※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の愛宕 伸康が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「トランプ大統領就任演説波乱なし、日銀の1月利上げほぼ確実」
トランプ大統領就任演説は波乱なし
トランプ大統領の就任演説が20日(現地時間)に行われましたが、事前に主張していた内容から大きく逸脱するものではなく、警戒されていた関税引き上げについても具体的な内容に触れることはなかったため(図表1)、市場が大きく反応することはありませんでした。
図表1 トランプ米大統領の就任演説

また、トランプ大統領は、就任当日の20日、26にも上る大統領令に署名しました(図表2)。
図表2 トランプ大統領の指針(Presidential Actions)

大統領府のホームページを見れば大統領令の詳細が確認できますが、とにかく数が多いので、主なものだけ見ると(図表3)、南西部の国境に「国家非常事態宣言」を発出し、国境管理を強化したほか、パリ協定やWHOからの離脱を指示しました。
図表3 20日に署名された主な大統領令

ただ、前述した通り、中国などに対する関税の即時発動は見送られ、貿易赤字の原因、経済的および国家安全保障上の影響およびリスク、不公正な貿易慣行や為替政策について調査するとの内容にとどまったため、為替や長期金利は落ち着いた動きとなっています(図表4)。
図表4 ドル/円相場と米国の10年金利
