2024年10-12月期は堅調、「Saucony」をけん引役に2025年業績を楽観
現地コード | 銘柄名 |
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01368 |
特歩国際 (エックステップ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
5.55HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のスポーツ用品メーカー、特歩国際の2024年10-12月期の業務指標は底堅く、前年同期実績が高かったにもかかわらず、旗艦ブランド「特歩」の小売販売額は1桁台後半の伸びを確保した。また。ランニング用品のプレミアムブランドである米国発「Saucony(サッカニー)」の小売売上高は、経営陣の予想を上回る同50%増。経営陣は「Saucony」を新たな成長のけん引役に位置付けるとともに強気見通しに転じ、今後は商品シリーズの拡充に伴う店舗当たり売上高の拡大を背景に、成長ペースが加速する見通しを示している。BOCIは同社ビジネスの現状を前向きに評価し、引き続き2025年の自律成長見通しを楽観。2025年予想PER(株価収益率)9倍に当たる現在株価の低バリュエーションを指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
「特歩」ブランドの10-12月期の小売販売額は、ほぼ予想通りとなる前年同期比1桁台後半の伸び。7-9月期の1桁台半ばから加速した。小売価格の値引き率は25-30%と、前四半期の約25%からやや拡大したものの、前年同期比では改善傾向。大型ネットセールイベント「ダブルイレブン(独身の日)」の期間の延長により(2024年のセール期間は11月11日まで約1カ月間)、在庫管理を効率的に実施できたことが寄与した。一方、「Saucony」は10-12月の小売販売額が50%増と、経営陣の予想以上の高成長。新製品の出足好調とブランドアンバサダーの指名が好結果を生んだ。
経営陣は2025年に関して、より楽観的な見方に転じている。2024年10-12月期に見られた通り、政府の消費支援策の効果が期待されることが背景。また、2024年通期の純利益に関しても依然ポジティブであり、「K-SWISS」「PALLADIUM(パラディウム)」の売却による影響を加味すると、前年比20%以上の増益は確実だとした。BOCIは買収などを除外した自律ベースで、2025年の売上高が前年比8%増加するとみている。
2024年通期に前年比60%超の増収と年商10億元を達成した「Saucony」に関しては、2025年にブランド再構築を進める方針。アパレル、ライフスタイル製品、レトロシリーズなどを拡充させることで、大型店舗の展開に道を開き、向こう2-3年間の一段の成長を支える計画。目標とする営業利益率20%を達成にもつながる見通しを示した。BOCIは「Saucony」の成長が向こう数年にわたり、同社株価のバリュエーションを下支えするとみる。
BOCIは予想PER12.5倍をベースに同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、マルチブランド戦略の不成功、主力ブランドの小売販売状況の悪化、広告宣伝費の予想外の急増、新規ブランドの導入に伴うコスト増などの可能性を挙げている。