先週、ゴールドの国際価格が史上初めて1トロイオンス=3,000ドルの大台を突破した。債券王のジェフリー・ガンドラックいわく「ゴールドは4,000ドルに達するだろうと予想している」。金融情勢が劇的に変わる?
ゴールド価格上昇第三の波、4,000ドルに達するのも遠くはない?
日本経済新聞の3月14日の記事「金3000ドル、20年で10倍『揺らぐ米ドル覇権』第3の波」によると、今回は1970年代後半、2000年代に続く戦後3回目の高騰の波とのことだ。
ゴールドCFD(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ゴールドCFD(週足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ゴールドCFD(月足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
背景にあるのは基軸通貨ドルの揺らぎだ。国際政治が分断にさらされる中で、実物資産としてのゴールドに行き場を失ったマネーが集中していると指摘している。世界経済の不確実性が強まる中で、ゴールドの輝きが当面続く可能性があると指摘している。
記事ではそれぞれの波について取り上げている。第一の波は1971年に米政府がゴールドとドルの交換を停止したニクソン・ショックに始まる。そして2000年代に起きたのが第二の波、2020年代コロナウイルスによるパンデミックやウクライナ侵略を含む、マクロ環境の不確実性が高まる中、ゴールド価格上昇の第三の波が押し寄せていると論じている。
1970年以降の金価格の推移

マーケットウォッチの3月14日の記事「ゴールドは4,000ドルに達するだろうとガンダックは言う。また、同氏は不況の可能性を60%と予測している」によると、債券王のジェフリー・ガンドラックがゴールド価格について「私は大胆だが、ゴールドは4,000ドルに達するだろうと予想している。
今年中にそうなるかどうかは分からないが、1,800ドル付近で長らく安定していたことから、その動きは予測されていたものだと感じている」と語ったという。
また、ガンドラックは米国経済について今年中に景気後退に陥る可能性を60%と見積もった。これは、景気後退は起こらないと考えるウォール街の予想よりもかなり高いといえる。
ガンドラックは「1回の引き下げから8回程度の引き下げ、そして再び1回の引き下げに戻るというジェットコースターのような動きを繰り返してきた。そして今、さらに引き下げられる方向に戻りつつある。つまり、この動きは継続している」と述べた。ガンドラックは、債券市場についてFRB(米連邦準備制度理事会)の金利引き下げを織り込み直していると指摘した。
ゴールド先物のシーズナルチャート

著名投資家のマーク・ファーバーは、「現在の社会は長期的には持続可能ではない。ゴールドを含むシルバーやプラチナ、不動産のようなものはペーパーマネーと異なり簡単に供給を増やすことはできない。ペーパーマネーは下がり、フィジカルアセットが上昇するだろう」
「米国だけではなく、他の国もゴールドを持っていない。世界におけるあらゆる資産に比べてゴールドの割合は非常に小さい。過去50年、準備金におけるゴールドの割合を意図的に減らしてきた。そのため、準備金における割合は小さい。ゴールド価格は安定するあるいは上昇するだろう」との見通しを述べた。
また、現在のマグニフィセント・セブンに代表されるように、将来の利益成長に対する期待が高すぎる時は小さなミスや小さな失望がダウンサイドでの大きなリアクションになると指摘。
特にトランプ2.0のタリフの時代には、PER(株価収益率)が高く非常に高いバリュエーションになっている株や無配当のボラティリティの高い株ではなく、ディフェンシブではいかに値下がり幅の小さくなる資産を持つかが重要になると警鐘を鳴らしている。
ゴールドの3,000ドル突破と経済のパラダイムシフト
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