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著者の愛宕 伸康が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「米CPIショック、本当に怖いのは今年後半?」
米国の1月消費者物価が予想比上振れ~CPIショック?~
2月12日に発表された米国の1月CPI(消費者物価指数)が前月比0.5%となり(図表1)、市場予想の0.3%を大きく上回ったことから長期金利が上昇。市場ではCPIショックとの声も聞かれました。
図表1 米国の消費者物価指数

出所:米BLS、楽天証券経済研究所作成
米国で物価上振れリスクが高まっていることは、このレポートでも折に触れ述べてきましたのでサプライズではありませんでしたが、今一度冷静にデータを見る必要がありそうです。
というのも、2月17日にFRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事が講演し、「ここ数年、米国のCPIには年初に高い伸びが出る傾向があり、季節変動を完全に補正できていない可能性がある。今回の結果の解釈を慎重に検討している」と、興味深い発言をしました。
もしそれが事実で、今後、昨年と同じように前月比が落ち着いていくとすれば、今年後半にかけて前年比プラス幅が縮小し、ウォラー理事が述べる通り、「今年のどこかの時点で利下げが適切になる」かもしれません。しかし、本当にそうなるでしょうか。