日経平均はDeepSeekショックを乗り越えた?
先週(営業日:1月27~31日)の日経平均株価は、1週間で359円下落して、3万9,572円となりました。DeepSeek(ディープシーク)ショック【注】で28日には一時3万8,886円まで急落しましたが、その後不安が低下して、31日には3万9,572円まで回復したところです。
【注】DeepSeekショック
中国のAI(人工知能)開発企業DeepSeekが低コストで高性能AIを開発したとの情報を受けて、生成AI開発の競争激化が懸念されました。この影響から、1月27日に米半導体大手エヌビデイア株が17%安と急落、28日の日経平均は半導体関連株を中心に大きく下がりました。
ただし、その後、「DeepSeekの登場は、世界経済にとって望ましいこと」との見方も広がり、米国株も日本株も反発しました。低コストで高性能のAIを開発する方法が分かり、世界に広がることで、世界的に高性能AI普及が早まる可能性が出ました。
エヌビディアにはネガティブですが、エヌビディアから半導体を購入してAIデータセンター、AIクラウドサービスを構築していくマイクロソフト、グーグル、アマゾンにとっては悪くない話と考えられます。
また、AIを活用してさまざまな新しいサービスを生み出していく、世界中の企業にとっても良い話です。米国勢に独占されていたAI開発の恩恵が、世界に広がる可能性もあります。
ただし、今週の日経平均は、続落が予想されます。DeepSeekショックを乗り切ったばかりの日経平均に、新たにトランプ関税ショックが起こったためです。
日経平均週足:2024年1月4日~2025年1月31日

日経平均が、4万円の壁を超えるにはさらに時間がかかりそうです。3万8,000~4万円のボックス推移がさらに長引きそうです。