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決算レポート:マイクロン・テクノロジー(HBMは好調だが、DRAM、NANDは停滞)

2025/3/24

マイクロン・テクノロジーの2025年8月期2Qは、38.3%増収、営業利益9.28倍。AI半導体向けHBMが好調だが、DRAM、NANDは振るわない。2026年は大手クラウドサービス会社の生成AI向け設備投資が鈍化する可能性がある。業績に対して低PERになっており、リバウンドに期待したい。

目次
  1. 1.マイクロン・テクノロジーの2025年8月期2Qは、38.3%増収、営業利益9.28倍。
  2. 2.2026年8月期は大手クラウドサービス会社の設備投資が鈍化する可能性があることが懸念材料
  3. 3.今後6~12カ月間の目標株価は前回の120ドルを維持する。

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の今中 能夫が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
決算レポート:マイクロン・テクノロジー(HBMは好調だが、DRAM、NANDは停滞)

毎週月曜日午後掲載

本レポートに掲載した銘柄マイクロン・テクノロジー(MU、NASDAQ)

1.マイクロン・テクノロジーの2025年8月期2Qは、38.3%増収、営業利益9.28倍。

 マイクロン・テクノロジー(以下マイクロン)の2025年8月期2Q(2024年12月-2025年2月期、以下今2Q)は、売上高80.53億ドル(前年比38.3%増)、営業利益17.73億ドル(同9.28倍)となりました。売上高、営業利益とも前年比では好調でしたが、今1Q比では減収減益となりました。HBMは好調でしたが、DRAM、NANDのパソコン、スマートフォン、ストレージ向けがクリスマス商戦後の季節性の影響で減少しました。この結果、営業利益率は今1Q25.0%から今2Q22.0へ低下しました。

 セグメント別に見ると、コンピュート&ネットワーキングは、売上高45.64億ドル(前年比2.09倍)、営業利益19.19億ドル(前年同期は0.28億ドルの黒字)となりました。会社側によればHBM(AI半導体に使う広帯域高速大容量の特殊メモリ)売上高は今1Q比50%以上伸びました。会社側の説明を元にした楽天証券の推定では、HBM売上高は前4Q約4億ドル、今1Q約9億ドル、今2Q約14億ドルと好調でした。

 一方で、DRAM、NANDはクリスマスシーズン後の季節性で減収になりました。1年前は在庫調整が続いており出荷が大幅に減っていた時期なので、前年比では大幅増収になりました。

 モバイルは、売上高10.68億ドル(同33.2%減)、営業利益0.60億ドル(前年同期は0.09億ドルの赤字)となりました。スマートフォンの需要が弱く、季節性もあって大幅減収となりましたが、若干ですが黒字になりました。

 ストレージは売上高13.92億ドル(同53.8%増)、営業利益0.24億ドル(前年同期は2.17億ドルの赤字)となりました。在庫調整の最中だった前2Q比では大幅増収となり、黒字転換しましたが、これもクリスマス商戦明けの季節性で今1Q比では減収減益となりました。

 組み込みは、売上高10.25億ドル(同7.7%減)、営業利益0.03億ドル(前年同期は0.01億ドルの赤字)となりました。各産業で在庫調整を行っているため、低水準の業績でしたが、会社側の認識では、自動車、産業向け、消費者向けの組み込み半導体の在庫調整は最終局面にあります。

表1 マイクロン・テクノロジーの業績

マイクロン・テクノロジーの業績
株価(NASDAQ) 94.72ドル(2025年3月21日)
時価総額 105,613百万ドル(2025年3月21日)
発行済株数 1,123百万株(希薄化後、Diluted)
発行済株数 1,115百万株(希薄化前、Basic)
単位:100万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。
注3:会社予想は予想レンジの平均値。

表2 マイクロン・テクノロジー:ビジネスユニット別業績

マイクロン・テクノロジー:ビジネスユニット別業績
単位:100万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

表3 コンピュート&ネットワーキング詳細

コンピュート&ネットワーキング詳細
単位:100万ドル
出所:決算電話会議における会社コメントより楽天証券作成。HBM売上高は会社コメントを元にした楽天証券推定。

表4 マイクロン・テクノロジー:テクノロジー別売上高

マイクロン・テクノロジー:テクノロジー別売上高
単位:100万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

