年明けの米国株高は「1月効果」のアノマリーを期待させる

 1月の米国市場ではS&P500種指数は+2.7%、ダウ工業株30種平均は+4.7%でした。S&P500は23日に過去最高値を更新した後の27日は「DeepSeek(中国製AI)ショック」でエヌビディアなど大手テック株が下落した一方、業種別株価指数でみると「通信サービス」「ヘルスケア」「金融」「素材」「消費財」「資本財」などが堅調でセクターローテーションが機能しました。

 1月相場がプラスで終わり、「1月効果(January Barometer)」と呼ばれるアノマリーを期待させます。1月のリターンが年全体の基調をおおむね予兆するという経験則です。1月20日の就任演説でトランプ大統領は「米国の黄金時代(Golden Age)が今始まる」と宣言しました。

 就任日以降に約100本の大統領令に署名し、関税引き上げや不法移民の強制送還実施を示唆した一方、各種減税・規制緩和・歳出削減・低金利方針も表明。警戒されたほど過激でなかった政策遂行に市場は安堵(あんど)しました。

 昨年10-12月期の企業決算発表が金融業を皮切りに総じて堅調で、同期の米・実質GDP(国内総生産)速報値の伸び(前期比年率換算)も+2.3%と底堅く、GDPの約7割を占める個人消費が+4.2%と強かったことが注目されました。

 図表1で示すとおり、S&P500は第2次大戦終了年(1945年)から1月末まで約455倍に成長しました(年率平均は+9%)。配当込み総収益は年率平均で二桁超です。複利効果も期待しながら米国株への長期分散投資をコアに据える資産形成を維持したいと思います。

図表1:米国株式にはすでに「黄金時代」が見てとれる

S&P500種指数の対数チャート(1945年~2025年1月)
(出所)長期市場実績より著者作成