2024年通期決算はほぼ予想通り、続く1-2月には食品・飲料販売が加速

現地コード 銘柄名
00220

統一企業中国控股

(ユニ・プレジデント・チャイナ)

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8.64HKD
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 台湾系の飲料・即席麺大手、統一企業中国の2024年12月本決算は、純利益が前年比10.9%増、売上高が6.1%増と、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。BOCIは今後も力強い成長を維持し、2024-27年の利益成長率が年率平均14%に達すると予想している。中でも食品・飲料の消費トレンドを収益化し、製品構成を持続的に改善できる同社の研究開発力を高く評価。目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。

 2024年の売上高は前年比6.1%増の303億2,100万元と、BOCIの予想からわずか0.6%下振れた。部門別では、飲料の売上高が8.2%増加し、売り上げ全体に占める割合は63.4%。茶飲料(13.1%増)が主にけん引した。食品部門の売上高は下期に緩やかに加速し、通期で2.1%増(上期は0.9%増)と、業界平均を上回る伸び。全体の粗利益率は前年を2.0ポイント上回る32.5%で、うち飲料が36.6%、食品が26.5%だった。販売費の対売上高比率は前年をやや上回る22.2%。通期の粗利益は10.9%増の18億4,900万元と、BOCIの予想と合致した

 続く2025年について、経営陣は売れ行きの堅調を見込み、通期売上高が少なくとも前年比6%増を確保するとみている。1-2月の段階では、販売数量の伸びを追い風に、食品、飲料の売上高がいずれも前年同期比2桁増を達成。販路の在庫も健全な水準を維持し、投資家にとってのサプライズとなった。経営陣によれば、純利益率を左右するのは引き続き、「製品構成の優良化」「販促費の削減」「効率化」の3点。コスト面の順風はかなりの部分で続く可能性が高く、パーム油と粉ミルクの短期的な値上がりには対処可能という。また、市場の競争環境次第とはいえ、売上高販管費率はおおむね横ばいで推移するとの見方。設備投資計画はほぼ前年比横ばいの10億元で、主に小売店などのディスプレー冷蔵庫に振り向けるとした。同社が管理可能な冷蔵庫は2024年末に100万台強。2024年に約10万台の純増となったが、2025年にはこれを上回る見通しを示している。

 BOCIは2025-26年の売上高と純利益に関する予想を微調整。全体的な事業環境という視点では、ノンアルコール飲料の需要は景気に左右されずに底堅く、同社はブランド認知度や優れた製品ラインアップ、市場シェア拡大に向けた努力などから、今後も業界平均を上回る成績を維持する見通しを示した。食品部門では、同社はすでに高いシェアを持つが、投資家の多くは「即席麺のTAM(実現可能な最大の市場規模)」のポテンシャルを見逃している可能性があると指摘。目標算出ベースを2025年予想PER(株価収益率)17.5倍から18.0倍に上方修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、競争激化、戦略実行上の問題、消費者の嗜好(しこう)の変化、コストインフレ圧力、食の安全性などの要因を挙げている。