投資する銘柄はどのように選んでいますか?

 皆さんは、投資する銘柄をどのように選んでいますか?中級者、上級者になれば、多くの方はご自身で銘柄を選ぶことができると思いますが、初心者にとって個別株投資で最大のハードルが、この投資候補銘柄の選択だと思います。

 筆者は会社四季報を見て投資候補銘柄を探したり、筆者が主宰する株式投資塾の仲間と会社四季報勉強会を開催してそれぞれが持ち寄った銘柄を参考にしたり、他の勉強会で講師が参考銘柄として取り上げた銘柄を自分でも吟味して投資候補としたりしています。

初心者が雑誌やネットの「オススメ銘柄」に頼ってしまう理由

 しかし初心者、初級者は、会社四季報から銘柄を探せと言われても、あの分厚く細かい文字や数字でぎっしりの本を手に取って、いったいどこからどうやって読めばよいのかと途方に暮れてしまうでしょう。

 そもそも会社四季報の存在すら知らない、存在は知っているが読んだことはない、数年前に1度購入したがその後は買っていない…というような方も多いです。

 でも個別株に投資するのであればどうしても銘柄を選ばないといけません。そんな時、マネー系雑誌でよく特集が組まれている「プロが推薦するオススメ銘柄」に目が行く初心者・初級者の方をよく見かけます。

 もしくはYouTubeやSNSなどで、投資系インフルエンサーと呼ばれる人が発信している推奨銘柄を参考にしている、という話もよく聞きます。

 このように、投資初心者の方は自分で銘柄を選ぶことができず、他の人が推奨する銘柄に投資するケースが多いのです。

 ところが、このようないわゆる「オススメ銘柄」に投資した結果、うまく行かなかったという声が非常に多いのも事実です。なぜそうなってしまうのでしょうか?

なぜ雑誌やネットの「オススメ銘柄」をうのみにすると塩漬け株が発生するのか

 いくつか理由がありますが、一つは「すでに株価が大きく上昇している銘柄が推奨されやすい」というものがあります。

 実際に雑誌の推奨銘柄を見ると、株価がかなり大きく上昇しているものが目立ちます。これは、好業績が継続していて、ファンダメンタルの面からも推奨しやすいものを取り上げているのだと思いますが、その好業績が今後も続くという前提で株価がついていますから、業績に陰りが出た場合は大きく株価が下がってしまう恐れが高いです。

 もう一つの理由、これがかなり重要なのですが、オススメ銘柄の記事を見ると、その銘柄が下がったときの対処法が一切書いていないことが圧倒的に多いのです。

 オススメ銘柄の現在の株価が2,000円、目標株価2,500円、などと書かれていますが、下がったらどうするべきかは書かれていません。

 初心者が上記のオススメ銘柄を2,000円で買ったら、どうなるでしょうか? 2,500円の目標株価になるまで保有を継続しようと思うはずです。

 その結果、2,000円で買った株が1,500円、1,000円、そして500円に下がったとしても、2,500円になるまで売らない、最低でも買値の2,000円に戻るまで売らない、という投資行動をしてしまいます。

 結局は多額の含み損を抱えた塩漬け株をつくってしまうことになるのです。

対処法は自分自身で「売却のルール」を決めること

 では塩漬け株の発生を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?

 残念ながら雑誌やネットで紹介されているオススメ銘柄には、株価が下がったときの対処法には触れられていませんので、自分自身で「どこまで下がったら損切りするか?」のルールを決め、それを実行する必要があります。

 例えば2,000円で買ったものの、買値から10%下がった1,800円で損切り、とすれば、確かに損失は生じますが当初投資額の90%は戻ってくるのですから、それを使って他の有望な銘柄に乗り換えればよいのです。

 もしくは筆者が実践しているように、移動平均線を基準に売買を考え、移動平均線割れとなったら損切り、という形でもよいでしょう。

 他人が推奨した銘柄を買った結果、塩漬け株になってしまうのは悲しいことです。しっかりとルールを設け、大きな損失を避けるようにしてくださいね。

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