3月優待の人気トップ2銘柄はNTT(9432)とソフトバンク(9434)!
優待取得条件の最低株数となる100株を10万円以下で買える優待株は少額資金で投資したい株主優待ファンから絶大な人気を集めています。
楽天証券の「株主優待検索」で3月優待株を「人気順」に並べ替えると人気1位はNTT(日本電信電話)(9432)、2位はソフトバンク(9434)と少額投資が可能な携帯キャリア企業が独占しています。
NTTの株価は146.9円※なので100株をたったの1万4,690円で購入可能。
※本記事の株価、投資金額、2025年3月期の予想配当利回りなどは2025年2月14日終値を使って計算。以下同。

同社の優待内容は100株以上を2年以上継続保有すると3月末にNTTドコモの電子マネー「dポイント」が1,500ポイント、5年以上継続保有すると3,000ポイントが贈呈されるというもの。優待の権利発生が2度限りの変則優待ですが、1.5万円前後の投資金額に対して4,500円分のポイントが贈られるので長期的な投資効率は抜群といえます。
予想配当利回りも3.54%に達する高配当株です。
同じ携帯キャリアのソフトバンクも昨年2024年3月31日を基準日に株式10分割を行うと同時に株主優待制度を新設。株価は208.5円。100株購入するのに2万850円しかかかりません。

今回2025年3月31日までに株主になり、そのまま1年間継続保有すると来年2026年3月末に同社の電子決済アプリ「PayPay」で使える「PayPayマネーライト」1,000円分という初の優待権利が発生します。
その後も継続保有し続けると毎年PayPayマネーライト1,000円分が贈られるので、長期保有すれば優待権利が2度しか発生しないNTT以上のポイントが獲得できます。予想配当利回りも4.12%とNTT以上です。
投資効率や携帯キャリアとしての業績・財務の安定度、配当利回りの高さを考えると、もし10万円の投資資金があって3月優待株に投資したいなら、この2銘柄は外せません。
とはいえ、3月優待株の中には継続保有条件がなく、優待内容がNTT、ソフトバンクのポイントや電子マネー優待以上に魅力的な10万円株も多数あります。
そこで楽天証券の「株主優待検索」で10万円以下で買える3月優待株を検索し、その中から継続保有条件がなく手軽に取得できるおすすめ銘柄をランキングにしました。
10万円以下で買えるNo.1イチオシ銘柄は5コースから選べるTOKAI HD(3167)!
「10万円以下で購入できて魅力度の高い3月優待株」のイチオシ銘柄には、東海地方でLPガスの販売やケーブルテレビ、宅配水事業を手掛けるTOKAIホールディングス(3167)を選びました。100株を9万3,300円で購入できます。

3月・9月末に継続保有条件なしの100株保有で5コースの優待内容から一つを選べます。
その5コースとは、
- 【A】うるのん「富士の天然水さらり」500mlペットボトル12本または2,170円相当の「おいしい水の宅配便」「うるのん」12Lボトル
(後者はウォーターサーバーの契約が必要) - 【B】QUOカード500円分
- 【C】静岡駅にある同社グループレストラン「ヴォーシエル」「鉄板焼 葵」食事券1,000円分
- 【D】同社のグループ会員サービス「TLCポイント」1,000ポイント
- 【E】格安SIM/スマホサービス「LIBMO」月額利用料350円割引
(最大6カ月、2,100円分)
です。
Aコースのお水優待が最も魅力的ですが、気分に合わせて年2回の優待内容を5コースから選択できるのもうれしい限り。特に同社の本社がある静岡県在住の方にはお得度満点といえるでしょう。
同社は主力のLPガス事業をM&A(買収や合併)で神奈川県などにも拡大中。情報通信事業ではクラウド関連が成長中で、今期2025年3月期も小幅ながら増収増益、前期比1円の増配予定です。
株式市場では成熟産業と見なされているため、株価はここ4年ほど800円台前半から1,000円台前半を行ったり来たりする横ばい相場が続いています。ただ業績面からみて下値不安は少なく、予想配当利回りが3.64%に達する高配当株であることも魅力の一つでしょう。
2.日本製紙(3863)
国内製紙メーカー2位の日本製紙(3863)も継続保有条件のない自社グループ製品詰め合わせ優待が魅力です。
100株購入には現在、10万100円の資金が必要ですが、これは2025年2月に入って業績改善が鮮明になり株価が急騰したため。10万円以下の購入にこだわりたいなら1,000円以下に指値注文を入れて、株価が調整下落してくるのを待つのもいいでしょう。