2.2026年8月期は大手クラウドサービス会社の設備投資が鈍化する可能性があることが懸念材料

 2025年8月期3Qの会社側ガイダンスは、売上高88億ドル±2億ドル、売上総利益率35.5%±1.0%、販管費12.7億ドル±0.15億ドル、完全希薄化EPS(1株当たり利益)1.37±0.10ドル、前提となる完全希薄化発行済み株式数11.3億株です。ここからレンジ平均値を計算すると、売上高88億ドル(前年比29.2%増)、営業利益18.54億ドル(同2.58倍)となります。

 今3Qは今2Q比で増収増益になると予想されます。HBMが引き続き勢いよく伸びると予想されます。楽天証券予想の今3QHBM売上高は今2Q比約50%増の約21億ドルです。大手クラウドサービスが2025年暦年に生成AI向け大型設備投資を計画しているため、HBMの好調が2025年暦年一杯続くと予想されます。HBMは現在「HBM3」から最新規格の「HBM3e」に転換しており、今年後半にはマイクロンのHBM出荷の大半が「HBM3e」になると会社側は予想しています。

 一方で、DRAM、NANDは今3Qは今2Q比増収が予想されますが、勢いは鈍いと思われます。これはスマートフォン、パソコン、AIサーバー以外の従来型サーバーの勢いが回復しないと予想されるためです。

 これらのことを考慮し、楽天証券ではマイクロンの2025年8月期通期を、売上高356億ドル(前年比41.8%増)、営業利益81億ドル(同6.21倍)と予想します。HBMの2025年8月期通期売上高予想を前回の56億ドルから75億ドルに上方修正したため、売上高予想は上方修正しますが、DRAMのスマートフォン、パソコン向けで消費者向けが増えるため、全社の売上総利益率、営業利益率が今3Qは今2Qよりも低下すると会社側は予想しています。そのため、通期でも営業利益は前回予想とほぼ同じと予想しました。

 2026年8月期も業績好調が予想されます。楽天証券では、通期ベースのHBM売上高を2024年8月期推定5億ドル、2025年8月期予想75億ドル、2026年8月期予想151億ドルと予想しています。ただし、2026年に入ると四半期ベースのHBMの伸びが前四半期比で鈍化すると予想します。大手クラウドサービス会社は2024年暦年に生成AI向けに大型設備投資を実施しましたが、2025年も2024年を上回る大型設備投資を計画しています。その反動で2026年の設備投資が鈍化する可能性があるためです。

 また、DRAM、NAND、組み込みは牽引役となる分野(スマートフォン、パソコン、自動車など)が当面は見当たらないことから、当面はHBMのみが業績の牽引役となると予想されます。これらのことを考慮して、楽天証券では2026年8月期を、売上高450億ドル(同26.4%増)、営業利益119億ドル(同46.9%増)と予想します。前回予想よりもHBM売上高を上方修正したため売上高は上方修正しますが、前回の楽天証券予想よりもモバイル向けを下方修正したため、営業利益予想を下方修正します。

 なお、2025年8月期設備投資計画は前回の約140億ドルが維持されました。

表5 マイクロン・テクノロジー:ビジネスユニット別業績(通期)

マイクロン・テクノロジー:ビジネスユニット別業績(通期)
単位:100万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ1 マイクロン・テクノロジーの設備投資:四半期ベース

マイクロン・テクノロジーの設備投資:四半期ベース
単位:100万ドル、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ2 マイクロン・テクノロジーの設備投資:年度ベース

マイクロン・テクノロジーの設備投資:年度ベース
単位:100万ドル、出所:会社資料より楽天証券作成

3.今後6~12カ月間の目標株価は前回の120ドルを維持する。

 マイクロン・テクノロジーの今後6~12カ月間の目標株価は前回の120ドルを維持します。

 楽天証券の2025年8月期の営業利益予想はほぼ前回と同じですが、来期2026年8月期予想は下方修正します。マイクロンの予想PER(株価収益率)は2025年8月期15.7倍、2026年8月期10.7倍と業績変化率と比べると低くなっていますが、上述のような2026年の懸念があるため、今後の株価上昇には限界があると思われます。リバウンドに期待したいと思います。

本レポートに掲載した銘柄マイクロン・テクノロジー(MU、NASDAQ)

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