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著者の吉田 哲が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「バレンタインデーに考えるチョコレート価格高」
板チョコ価格1.5倍、コーヒー価格は1.6倍
チョコレート、ショートケーキ、コーヒー、オレンジジュースなど、わたしたちの生活を彩る食品の小売価格が上昇しています。以下は、総務省「小売物価統計調査」における、関連品目(県庁所在地平均)の騰落率です。2020年1月と2024年12月を比較すると、以下に示した品目の価格は、いずれも上昇したことが分かります。
図:各種食品小売価格(県庁所在地平均)(2020年1月と2024年12月を比較)

価格の上昇率が最も高かった品目は、濃縮還元のオレンジジュース(1,000ml)で、この期間の上昇率は84%に上りました(価格は180円から331円に上昇)。次いで、レギュラーコーヒー(粉、100g)が64%(135円から222円)、そして板チョコレート(100g)が58%(201円から318円)、となりました。
また、砂糖、果汁入り飲料、オレンジ、ロールケーキ、いちごショートケーキの価格の上昇率が、20%を超えました。
さまざまなメディアで報じられているとおり、生活を彩り、ほっと一息つかせてくれるこれらの品々の小売価格の上昇について、消費者の間では「さみしい」「小さいサイズでがまんする」などの声が聞かれます。チョコレートの価格上昇を受けて、今年のバレンタインデーは「ほろ苦い」、と表現するメディアもあります。
図:チョコレートの小売価格(県庁所在地平均)単位:円/100グラム

なぜ、価格が上昇しているのでしょうか、いつまで、価格が高い状態が続くのでしょうか。本レポートでは、チョコレートを中心に、わたしたちの身の回りにある食品における嗜好(しこう)品(ぜいたく品)の価格上昇の背景を確認し、今後の展開を考えます。