第2号EVモデルのSUV「YU7」を今夏にも投入、「SU7」に続く好スタートに期待

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類

36.30HKD
(1/7現在)

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 BOCIは中国の有力ハイテク企業、小米集団に対する投資家の強気のセンチメントが2025年も続くとみている。同社ビジネスに対する力強い先行き見通しが背景。同社のEV第1号モデル「SU7」に対する旺盛な需要に加え、2025年半ばに第2号となるSUV「YU7」を投入する予定や、2025年半ばの新規生産能力の稼働見通しに言及し、2025年、2026年の予想販売台数を35万台(修正前28万台)、58万台(同45万台)に上方修正した。また、中国政府による家電買い替え補助金制度の拡充や、自社工場の建設、海外での小売販売の強化、AI開発などの新たな取り組みがEV以外の中核事業(スマートフォン、IoT家電)の成長を後押しするとの見方。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。引き続き、同社をセクターのトップピック銘柄としている。

 小米集団のスマートEV事業では、2024年の販売台数が13万7,000台と、目標を大幅に上回った。続く2025年の出荷目標は倍増以上の30万台だが、BOCIは年半ばの一段の需要増見通しや新規生産設備の稼働を考慮すれば、この目標はやや控えめであり、上振れの余地があるとの見方。2025年の予想販売台数を新たに35万台に設定した。生産面を見ると、北京工場・第1期の月産能力は2024年12月に2万5,000台に達しており、2025年の年産台数は最大25万-30万台に上る見込み。現在の生産ひっ迫感を考慮すれば、北京工場・第2期も2025年半ばに早々に稼働を開始する可能性が高く、同年のEV生産台数は35万-40万台に達する見通しという。

 BOCIは納車台数の好調と利益の上振れを反映させる形で、同社のEV事業の目標株価の算出に2026年予想PSR(株価売上高倍率)3倍を適用(2025年予想PSRからシフト)。同部門限定の目標値を引き上げた。さらに、「ヒト×クルマ×家」型のエコシステムを構築するグループ戦略の下、スマートフォン、IoT家電、自動車という3事業の明確なシナジーを予想。中国のスマートEV時代において、同社は最大の恩恵銘柄になるとした。

 一方、従来型の中核事業であるスマホとIoT家電にとっては、政府当局が先ごろ発表した家電買い替え補助金制度の拡充が追い風(新たにスマホやタブレット、スマートウオッチなどデジタル機器を補助金対象に含めた)。ほかに自前の工場の完工やハイエンドスマホの海外市場での発売、AI開発、海外での小売店舗網の拡大、EVビジネスからの波及効果なども全てプラス材料となる。BOCIはこうした点を考慮し、従来事業の2025-26年の販売台数、平均販売価格、粗利益率に関する予想値を上方修正した。

 また、EV販売の好調や消費刺激策による恩恵などを理由に、2024-26年の調整後純利益見通しを1%、10%、14%増額修正。従来ビジネスの2026年予想PER(株価収益率)19倍と、EV事業の同年予想PSR3倍を組み合わせたSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づき、目標株価を大きく引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。