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著者の土信田 雅之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「米国市場にとって2月は「鬼門」になるか?~「トランプ政権2.0」はまだ始まったばかり~」
週初の20日(月)にトランプ新大統領が正式に就任し、「トランプ政権2.0」のスタートを迎えた今週の株式市場ですが、初期反応はこれまでのところ良好です。
「トランプ政権2.0」の船出をポジティブに捉えた株式市場
国内株市場では日経平均株価が上昇し、23日(木)の取引時間中には一時4万円台をつけるなど、株価水準を引き上げたほか、米国株市場でも、主要株価3指数(ダウ工業株30種平均・S&P500種指数・ナスダック総合指数)がそろって続伸する展開となっています。
とりわけ、22日(水)の取引では、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500が取引時間中に6,100p台に乗せ、最高値を更新する場面があったほか、ナスダック総合指数も2万p台を回復させ、昨年12月16日の高値(2万204p)が視野に入っています。
このように、日米の株式市場は、今のところ「トランプ政権2.0」の船出をポジティブに捉えていると言えそうです。
こうした株価上昇の背景としては、前回のレポートでも指摘していたように、市場が不安視していた関税政策について、トランプ大統領の就任演説の内容などから、「思っていたよりも踏み込んだものではなかった」と受け止められたことが主因として挙げられます。
<図1>国内外主要株価指数のパフォーマンス比較 (2024年末を100)(2025年1月22日時点)

とはいえ、21日(火)の国内の取引時間中に、カナダやメキシコに対しては2月1日に関税をかけるべく調査を始めたと報じられて日経平均が下落に転じる場面があったり、その後、中国に対しても追加関税を課すことを検討していることが伝えられるなど、一部で関税に対する警戒感はくすぶっています。
上の図1は、昨年(2024年)末を100とした、日本・米国・中国、そしてインドの主要株価指数のパフォーマンスを比較したものですが、日米の株価指数が上昇を続けているのに対し、中国の株価指数(上海総合指数と香港ハンセン指数)が直近で低下していることが読み取れるのも、関税政策への思惑が影響しているものと思われます。