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S&P500かオール・カントリーか…積立投信、銘柄選びで迷ったら

2025/3/24

新NISAが始まってから資産形成の王道の一つとして、投資信託への積立投資が定着していますが、株式相場が下落し為替が円高に動いている状況を経験している人ばかりというわけではありません。そこで改めて、積立投資で選ばれている投資信託について商品の特性や注意点を確認します。

目次
  1. 積立投資の利益が減ってきて不安、継続するべきというけれど…
  2. NISA積立投資の設定金額上位は似たような商品が並ぶ
  3. 相場が悪い時ほど自分の運用を振り返るべき

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
S&P500かオール・カントリーか…積立投信、銘柄選びで迷ったら

お悩み

積立投資の利益が減ってきて不安、継続するべきというけれど…

森本悠輔さん(仮名)会社員・35歳男性(既婚、共働き、子ども2人)

 森本さんが投資を始めてから1年がたちました。投資を始めたきっかけは、仕事の休憩中に投資をそろそろ始めようかと友人と話をしたというささいなことでしたが、いざ始めてみると自分で選んだ商品がじわじわと評価益が増えていくことに楽しさを感じていました。

 積立投資で選ばれている投資信託の設定買付ランキングを参考に、無理のない程度の金額で積立投資をスタートしましたが、評価益が増えるにつれて少しずつ金額を増やしていって、1年がたつころには毎月家計の余裕資金があれば投資に回すようになっていました。

 ただ、これまでは株高円安で資産が面白いように増えていたのに、最近は急に逆風が吹いたように株安円高に動いてきて、これまでの評価益の大部分が目減りしてしまいました。

 森本さんのように、積立投資をしていて相場の変化で不安になっている人は、保有している投資信託について今後どのように判断して投資を続けていけばよいのでしょうか?

NISA積立投資の設定金額上位は似たような商品が並ぶ

 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で積立投資を行うときには、つみたて投資枠だけでなく、成長投資枠を利用することも可能です。とはいえ、つみたて投資枠を利用することから始める方が多いでしょうが、必ずしも投資したい商品がつみたて投資枠で買付できるとは限りません。

 楽天証券HPで公開されている2025年2月NISA積立設定金額のランキングを見てみると、上位10銘柄のうち半分の5銘柄は成長投資枠のみが買付可能となっています。

 ただその商品内容を見比べてみると、米国株式のS&P500種指数やナスダック総合指数といった株式インデックスに投資するものや、米国高配当株や一部の米国株のテーマ型(ここではNEXT FANG+)、米国株式へ60%以上投資する全世界株式(オール・カントリー)がほとんどで、あとは最近高値更新をしている金投資がランクインしています。

表1:2025年2月NISA積立設定金額のランキング

表1:2025年2月NISA積立設定金額のランキング
※楽天証券のHPより、筆者作成
※期間2025/1/31~2025/02/28、2024/12/31~2025/02/28

 つまり、積立投資をしているならまずはこのあたりの商品の特長をつかんでおくことが効率的ともいえます。特に株式相場が下落しているときや円高に推移しているときは投資した商品が値下がっている方も多いので、資産形成に対する話題もネガティブなものが増えてきます。

 そこで今回は、積立投資の設定金額上位商品へ投資している方に向けて、株安円高時にどういう考え方で投資をそのまま継続するべきなのか、何か対応する必要があるのかをお伝えしたいと思います。

海外株式指数に連動するインデックス投資信託に投資している場合

 積立投資の代表的な商品といえば、eMaxis Slimシリーズの米国株式(S&P500)(スタンダード・アンド・プアーズ500種指数に連動)と全世界株式(オール・カントリー(AC)、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動)でしょう。

 積立金額ランキングでも1位、2位を占めており、同じ投資対象へ投資する商品もランクインしています。他にはNASDAQ100(ナスダック100指数に連動)も人気です。

 こうした海外株式指数に連動するインデックス投資信託で積立投資をしている場合に確認しておきたいことの一つは、株価と為替、どちらの影響によって価格が変動するかを把握しておくことです。これによって投資判断が異なり、方向性を知るためにも必要です。

 例えば、表1では2025年2月にeMaxis Slim米国株式(S&P500)は月間騰落率でマイナス6.34%(2/28の基準価額3万1,801円と1/31の基準価額3万3,995円を比較、基準価額の発表には時差などがあるので騰落率は対象株式や為替の同日計算とは一致しない)となっていますが、S&P500の2月騰落率はマイナス1.42%であり、米ドル/円価格はマイナス2.95%の円高となっており、為替の影響の方が基準価額の下落に影響が大きかったことが分かります。

 またもう一つは、最近の値動きを見ると株価の価格変動率は、「全世界株式<米国株式(S&P500)<NASDAQ100」になっている傾向があります。これは株式相場が上昇しているときは価格変動率が高い方が良い結果になり、反対に株式相場が下落しているときは価格変動率が低い方が比較的軽いリスクで済むことを指しています。

