5月は大幅な円安からスタート。日銀はまた引きこもり状態になって今夜は米国の雇用統計の出番です。トランプ政策の影響で運輸や連邦政府の求人件数は10万件も減り、会社を解雇された人数は前年比70%も上昇しました。今日の雇用統計はドル/円にどのように作用するでしょうか。
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「円安やりすぎ? 日銀「利上げしない」で一気に146円に接近」 」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは146.25円
↓下値メドは143.40円
中国経済:中国市場から過去最大の資金流出。元安、株安、金利差、貿易関税の全てがマイナス要因
トランプFRB:パウエル議長、トランプ政策に関するFRB公式発言に細心の注意を払うように促す
フランス経済:フランス中銀、2025年成長見通しを0.9%に引き下げ
円安:日銀「円安は安定している。利上げする必要ない」
中国:3兆元規模の国債発行を予定。トランプ貿易関税、デフレ対策のため
前日の市況
5月1日(木曜)のドル/円相場の終値は145.35円。前日終値比2.28円の大幅「円安」だった。

2025年87営業日目は142.97円からスタート。関税交渉の期待と日本銀行会合の結果待ちで底堅い動き。東京時間朝にやや下げてつけた142.87円がこの日の安値となった。
日銀金融政策決定会合で政策据え置きが発表されると144円台まで大きく円安方向に動いた。日銀総裁が記者会見で追加利上げに後ろ向きだったことを受けて海外市場ではさらに円安が進み、明け方に4月10日以来の高値となる145.73円まで上昇した。24時間のレンジ幅は2.86円。

日銀金融政策決定会合レビュー
5月初日は円相場が大幅に下落した。この円安の要因は、日銀の金融政策決定会合の結果と日銀総裁の記者会見内容だった。日銀はこの日まで開催した金融政策決定会合において、政策金利を0.5%程度で据え置くことを全会一致で決定した。
それだけではなく、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で2025年度と2026年度の実質GDP(国内総生産)成長率見通しを下方修正。消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率予測も引き下げた。
2025年度:+2.2%(前回見通しから0.2%引き下げ)
2026年度:+1.7%(前回見通しから0.3%引き下げ)
2027年度:+1.9%(新規追加)
日銀総裁は会見で、基調的な物価上昇率が物価安定目標の2%に達する時期について「やや後ずれしている」との認識を示した。これにより、追加利上げの可能性が当面低下するとの見方が広がった。
日銀総裁は、日米通商政策の不確実性が低下して、見通し実現に自信が持てれば「利上げになる可能性は十分にある」述べている。他の中央銀行に比べると、この発言は「タカ派」的である。しかし、マーケットは日銀にそれ以上の強い姿勢を期待していたため、結局は円安の動きになった
2025年 主要指標 終値

円安やりすぎ? 日銀「利上げしない」で一気に146円に接近
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