日米関税協議で「為替の議論はでなかった」。赤沢経済再生相がそう漏らしたことでドル/円は141円台から143円まで一気に買い戻されました。しかし滞在時間は短く、再び142円台前半まで押し戻されています。
トランプ大統領がパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の解任を画策していることが中央銀行の独立性や準備通貨としてのドルの地位を危うくさせています。
4月20日はイースター(復活祭)です。イースターは、キリスト教ではクリスマスよりも重要なイベントです。今日はほぼ全ての海外市場が休場となります。
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
【楽天証券】4/18「ドル円の天井が下がっている・・143円台重い」FXマーケットライブ
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは143.15円
↓下値メドは141.70円
フランス:有権者の70%が長期間の政治停滞を悲観
カナダ中銀:マックレムBoC総裁が利下げサイクル終了間近を示唆
ECB利下げ:4回の利下げは「有意義なシナリオ」
スイス: 2025年のインフレは0.3%まで低下する予想
ユーロ:NATO欧州加盟国はGDPの3%まで防衛費増額を計画
前日の市況
4月17日(木曜)のドル/円相場の終値は142.49円。前日終値比0.59円の「円安」だった。

前日の海外市場で142.00円を割って141.64円をつけたドル/円。2025年77営業日目は141.78円からスタート。東京時間朝はこの円高の流れを引き継ぎ、141.61円まで下落した。
ところが、日本時間この日の朝に行われた日米関税協議で、米国側から円安是正を求める要求はなかったことが分かると、一転して円売りが強まった。ドル/円は夕方までに1.50円超円安に動いて143.08円まで円安に戻した。24時間のレンジ幅は1.47円。
ECB(欧州中央銀行)はこの日開催した3月の理事会で、利下げを決定した。デポ金利は0.25%ポイント引き下げられて2.25%に設定された。利下げは6会合連続で、過去1年間で7回目となった。ECBは声明文から「引締め的」という文言を削除した。
ラガルドECB総裁は、トランプ関税によるユーロ圏経済への打撃を警戒していると述べた一方、インフレについては順調に目標に向けて低下しているとの認識を示した。
これはパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が経済成長よりもインフレを懸念していることと対照的である。トランプ大統領は「ECBが利下げしているのに、なぜFRBはしないのだ」とパウエル議長を非難している。
これは、トランプ大統領が、自らの関税政策で米国が景気後退になるリスクが高いことを認識しているから、FRBに「予防的利下げ」を迫っていると考えることもできる。トランプ大統領の発言は、中央銀行の独立性、さらにはドルの準備通貨としての地位を危険にさらすものである。
ユーロ/ドル[4H]
![ユーロ/ドル [4H]](/mwimgs/e/d/-/img_ed4de375c816bc03ad9e45829a981a1e118173.jpg)
2025年 主要指標

ドル/円 143円台も重くなる。トランプ大統領がFRB議長に「利下げしろ、しないとクビにするぞ」
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