よくある債券投資の商品選びの判断ミス2:債券 利回りの良しあしを間違える

 債券の利回りとは、投資した資金(投資元本)に対する収益の割合を指し、投資成績を判断する上で非常に重要な指標です。計算は投資金額に対して、「利息による収益」と「償還差損益(投資した金額と額面金額との差額)」で決まります。

 この利回りという債券投資のリターンの基準ですが、基本的に円建て債券なら日本国債、米ドル建て債券なら米国国債が基準となり、国債の各年数の利回りとつないだ曲線である「イールドカーブ」を参考にします。

 簡単に言えば、社債(事業債)などは「国債の利回り+発行体(企業)の信用リスク」で決まるといえます。つまり、社債が5%の利回りであっても、その時のベースとなる国債の利回りが2%なのか4%なのかで信用リスクの大きさは全く違います。

 また、個別銘柄の債券なら保有中に費用は発生しませんが、投資信託であれば保有中に運用がされているので、信託報酬などのコストが発生します。仮に1.5%の年間費用が発生しているとすると、債券の利回りが5%想定だとしても実質利回りは3.5%(5%-1.5%)ということになります。

 つまり、「利回り」という点だけに注目してはいけないということです。費用が同じなら利回りが低い方にも高い方にもそれぞれメリット・デメリットがありますし、費用が大きいなら費用後の利回りを確認するべきです。きちんと利回りの見方を理解して、自分の投資目的や安心して投資できる程度のリスク(価格変動)に抑えて商品を決めることが重要です。

よくある債券投資の商品選びの判断ミス3:債券投資に回す投資資金を間違える

 ETFや投資信託では、以前から債券投資を少額で売買することができましたが、個別銘柄を少額で投資する機会はあまりありませんでした。しかし、最近ではネットで少額から投資することもできるようになってきました。

 もちろん、より多くの銘柄を選択肢に入れるには1,000万円や10万USDなど、まとまった資金がある方が良いでしょう。それでも、個別銘柄の債券を投資できる環境になってきたことで、以前よりも債券投資をイメージしやすくなり、個人投資家にも広まってきていると感じています。NISAでも、債券に投資する投資信託やETFが注目されているようです。

 その中で、少額でも債券投資を組み入れようとする人もいるようですが、債券は基本的に株式と比べると期待できるリターン(収益率)が低いため、あまり少額で投資してしまうと、リターンは期待通りでも金額的な面(例えば10万円で3%リターンなら税引前で3,000円など)で考えると、投資するよりも少し節約した方が資産を増やせる可能性が高いこともあります。

 資産形成の話題で、NISAに選ばれる商品で株式インデックス投資がおすすめされるのには理由があります。まだまとまった余裕資金がないうちは「資産形成」をするために期待リターンの高い株式への投資がおすすめされ、投資金額が大きくなってから債券などの運用に切り替えることが、一般的な資産配分の考え方です。

 債券投資に回すべき資金なのかを考えた上で投資先を選びましょう。

債券投資の投資目的によって商品選びは変わる

債券投資の商品選びは難しくはない

 債券投資は、株式投資と違って一つひとつの債券に「満期」が基本的にあるため、投資することでどのくらいの収益が期待できるのかが「利回り」から分かります。各銘柄の信用度は第三者の格付けで表記されており、条件を詰めていけば自分にあった商品を選ぶことは難しくありません。

 長期分散投資を目的に運用しているファンドラップやロボアドバイザーなどの資産配分を見ると、安定的な運用をすることで債券投資への比率が増えます。もちろん、債券と言っても外貨建て商品であれば為替リスクがありますし、複雑な仕組みの債券の中にはリスクが高い商品もあるので注意が必要です。

 ただシンプルに債券投資をするなら退屈かもしれませんが、購入したら定期的に利息を確認しつつ、満期まで放っておくぐらいの気持ちで運用すると良いでしょう。

【要チェック】

 楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、同筆者が執筆した「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。