2025-26年の生産見通しを小幅に下方修正、配当性向は45%に引き上げへ

現地コード 銘柄名
00883

中国海洋石油

(CNOOC)

株価 情報種類

18.74HKD
(1/23現在)

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 中国最大のオフショア石油開発会社CNOOCは2025年と2026年の石油・ガス生産量に関するガイダンスを3-4%(中央値ベース)下方修正したが、BOCIはそれでも、2025年の生産見通しは前年実績を7%上回ると指摘。さらに、同社が長期株主への利益還元の強化に向け、配当性向を40%から45%に引き上げる提案を行ったことが注目されるとした。2025-26年の予想純利益を2-3%減額修正し、目標株価を小幅に引き下げながらも、高配当利回りや今後予想される人民元安(対米ドル)に対する抵抗力を前向きに評価。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 CNOOCの2024年の石油・ガス生産量は約7億2,000万BOE(石油換算バレル)と、経営陣が事前に示したガイダンスの上限に達した。半面、2025年と2026年の生産量については、ガイダンスを7億6,000万-7億8,000万BOE(修正前7億8,000万-8億BOE)、7億8000万-8億BOC(同8億1,000万-8億3,000万BOE)に下方修正。2027年に関しては8億1,000万-8億3,000万BOEとの見通しを明らかにしている。

 BOCIは生産見通しの引き下げについて、メキシコ湾における一部資産の売却が影響したとの見方だが、ほかに、同社がより慎重なスタンスを取ったことも一因だと指摘。原油価格が下落する中、積極的に新たな油井を掘削する計画は実際、実現性が低いとした。ただ、ガイダンスの中央値を見る限り、向こう3年間の生産量は年率平均で4.4%増(修正前は6.7%増)。2025年に関しては前年比7%という高い伸びを目指していることになり、これは世界の同業銘柄の中でもほぼ最高クラスとなる可能性が高い。

 将来の増産を支えるため、同社は2025年のリザーブ・リプレースメント・レシオ(RRR:資源埋蔵量の回復率)を130%以上とする目標を掲げる。これは前年の目標と同水準。2025年の設備投資予算も、ほぼ前年実績(約1,320億元)並みとなる1,250億-1,350億元に設定した。

 同社は長期株主への還元の強化に向け、配当性向の下限を2022-24年の40%から、2025-27年には45%に引き上げる提案を行った。実現には株主承認が前提となる。

 BOCIは生産量見通しの削減を理由に、2025-26年の予想純利益を2-3%減額修正し、目標株価を小幅に引き下げたが、現在株価の2024-26年の予想配当利回りは8-7.5%と、依然魅力的な水準にあるとしている。新たな目標株価に基づく2024-26年の予想配当利回りも5.5%の水準にある。

 一方、レーティング面での潜在リスク要因として、BOCIは原油価格が急落する可能性、予想以上にコストが膨らむ可能性を挙げている。