同社の優待内容は3月末に100株以上保有で一律に、トイレットペーパーなど家庭用品詰め合わせセットが贈呈されるというもの。
2024年3月末の優待品は「スコッティ フラワーパック3倍長持ち4ロール(ダブル)〈無香料〉」「スコッティ ティシュー フラワーボックス250組」など生活必需品の紙製品6点でした。
同社は2023年3月期に印刷用紙の需要低迷や原材料高で上場以来初となる巨額赤字を計上して株価も急落。現在は業績回復途上にあります。
今期2025年3月期は円安効果で海外収益が伸びており、構造改革による特別損失で最終利益は減少するものの、前期比30%を超える営業増益を見込んでいます。
株価も底打ち気配があるため、今後も業績回復が順調に続くようなら割安で購入できる好機かもしれません。
満足度たっぷりのティシュー、トイレットペーパー優待を毎年もらいながら気長に業績回復を待てるのも株主優待株投資のメリットです。
3.ベルーナ(9997)
婦人向けアパレル通販事業の他にホテル、レストラン事業も展開するベルーナ(9997)。
同社の株を100株(投資金額約9万100円)購入すると、3月・9月末に1,000円分の通信販売優待割引券、ネット専用優待ポイント、自社取り扱いの食品、菓子、ワイン、日本酒という盛りだくさんな選択肢から1点選択できます。
2024年9月末の優待実績で選べた食品・菓子は梅干し「南紀の幻」160gや「5種のやわらかひとくち大福」でした。

さらに同社グループが運営・提携するホテル、飲食店などで利用できる割引券2,000円分も贈呈されます。
この優待割引券は東京都内の高級鉄板焼きレストラン「銀座のステーキ」や北海道、東京、関西などにある「グランベルホテル」、東京・銀座にある「SPA&SAUNA コリドーの湯」でも利用できます。
同社は北海道や首都圏などで運営するホテル事業がインバウンド(訪日外国人)需要による宿泊料高騰の恩恵もあって急成長中。主力のアパレル事業の業績は横ばい推移が続いていますが、新たなインバウンド関連株として株価も上昇機運です。
もう一つの魅力は高い配当利回り。今期2025年3月期は前期比8.5円増配の1株当たり29円の配当を予定しており、予想配当利回りは3.22%に達します。
PBR(株価純資産倍率)0.63倍の割安株のため、ホテル事業の成長が続けば株価の上昇余地が豊富な点も楽しみといえるでしょう。
4.ヤマダHD(9831)
家電量販店首位のヤマダホールディングス(9831)も10万円以下で購入できる人気の3月優待株です。
100株保有で3月末に買い物優待券500円分、9月末に1,000円分が贈呈されます。
優待券は税込1,000円の買い物につき500円券1枚を利用可能。

同じ家電量販店のビックカメラなどに比べるとインバウンド需要の取り込みがなく業績は横ばいが続いていましたが、今期2025年3月期は大型店舗の出店もあり、エアコンなど白物家電の販売が伸び大幅な増益予想です。
来期2026年3月期は住宅事業の成長に期待したいところです。
5.ヴィア・HD(7918)
コロナ禍で業績不振に陥り、優待内容を縮小したものの、コロナ明けの業績回復で株主優待を拡充したのが「やきとりの扇屋」「紅とん」などの居酒屋チェーンを展開するヴィア・ホールディングス(7918)です。

今回2025年3月末からは、3月末に100株(投資金額約1万2,500円)保有で同社店舗で使える割引券5,000円分が贈呈されます。1,000円の飲食につき500円割引券1枚を利用できます。
これまでより割引券の額面(250円から500円)や総額(2,500円分から5,000円分)が倍増されました。
ただし、同社はコロナ禍の営業自粛で大打撃を受け、一時は債務超過に陥りました。2020年12月には金融機関に借入金の残高維持を求める事業再生ADRを申請・受理され、現在は経営再建中です。
その結果、前期2024年3月期にようやく増収と営業利益などの黒字転換を達成。2025年3月期も宴会需要の回復などで、38.3%の営業増益を見込んでいます。
いまだ株価は125円と低空飛行が続いていますが、同社の焼き鳥、焼きとん居酒屋が好きな人、応援したい人は業績動向にくれぐれも注意を払った上で投資を考えてみるのもいいかもしれません。