銅・亜鉛生産量が堅調、コスト増観測も2025年利益は前年の3倍に

現地コード 銘柄名
01208

五鉱資源

(エムエムジー)

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2.65HKD
(1/24現在)

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 中国政府系の非鉄鉱山会社、五鉱資源の2024年10-12月期の業務統計は堅調で、銅、亜鉛の総生産量がそれぞれ前四半期比11%、38%増加した。続く2025年には鉱山拡張プロジェクトや買収先の鉱山が通期フルに寄与する見通しであり、同社は銅生産量(中央値)が前年比24%増加するとみている。BOCIはコストの上振れなどを理由に、2024年、2025年の利益見通しを減額修正したものの、2025年の予想純利益は前年の3倍に達すると予想。目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 10-12月期の銅生産量は前四半期比11%増の12万7,000トン。チャルコバンバ坑の稼働を受け、主要鉱山ラスバンバス(ペルー)の銅生産量が2019年以来の四半期最高を記録した。亜鉛生産量は設備問題が解消した豪デュガルド川での好調を背景に、38%増の6万3,900トン。これで2024年通期の銅、亜鉛生産量は前年比15%増、8%増となった。

 2025年の銅生産量に関する経営陣のガイダンスは前年比17-31%増の46万6,000-52万2,000トンであり、世界の大手銅生産者の中で最速の増産ペースとなる可能性がある。ラスバンバスとキンセビア銅山(コンゴ民主共和国)の拡張プロジェクトと、2024年半ばに買収したコエマカウ(ボツワナ)が通年にわたって増産をけん引する見通しという。一方、2025年の亜鉛生産量に関するガイダンスは21万4,000-24万トン。前年比では2%減-9%増の範囲となる。

 基本的な操業費用を指すC1コスト(正味直接キャッシュコスト)は、2024年に鉱山ごとにまちまち。3カ所でBOCIの予想を下回る半面、2カ所では上回った。同社は2025年について、三つの鉱山のコスト増を見込む。うちラスバンバスのC1コストは2024年に1ポンド=1.51米ドルだったが、人件費の増大や資本化費用の縮小、社会プログラム支出の増加を背景に、2025年には同1.5-1.7米ドルに上向く見通しという。

 BOCIは生産量が予想から上振れる半面、販売量が予想を下回り、さらに銅平均価格が想定を下回ったとして、2024年の利益見通しを49%減額修正。2025年についてもガイダンスの中間値をベースに、全ての鉱山のC1コスト想定値を引き上げ、2025年の利益予想を33%減額修正した。半面、ブルームバーグの市場予想の中央値に基づいて金属価格に関する見通しを上方修正。これがコスト増と生産量の下押しによる影響を相殺するとみて、2026年の利益予想を4%上方修正した。

 また、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく同社株の目標株価を上方修正(2024年予想から2025年予想ベースへシフト)。2024-25年の予想純利益を減額修正しながらも、2025年以降にはフリーキャッシュフローが増加する見通しを示している。一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは金属価格が急落する可能性、ラスバンバス鉱山の操業をめぐって予想外の事態が起きる可能性を挙げている。