫る中、自動車関税・相互関税がどうなるか、交渉はいよいよ大詰め。日鉄によるUSスチール100%買収が実現する見通しとなり、日米関係強化には追い風。日本株は、時間分散しながら買い増しが推奨されます。

目次
  1. 日経平均は3万8,000円手前で足踏み
  2. 日米関税交渉、大枠合意までたどり着けるか?
  3. どうなる自動車関税?
  4. 米中交渉は中国優位?レアアース輸出規制が武器に
  5. 日本製鉄によるUSスチール100%買収が認められる
  6. 日本株の投資判断

日経平均は3万8,000円手前で足踏み

 先週(営業日6月9~13日)の日経平均株価は、1週間で92円上昇して3万7,834円となりました。「3万8,000円の壁」を超えられず、手前で足踏みが続いています。

 3万8,000~4万円はトランプ関税ショックが起こる前に日経平均が長く滞留していたレンジです。トランプ関税の緩和が見えてきたことで反発してきた日経平均は、まだ関税への不安が残っていることから3万8,000円を前に足踏みしています。

日経平均週足:2024年1月4日~2025年6月13日

日経平均週足:2024年1月4日~2025年6月13日
出所:楽天証券MSIIより作成

日米関税交渉、大枠合意までたどり着けるか?

 米国が打ち出した相互関税「上乗せ分」停止期間90日は、7月9日に終わります。

 それまでに【1】合意が成立して上乗せ分の発動はなくなるか? あるいは、【2】合意できず交渉期間がさらに延長されるか、どうなるでしょうか?

 日米の主張の隔たりは大きく、交渉全てで合意が成立する可能性は低いと思われます。ただし、交渉相手のベッセント財務長官は、「誠実に交渉している国には、交渉期間の延長が認められる」と述べているので、日本は延長交渉となると思われます。

 ただし、「交渉が成立しなかったので延長」とはせず、「日米で大枠合意したが、詳細については今後の交渉にゆだねる」と発表する可能性もあります。日本と一定の合意に至ったという成果を、トランプ大統領も得たがっていると考えられるからです。

 世界各国との関税交渉は遅々として進んでいません。米中交渉は中国優位に進んでいると考えられ、トランプ大統領にはやや焦りがあります。これまでに関税交渉で合意したのは、英国だけです。

 赤沢亮正経済再生担当大臣は13日、ラトニック商務長官・ベッセント財務長官と6回目の関税交渉を行いました。なんらかの合意に近づいていると思われるものの、赤沢大臣の報告は、「非常に突っ込んだやり取りを行い、合意の可能性を探った」という表現にとどまりました。

どうなる自動車関税?

 日米交渉で日本にとって重要なのは、相互関税の上乗せ分をなくすことだけではありません。自動車関税の引き下げに向けた交渉も極めて重要です。現在、米国の自動車輸入には27.5%の輸入関税(元々かかっていた2.5%にトランプ関税25%追加)がかかっています。自動車部品には25%の輸入関税がかかっています。

 それに加え、13日にはトランプ大統領は、「近い将来、自動車関税をさらに引き上げる」と表明しています。日本は例外(別扱い)となる可能性を赤沢大臣は言及していますが、最終的にどういう内容になるか全く分かりません。交渉は大詰めと考えられます。最終的な決着の発表を待ちたいと思います。

米中交渉は中国優位?レアアース輸出規制が武器に

 米中交渉は、中国優位に進んでいると思われます。中国が突き付けたレアアース【注】の輸出禁止が米国および世界に重大なダメージを及ぼすことが分かったからです。

【注】レアアース
 17種類ある希少金属の総称で、自動車やハイテク製品の生産に欠かせない。中国はレアアース生産で約7割、製錬で9割を超えるシェアを握っている。レアアース生産では、中国に続き、米国・オーストラリアなどのシェアが高い。

 中国がイットリウムやテルビウムなどレアアース7種の輸出を規制したため、米国および世界中で自動車生産が止まる問題が起こっています。米国は中国にレアアースの禁輸を緩和してもらうことを交渉せざるを得なくなり、米中交渉を最重視して動きました。

 中国は、米国の要請に応じて、レアアースの輸出規制を緩和しますが、米国に対する交渉材料として、いつでもレアアース禁輸を持ち出せることが明らかになりました。

 米国は中国に対して半導体の輸出規制を強化していますが、中国はレアアース輸出規制を緩和する代わりに、米国が半導体禁輸を緩和することを求めています。半導体禁輸などで米国優位に進んでいた米中交渉が、中国優位に転換しつつある可能性があります。

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