 為替も含めた価格変動の大きさが、自分が取れるリスクの許容範囲かどうかを判断した上で商品を選ぶ必要があるのですが、この「許容範囲」というのは「株式相場が上昇しているときよりも下落しているときの方が実感しやすい」ものです。

 自分が投資している積立金額にもよると思いますが、リスクの許容範囲だと判断したなら株安円高時にも継続するべきです。値動きが激しすぎると不安になるのであれば、価格変動の少ない投資先へ商品を見直すか、投資金額を減らすことをおすすめします。

 ただし、価格変動の理由も知らずに、ただ心配だからと投資をやめることのないようにしましょう。投資は知ること、そして経験することで慣れていくものです。

国内外の高配当株式へ投資する投資信託に投資している場合

 自分が持っている投資信託の良し悪しを判断するには、基本的にはベンチマークとなるインデックス指数と比較します。日本高配当株なら日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、米国高配当株式ならS&P500などが参考指標とされるでしょう。

 高配当株式への特徴は、その高い配当利回りです。一般的には、3%を超えていれば高配当といえる範囲でしょう。そうした銘柄をまとめた投資信託は、一般的には株式インデックス指数よりもやや落ち着いた値動きとなる傾向にあります。

 国内外の高配当株式へ投資する投資信託に投資をしている人は、まず参考指標となるインデックス指数との値動きの違いを理解した上で、配当が出るから安定していると勘違いをしないことが大切です。株式投資に違いはありませんので、相応に値動きはあります。また、投資先の株式が海外株であれば、どの程度為替の影響があるかの確認も必要でしょう。

 さらに投資信託の場合は、配当の代わりに分配金が出ますが、分配金は運用会社が決めて出しているので必ずしも利益とは限りません。また、運用費用がどの程度かかっているのかを確認することも必須です。

 一言に高配当株式へ投資しているといっても、どんな業種や銘柄に投資しているかは投資信託ごとに違いがあるので、必ず月次レポートなどで投資先を確認して、自分が納得いく投資先であるかを知っておくことも重要です。高配当株式に投資したいと思って選んだ投資信託が、自分の投資目的とずれている場合は見直しが必要でしょう。

NEXT FANG+などテーマ型投資信託や金などに投資している場合

 積立投資の主流である株式指数へのインデックス投資は、値動きは相場に任せるという特徴があり、非常にシンプルで労力も少ないという意味では効率的な投資と言えるでしょう。その点、投資対象を選別するテーマ型投資信託などは、より値上がりが期待できる株式などに集中することで投資資産の価格上昇を増やすという意味で効率的な投資と言えます。

 このようなアクティブ投資と呼ばれる投資信託は運用費用が高いと指摘されることもありますが、費用以上に成果を出している商品も多数ありますし、そもそも費用がそれほど高くない商品も今では多く選ぶことができます。

 しかし、投資先を選別するということは、分散投資から集中投資になっていくことになり、投資信託とはいえ銘柄選定をしっかりする必要がありますし、期待リターンが大きくなると同時に当然値動きも大きくなります。つまり、リスクが上がってハイリスク・ハイリターンの投資になり、個別株式への理解を深めなければいけません。

 また、金に投資する投資信託もランクインしていますが、当然株式投資とは値動きや投資の考え方が違います。以前は分散投資の一つとして組み入れを検討する人が多かったように思いますが、最近では金価格も高値を更新しており、単純に金価格の上昇を期待して積立投資をしている人も増えているようです。

 こうしたアクティブ投資や株式以外の商品へ投資する場合は、よくあるインデックス投資での積立投資とは違う投資先であると理解することが重要です。特に、株安円高のような相場が下落局面と言われるような環境でこそ、自分に適した投資対象が見えてきます。自分にはあわないと思ったら、基本に立ち返ってシンプルに株式指数へ投資することを検討してみましょう。

相場が悪い時ほど自分の運用を振り返るべき

資産運用に正解はないが、自分にあった投資を選ぼう

 資産運用をすれば、投資先の資産が増えるときもあれば減るときもあるのは当然です。しかし、実際に運用をしてみると増えるときの喜びよりも減ることへの心理的な負担の方が大きく、「損失回避」を優先しようとするのはよくある話であり、プロスペクト理論でも詳しく説明されています。

 必要以上に損失を回避しようとしないためには、投資知識を増やして理解を深めたり、マイペースでいいので投資経験を積んだりすることがおすすめです。私の経験上、相場が良くて運用がうまくいっているときよりも、相場が悪くて運用に悩んでいるときほど自分にあった運用ができているかの指針になると思います。

 株安円高の相場は、多くの人にとってネガティブな相場になっているでしょう。しかし、こうしたときに自分の資産運用のやり方や投資商品に向き合って、そのまま継続するべきなのか、何か変化を加えるべきなのか、慌てずに自問自答してみることをおすすめします。

 大きな問題はないと判断したのなら、そのまま継続して投資を続けていきましょう。

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【要チェック】

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