2024年10-12月期決算プレビュー、ペントアップ需要消失後も好調持続へ

現地コード 銘柄名
00780

同程旅行

(トンチョン・トラベル・ホールディングス)

株価 情報種類

18.16HKD
(2/11現在)

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 中国の有力オンライン旅行プラットフォーム、同程旅行の2024年10-12月期決算について、BOCIは調整後純利益が前年同期比29%増の6億2,400万元に達するとみている。コロナ禍後のペントアップ需要による押し上げ効果が消えることで、1-9月期ほどの高成長には期待しにくいとしながらも、国内の力強い旅行需要や市場シェアの拡大につながる良好なビジネス環境が追い風になると予想。引き続き、相対的に高い成長率を確保する見通しを示した。また、一時懸念された販促費の増大傾向も収束に向かい、営業レバレッジ面のプラス効果が期待できるとの見方。2025年通期の業績はまだ見通しにくいとしながらも、旧正月期の旅行市場に関するデータは1-2月期の出足好調を示唆しているとした。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIが示した10-12月期の予想売上高は前年同期比26%増の39億7,500万元。主力のOTA(オンライン旅行代理)事業について、同20%増の34億3,600万元を見込む。また、10月上旬の国慶節ゴールデンウイークと11月の「ダブルイレブン」(独身の日の一大ネット通販セール)期間中も販促費は適切に管理されたとの見方。営業レバレッジ効果により、調整後純利益は29%増の6億2,400万元に達するとみている。

 2025年は、コロナ禍と2023年初頭のゼロコロナ政策解除という特殊要因の影響が消え、前年の比較対照値や事業環境が完全に正常化する最初の年となる。旧正月期間中の旅行関連データが良好だったことから、BOCIは同社の1-3月期の売上高について、前年同期比10%台半ばの伸びを予想し、主に以下の三つの要因を指摘している。◇旅行産業の成長とOTA利用の浸透、◇アウトバウンド業務の伸び◇2024年10-12月期以降の供給過剰の緩和に伴う国内ホテルのRevPAR(販売可能な1客室当たりの売上高)の正常化。

 BOCIは2025年のテイクレート(取り分)の引き上げ余地は限定的としながらも、引き続き新たな成長分野を中心とする業務量やGMV(流通取引総額)の拡大が成長エンジンになるとみている。戦略投資の焦点はアウトバウンドになると予想。国際ビジネスプラットフォーム「HopeGoo」への投資を強化する見通しを示した。こうした戦略による収益性のプラス影響は当面限定的としながらも、「DeepSeek」に象徴されるAIの活用が、2025年のサービスコスト削減の推進役となる可能性を指摘している。

 BOCIは直近四半期の動向を踏まえ、2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を1.6-1.8%増額修正。海外旅行の復調により、長期的に成長率が加速する見通しを示した。また、最近の単独アプリ化とアリババ集団(09988)傘下のエコシステムへの移行は長期的な競争力の強化につながると予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、旅行市場の回復傾向の鈍化、大株主との関係悪化、競争激化、新規買収事業の業績下押しなどの可能性を挙げている。