2024年10-12月は予想外に堅調、新規ビジネスの推進で市場シェア拡大へ
現地コード | 銘柄名 |
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02020 |
安踏体育用品 (アンタ・スポーツ・プロダクツ) |
株価 | 情報種類 |
75.25HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のスポーツウエア大手、安踏体育用品の2024年10-12月期の業務指標は堅調で、旗艦ブランド「安踏」とイタリア発「FILA」の小売販売額がともに前年同期比1桁台後半の伸びを達成した。BOCIは前年同期実績の高さや前四半期の低迷を考慮すれば、この数字は上出来として、同業他社を上回る販売成績を前向きに評価。2024年通期決算に対して、従来より楽観的な見方に転じ、続く2025年に対する経営陣のガイダンスもある程度楽観的な内容となる見通しを示した。中国オリンピック協会(COC)とのスポンサー契約に関しては不透明感もあるが、短期的なインパクトは限定的との見方。「Super Anta」「Anta Guanjun」「Sneakerverse」といった新規ビジネスモデルの投入効果が実証されれば、マイナス要因を十分相殺できるとした。2025年予想PER(株価収益率)20倍に基づく目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
10-12月期には、「安踏」と「FILA」の小売販売額が前年同期比で1桁台後半の伸びを確保。その他ブランドは同50-55%増を達成した。前四半期の低迷を受け、投資家の期待値は低かったが、実際には予想を大きく上回ったもよう。BOCIは特に、1桁台前半の減収からプラス成長に転じた「FILA」の復調が印象的だったとしている。また、小売価格の値引き率など、その他営業指標の緩やかな改善傾向に触れ、販促重視のビジネス環境下においても、スポーツウエア部門が力強い成績を残したと前向きに受け止めている。
続く2025年について、同社経営陣はより自信を深めており、小売販売額の2桁増もあり得るとしている。正式なガイダンスはまだ発表されていないが(3月にも発表)、BOCIは在庫や値引き率がかなり良好な水準にあることを踏まえ、慎重ながらも楽観的な見方を経営陣と共有しているとした。また、プロ仕様の技術を取り入れた機能ウエア「Anta Guanjun(安踏冠軍)」のようなテーマ性の強いブランドの店舗展開を強化するという取り組みは成功しており、競合他社からシェアを奪う可能性が高いとしている。経営陣によれば、「Super Anta」のようなビジネスモデルが成功し、一定規模に達した場合には、「デサント」「コーロン(Kolon)」に続く新たな成長けん引役となる見通しという。
一方、中国オリンピック協会とのスポンサー契約に関しては不確実性があり、国内のネットメディアは競合の李寧(02331)が2025-28年のスポンサーシップを獲得する可能性を伝えている。BOCIは仮にそうなっても、短期的な影響は限定的との見方。逆に向こう数年間にわたる販管費の増大懸念を和らげる可能性もあるとしている。
BOCIは予想を上回る10-12月期の業務指標を踏まえ、2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を3-4%増額修正。引き続き2025年予想PER20倍をあてはめ、目標株価を据え置いた。市場シェアの拡大見通しや優れた販路・在庫管理能力を評価。さらに最近の自社株買いの再開にも言及し、同社をスポーツウエアセクターのトップピック銘柄としている。