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バフェット流のトランプ乱気流相場の投資術:S&P500売り、日本商社株買いの理由

NEW 2025/3/13

米投資家会社バークシャー・ハサウェイ(BRKB)を率いるウォーレン・バフェットが2月22日、毎年恒例となっている「株主への手紙」を公開した。バフェットによる「株主への手紙」は第4四半期末に公開されるアニュアルレポート(年次報告書)に掲載されているが、市場をどのように見ているのかなどを含め、投資家にとって大変示唆に富む内容となっている。

目次
  1. バフェットの円キャリートレード:1兆円以上の含み益をもたらしている五大商社への投資
  2. バフェットはなぜ彼が史上最高の投資家と呼ばれているのかを再び証明した
  3. 3月12日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」

バフェットの円キャリートレード:1兆円以上の含み益をもたらしている五大商社への投資

 バフェットによる「株主への手紙」は2014年ごろまでは30ページに及ぶ年もあったが、2017~2018年ごろから20ページ程度のボリュームにいくつかのトピックスがつづられている。

 今回は、バークシャーの昨年のパフォーマンスは189事業のうち53%が減益だったこと、バークシャーがどういった資産に投資しているのか、バークシャーの主力である損害保険事業などについて記されているが、とりわけ、日本の商社株の買い増しと米国の財政に対する懸念について触れていたことが大きく取り上げられている。

 日本の五大商社への追加投資については「Berkshire Increases its Japanese Investments(バークシャー、日本への投資を引き上げ)」との見出しをつけ、次の通り言及している。バフェットによる「株主への手紙」が公開された2月22日から2日後となる週明け2月24日、東京株式市場全体が調整する中においても五大商社の株価は大きく上昇した。

「米国に焦点を当てているという方針に変わり無いが、小粒ではあるものの重要な例外がある。それは、日本への投資を拡大していることだ。バークシャーとやや似た方式で非常に成功している5つの日本企業の株式を購入し始めてから、ほぼ6年が経過した。5社とは、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事である(アルファベット順)。これらの大企業はそれぞれ、日本を拠点とするものもあれば、世界中で事業を展開するものもあり、幅広い事業に投資している。

 5社の株式は長期保有を目的としており、当社は各社の取締役会を支援していくつもりだ。当初から、バークシャー・ハサウェイの保有株式が各社の株式総数の10%を超えないよう合意している。しかし、この上限に近づいたため、上限を適度に緩和することに合意した。今後、5社全てにおけるバークシャー・ハサウェイの所有割合がいくぶん上昇する可能性が高いだろう」

 株主への手紙では、日本の商社への投資が2024年末時点で大きな利益を生み出していることも記されていた。バークシャーが商社への投資に費やした総費用は138億ドルだった。一方、2024年末時点での五大商社の市場評価額は235億ドルだった。つまり、97億ドルの含み益があるということだ。

 また、為替レートについてはニュートラルになるようなポジションを模索しているとのことだが、ドル高の影響により年末時点で23億ドルの為替差益(税引き後利益)があり、そのうち8億5,000万ドルは2024年に発生したと記している。つまり、バフェットは「円キャリートレード」を行っていたのである。

 バークシャーは2019年から円建ての社債を発行してきた。日本は現在、利上げ局面にあるが、「借り入れは全て固定金利で、変動金利のものはない」と言う。円建て債務の金利コストは約1億3,500万ドルであるのに対し、「株主への手紙」を書いている時点で、2025年の日本の商社への投資から期待される年間配当収入は約8億1,200万ドルとのことだ。

(含み益97億ドル)+(為替差益23億ドル)=120億ドル
(年間配当8.1億ドル)-(金利コスト1.3億ドル)=6.8億ドル

 異常低金利の円で調達した日本株への投資が莫大(ばくだい)な利益をバークシャーにもたらしている。

三菱商事(日足)

三菱商事(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

三菱商事(週足)

三菱商事(週足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 バークシャーが五大商社へ最初に投資を行ったのは2019年7月だった。バフェットは日本の商社株を石油やLNG(液化天然ガス)などを取引するある種のエネルギー株ととらえているようだ。

 商社の財務記録を調べたところ、株価の評価が極めて安価であったことに驚いたという。バフェットの後継者とされているグレッグ・アベルは商社の経営陣に何度も会い、バフェットは定期的に進捗(しんちょく)状況を追っていると述べている。バフェットによるバリュー投資のお手本のような事例と言えるだろう。

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