気になるあの本は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』。ダイヤモンド社の担当編集者に、読みどころを紹介していただきました!
気になるあの本をチェック!
50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え

答えてくれた人
ダイヤモンド社 第四編集部 斎藤順さん
著者ってどんな人?
たーちゃん
1975年兵庫県生まれ。広島大学医学部卒の現役麻酔科医。大学生のときに『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで投資に興味を持ち、元手50万円で株式投資をスタート。アミューズメント機器や施設運営、ゲーム機器を手がけるセガサミーホールディングス(旧セガ:6460)を購入。2000年、セガ株の投資が成功し、資産500万円に増加。2003年、暴落していたオーストラリアの金鉱株に集中投資して、2005年に資産1億円達成。以降、集中投資はやめて、バリュー株の分散投資にシフト。割安株主体で守備的な投資をしながら、不況の業種で10倍株候補を見つけて大胆に投資する「分散×集中投資」で資産50億円を達成。2022年がんが発見され、翌年がんが再発。4度の手術を経て2024年、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても、51歳は分からない」と宣告された。
編集者から見た著者はこんな人
2009年、「かつや」などを展開するアークランドサービスホールディングス(2023年上場廃止)を主力株に据えて買い増しを続け、2013年にはテンバガーに。2012年、過払い金請求問題で倒産すると思われていたアイフル(8515)が、黒字化したタイミングで集中投資し、半年で約7倍になるなど、シクリカル投資(景気の動向によって業績や株価が変動しやすい銘柄を安く買い、上がったところで売却して利益を得る投資法)の目利きです。
2013年には資産10億円、配当金は年3,000万円以上と、医師としての収入を優に超えるようになり、38歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)して専業投資家になりましたが、「平日に高齢者と麻雀をする日々が暇すぎた」という理由で、わずか半年で麻酔医に復職しています。
余命宣告を受けた今、二人の娘に伝えたいこと、投資を通じて人生を豊かにしたいと考えている方に伝えたいことなどを、全力で執筆してくださいました。
どんな人にオススメ?
・新NISAで投資デビューした投資初心者の方
・投資信託を積立投資しているが個別株投資に挑戦する自信がない方
・個別株投資をしているが、思ったように利益が出せていない方
・お金の不安が人生の不安に直結している方
2024年1月に始まった新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)でオルカンやS&P500種指数などの投資信託に積立投資しているものの、「個別株投資はちょっと怖いからやっていない」「個別株投資をやってみたいけれど自信がない」といった不安を抱え、まだ本格的にチャレンジしていない初心者以上マニア未満の投資家の方々に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
この本の、ここが読みどころ!
「働きながら株で50億円を築いた」という実体験に基づく、リアルで再現性の高い投資ノウハウを詰め込んだ一冊です。
著者は医学生時代に株式投資を始め、医師となってからも投資を続け、50万円を元手に20代で1億円、40代で50億円の資産を構築しました。そんな圧倒的な成功の秘訣(ひけつ)を、娘のために「父から娘への株の授業」としてまとめています。
本書の魅力は、「本当にもうかる三つの投資術」が明快に解説されている点です。
[1]資産バリュー株投資:「資産力」から割安株を選ぶ手法
[2]収益バリュー株投資:「稼ぐ力」を重視して割安銘柄を見極める技法
[3]シクリカルバリュー株投資:不況局面で10倍株候補を大胆に拾う戦略
と、段階を踏んで投資感覚を育てられる構成になっています。単なる理論にとどまらず、実際に成果を上げたからこその「再現性の高いメソッド」という説得力があります。
また、単なる投資指南書ではなく、「まな娘へのメッセージ」としての物語性も大きな特色です。
49歳でがんで余命宣告を受けた著者が、その限られた人生の中で娘に伝えようとする切実さが、本書を深く心に響くものにしています。成功者の錬金術だけでなく、人間としての誠実さ、家族への愛情までを感じさせる内容は、投資初心者から上級者、さらには親子で読む場面にもぴったりです。
他にも、投資判断を磨く「投資レポートの書き方」や、「利益を最大化する+αのティップス」など、実務で便利なノウハウも多数収録されています。投資に真剣に向き合いたい人、親から子へ金融知識を伝えたい人、あるいは人生の教訓として深く刺さる一冊を探している人──そんな読者の方々にとって、たーちゃん流の「父の教え」は心強い指南役となるはずです。
編集者の制作秘話
この本を編集している間、何度も心が震えました。50万円を50億円に増やした父親が、娘のために「命がけで」書き残した投資の教えなのです。しかもそれが、ただの感動話ではなく、超実践的な投資ノウハウとしても完成度が高い……もう、「これ、本当に一冊にまとまるのか!?」といううれしい悲鳴もありました(汗)。
編集の工夫ポイントは、ズバリ「物語と実用の融合」です。投資のテクニックだけを淡々と書くこともできた。でも、それでは著者である「たーちゃん」という人物の魅力が伝わらない。何より、この本の本質は、「父が娘に伝える」という、一人の人間の「思い」だと思ったのです。
だから、全体を「父から娘への授業」というテイストにして、手紙のように、会話のように読める構成を意識しました。たーちゃんの言葉の温度感をそのまま生かすために、語尾や言い回しにもかなりこだわりました。読者の方にも「自分が教えてもらっている感覚」になってもらえるように、あえて丁寧すぎない、でも伝わる言葉でまとめています。
一番苦労したのは、「こんなに中身が濃いのに、分かりやすく!」の一点に尽きます。資産バリュー、収益バリュー、シクリカルバリューの三つの投資戦略、それぞれが専門書並みに濃い。でも、娘さんに話すように、かみ砕いて、再現できるように伝えるにはどうすればいいのか……。何度も推敲(すいこう)しました。
しかし、やはり一番楽しかったのは、たーちゃんの「熱」を浴びながら編集できたこと。「このやり方なら、日ごろ働いている人でも主婦でも実践できる!」「億単位の資産を築ける可能性はある!」という本気の思いに触れるたびに、「絶対この本を届けなきゃ!」という気持ちが高まっていきました。読み終えたあと、「実践してみたいかも」って思ってもらえたら最高です。
そして、「お金の話って、こんなにあたたかくてリアルなんだ」って思ってもらえたら……。それが何よりのご褒美です。投資を知りたい人にも、家族への思いを抱えてる人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。編集者としても、いち読者としても、心からオススメします。
『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』【書籍紹介】
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