INPEX(1605)は石油・天然ガス開発生産の国内最大手。生産量および収益大幅増加の実態を株価が織り込み切れていない上、グローバル同業他社比でも割安感が際立つ。長期的な事業拡大も計画されており、「買い」を推奨する。
INPEXを「買い」と判断する理由は五つありますが、それらについて詳しく説明する前に、まず同社の2006年以降の株価推移について説明します。
イクシスLNG生産開始を受けて純利益は倍増
INPEX(1605)(株価1,829.5円:5月9日終値)は、石油・天然ガス開発生産の国内最大手で、政府が黄金株を保有しています。豪州、アブダビ、東南アジア、日本、欧州の5地域に経営資源を集中しており、*豪州イクシスLNGプロジェクトの操業主体です。
イクシスLNGプロジェクトが2018年10月に生産開始して以降、INPEXの原油・ガス生産量は1.5倍の規模に。利益水準も大きく上昇しましたが株価はかかる状況変化を織り込みきれていないと考えられ、投資判断を「買い」とします。
| *豪州イクシスLNGプロジェクト…豪州北西部沖の「イクシス ガス・コンデンセート田」を開発、同じく豪州内で液化天然ガス(LNG)を生産する世界最大規模の複合的な石油・ガスプロジェクト。日本企業が操業主体(オペレーター)となるのは初 |
<INPEX株価および原油・ガス生産量推移:2006年以降>
※2025年は、株価は直近値、原油・ガス生産量は会社計画
出所:INPEX資料などより楽天証券経済研究所が作成
2010年代後半の原油価格低迷期の締めくくりは、2020年のコロナ禍発生による一段安でしたが、その後は原油価格が回復。豪州イクシスLNGプロジェクトによる生産量増加の影響が素直に業績に反映される状況となり、純利益は2倍を超える水準で推移するようになりました。株価もこの状況を受けて上昇してはいるものの、限定的なものにとどまっております。
<INPEX株価および純利益推移:2006年以降>
※2025年については、株価は直近値、純利益は会社予想
出所:INPEX資料などより楽天証券経済研究所が作成
INPEXを「買い」と判断する五つの理由
INPEXを「買い」と判断する理由を説明します。五つあります。
【1】これまでの事業成長の実態が時価総額に反映されておらず、株価が割安
【2】今年度計画にさらなる原油価格下落を織り込んでも、株価は依然として割安
【3】長期的に事業拡大し、2035年には営業キャッシュフローを現在の6割増しとする予定
【4】グローバル同業他社比でPER、PBRともに割安感がある
【5】グローバル同業他社比で総還元利回りが高い
以下、詳しく説明いたします。
【1】これまでの事業成長の実態が時価総額に反映されておらず、株価が割安
2007年からの17年間で埋蔵量と生産量は1.5倍、純利益2.6倍、株主資本4.2倍となったにもかかわらず、時価総額は0.9倍とむしろ減少しております。事業成長の実態が時価総額に反映しきれていない状況といえます。
<INPEXの業績(2007年度と2024年度の比較)>
【2】今年度計画にさらなる原油価格下落を織り込んでも、株価は依然として割安
今期(2025年12月期)純利益の会社予想は3,300億円と減益ですが、これはイクシスLNGのメンテナンスやグループストラクチャー最適化など一過性の要因によるもので、これらの要因を除けば、おおむね前年と同水準の利益を確保する予想となっています。また、一過性の費用を織り込んだとしても、株価収益率(PER)・株価純資産倍率(PBR)は、ともに低水準にとどまった状態です。
仮に、2025年の平均原油価格が1バレル=50ドル、ドル/円の平均為替が1ドル=130円となったストレスケースを想定しても、PBRが低水準の状態は変わりません。
<INPEXの2025年度業績(会社計画とストレスケース試算)>
出所:INPEX資料より楽天証券経済研究所が作成
【3】長期的に事業拡大し、2035年には営業キャッシュフローを現在の6割増しとする予定
同社は、2030年代初頭にインドネシアで*アバディLNGプロジェクトの生産開始を予定し、2035年の営業キャッシュフローを2024年比6割増しとする長期計画を有します。アバディLNGは現在のイクシスLNGと同規模の生産能力が予定されています。2030年初頭のアバディLNG生産開始後には、現在のイクシスLNGと同程度の2,000億円を上回る利益貢献につながる可能性があります。
| *アバディLNGプロジェクト…インドネシア、アバディガス田から天然ガスを陸上LNG施設で液化し、LNG生産するプロジェクト |
<INPEXの2035年の姿>
【4】グローバル同業他社比でPER、PBRともに割安感がある
INPEXの比較対象に適するグローバルな同業他社(石油や天然ガスの生産に携わっていて石油精製事業を行っていない会社)には、米コノコフィリップス(COP)、米オキシデンタル・ペトロリアム(OXY)、米ヘス(HES)などがあります。
<世界の主な石油・天然ガス開発企業(非石油精製)10社の売上高構成(売上高降順)>
<世界の主な石油・天然ガス開発企業(非石油精製)10社の株価指標(売上高降順)>
INPEX含めグローバル同業他社10社で比較すると、自己資本利益率(ROE)とPBRはおおむね比例関係にあります。INPEX(PBR0.5倍)の計算値は1.0倍近辺となり、割安な状態にあるといえます。
<ROEとPBRの関係>
またPERについて見ると、ROEとPERに、PBRの時ほど明確な比例関係などはありません。ですが、INPEX(PER6.6倍)と同水準のROEである同業他社のPERは8~15倍程度となっており、INPEXは割安な状態にあるといえます。
<ROEとPERの関係>
【5】グローバル同業他社比で総還元利回りが高い
INPEXの配当利回りは平均を若干下回る水準ですが、自社株買いも含めた総還元利回りで見ると、10社中2番目に高い状況となっております。また、INPEXの4.7%という配当利回りは、日本企業としては高い水準にあります。株主還元に積極的である日本国政府が大株主となっていることが要因の一つと考えられます。
<世界の主な石油・天然ガス開発企業(非石油精製)10社の株主還元>
割安、収益拡大中!「INPEX」買い推奨の五つの理由(西 勇太郎)
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