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株式分割はチャンス?株の最低投資額引き下げで注目される銘柄

2025/6/20

 東京証券取引所は、株の最低投資金額を10万円程度に引き下げるよう上場企業に求める方針だ。今後株式分割が期待される銘柄や、恩恵を受ける銘柄とは? 気になる銘柄を紹介する。

目次
  1. 株式分割が期待される銘柄は?
  2. 東証の要請が業績向上につながる可能性のある会社とは?
  3. 東証の本気度

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の藤根 靖晃が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
10万円から株式投資が可能に:東証の要請が市場にもたらす変化とは/株式分割はチャンス?株の最低投資額引き下げで注目される銘柄

 東京証券取引所はこのほど、上場企業に対し、株の最低投資金額を10万円程度に引き下げるよう求める方針を発表しました。個人投資家にとっては投資の選択肢が広がるうれしい内容です。今後、株式分割が期待される銘柄や、業績向上が期待される銘柄を紹介します。

株式分割が期待される銘柄は?

 2022年12月23日、岸田内閣が閣議決定した税制改正大綱に「新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」の内容が盛り込まれると、株式分割を行う企業が相次ぎました。個人投資家による株の売買が積極的に行われることを見込んだためです。

 株式分割を行った企業数は、2022年の91社から2024年には214社へと2年間で2倍以上に増えています。その中でも顕著なのが、1:5以上の大幅な分割を行う企業が多いことです。5分割以上の株式分割を行った企業数は、2022年の4社から、2024年には38社と大きく増加しています。

株式分割企業数の推移

出所:ミンカブ・ジ・インフォノイドの公表データより集計。権利落ち最終日を基準に暦年に振り分け。2025年は集計時に公表済みの企業に限る

 1:10以上の分割を行った著名な企業を挙げると次の通りです。

 株価は権利落ち最終日終値と調整後株価です。

SHIFT(3697) 1:15(2025年1月) 2万0,535円→1,369円
ソフトバンク(9434) 1:10(2024年9月) 1,976.5円→197.65円
富士通(6702) 1:10(2024年3月) 2万4,780円→2,478円
三菱重工業(7011) 1:10(2024年3月) 1万3,465円→1,346.5円
パーソルホールディングス(2181) 1:10(2023年9月) 2,502円→250.2円
NTT(日本電信電話:9432) 1:25(2023年6月) 4,405円→176.2円

 企業から個人投資家へのアプローチ強化というと、従来は消費財メーカーや小売・サービス業が前向きに推進している印象が強かったのですが、現在では業種や企業の大小に関係なく行われるようです。

 また、大幅分割は傾向的には値がさ株に多いように感じられますが、必ずしもそうでもないケースもあります。株価水準や株主数、個人投資家層を拡大するインセンティブの有無(大株主の売り出し、持ち合い解消、外国人株主比率、などなど)、銘柄選択に当たっては多面的に考える必要がありそうです。

 株式分割は、理論上は株価に対して中立です。しかし、大幅な分割は株価上昇に結び付くケースが経験則上は多いと言えるでしょう。実際に分割を行った銘柄のその後のパフォーマンスも機会があれば検証したいと思います。

 さて、前掲の図表を見ると2017年、2018年も分割が多かったことが見て取れます。

 これは2015年12月に全国の証券取引所(東証・名古屋証券取引所・福岡証券取引所・札幌証券取引所)が従来から進めていた「売買単位の集約に向けた行動計画」を前進させ、「100株単位への移行期限を2018年10月1日」と定めたことが背景にあると考えられます。

「最低投資額10万円程度」という要請は、現時点ではあくまでも要請に過ぎませんが、課題の解消が進むにつれ、段階的に強い要請に向かっていくものと推察します。特に投資金額が50万円を超えている企業に対しては、上場規程で努力義務が課せられているだけに、東証も一段と要請の姿勢を強めていくでしょう。

東証の要請が業績向上につながる可能性のある会社とは?

 東証は今回の投資金額引き下げ要請だけでなく、上場廃止基準の厳格化(グロース市場5年後に時価総額100億円超など)も図っています。市場の活性化や浄化に向けた取り組みを推し進め、市場そのものの価値向上を目指しています。

 メリットを享受する銘柄としては、親会社である日本取引所グループ(8697)がまずは筆頭に挙げられるでしょう。

 また、個人投資家の株式取引の活性化が期待されるため、小口の個人投資家層を多く抱えるオンライン証券大手各社がメリットを享受できる可能性がありそうです。

 また、株主数の増加によって株主管理業務を行う信託銀行も恩恵を享受できるかもしれません。株主管理業務は三井住友信託銀行と三菱UFJ信託銀行の2社で約8割のシェアを持つといわれています。

 株主管理業務には売買・約定などのシステム強化が求められますので、証券向けシステムを手掛けるシステム会社にもメリットがありそうです。

などが挙げられます。

 株主管理コストの削減に関しては、各種法定書類の電子化、電子議決権行使、バーチャル株主総会などの仕組みを提供しているウィルズ(4482)が興味深いポジションにあるようです。

 また、個人投資家向けIRの積極化が予想される中で、個人向けIRサポートを行っている会社として、大手総合証券各社(野村証券・大和証券など)、TAKARA&COMPANY(7921)(旧社名:宝印刷)などが挙げられます。

 IRサポートを行っている企業の中で上場会社は限られますが、関連市場拡大が期待できるだけに新たに株式の新規公開(IPO)を行う会社も登場するものと考えます。

東証の本気度

 ここまで最低投資金額の引き下げに関して株主分割を念頭に説明をしましたが、4月に東証が発表した「少額投資の在り方に関する勉強会」の報告書では、「株式分割」に加えて、他に二つの方法も議論された模様です。

 一つは、「売買単位の引下げ」、もう一つは「単元株式数の引下げ」です。「売買単位の引下げ」は、単元株数(100株)を維持しつつ、単元未満株での売買を可能とするものです。「単元株式数の引下げ」は現在1単元100株を10株または1株に引き下げるというものです。

 どちらも法的・制度的に課題が多く、現状では現実味が薄いと考えますが、ここでうかがえるのは東証の本気度です。最低投資額の引き下げは段階的ではあっても確実に進み、資金力が豊富でない多くの個人にとっても株式投資が身近なものへと変わっていきます。それは結果的に日本株の魅力向上にもつながるものと期待します。

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