※本コラム内には税制の取り扱いについての説明や例示をしておりますが、紙面の都合上厳密な説明を行うのは困難であり、かつ理解が難しくなるので、一般化・簡素化した説明になっている点をご了承ください。
新年あけましておめでとうございます。2025年も、個人投資家の皆さまへ有益な株式投資に関する知識・情報を提供してまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。
2024年以降ジュニアNISAでの新規購入はできない
本コラムをご覧いただいている方の中には、自分だけでなく家族や子供の証券口座もつくり、家族みんなで株式投資、資産運用をしたいとお考えの方も少なくないと思います。
事実、資産運用というのは時間を強い味方にすることができます。5年、10年ではそこまで大きく増えなくても、30年、50年と長期運用することで、想像がつかない額まで増える可能性が大いにあります。
ですから、子供のときから資産運用を始めるというのはとても大きなアドバンテージとなります。
ただ、2023年までは「ジュニアNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」という制度により未成年者が非課税で運用する制度があったのですが、2024年に新NISA制度がスタートするとともに、ジュニアNISAは終了となってしまいました。
そのため、現在は新規にジュニアNISAの口座を開設して非課税で新たに投資をすることはできなくなっています。
未成年は新NISA口座の開設ができないが「未成年口座」ならつくることができる
また、新NISAの口座は未成年者が開設することはできません。ジュニアNISAも終了してしまったし、未成年は事実上株式投資、資産運用ができないのでしょうか?
そんなことはありません。未成年者の方も、未成年口座であればつくることができます。
参考: 未成年口座開設の流れ(楽天証券HP)
楽天証券では、満18歳未満かつ未婚の方が未成年口座を開設することができます。
15歳未満の場合はあらかじめ登録した親権者が取引主体者となります。15歳以上の場合、親権者のほか、未成年者本人が取引主体者となることもできます。
未成年口座は、特定口座と一般口座をつくることができます。この点は成人者の方の通常の口座と同じです。
未成年口座への投資資金は「子への贈与」になる
未成年口座で株式投資、資産運用をする際には注意しておきたい点があります。それは未成年口座での投資資金についてです。
通常、未成年者は投資資金を自分で持っていないと思われますので、投資資金は親や祖父母などから工面してもらうことになります。
これは「贈与」になりますから、贈与契約書の作成や、年間110万円の基礎控除を超えた場合の贈与税申告・納税など必要な手続きを行っておくようにしてください。
この点があいまいだと、将来資金提供者の相続が発生した際、未成年者名義の証券口座に資金提供者の資金が存在する、いわゆる「名義財産」として相続税の課税対象となる可能性がありますので十分に注意しましょう。
なお、未成年者にできるだけ多くの投資資金を渡したいというのであれば、あえて贈与税を多少払ってでも、110万円の基礎控除額を超えた額を贈与してもよいでしょう。
例えば年間500万円の贈与の場合、贈与税は53万円となり、税率は約10%です。相続税対策として合わせて考えるのであれば、こうした方法もあります。
基礎控除を上手に使って節税も!
さて、所得税では一定の高所得者を除き、一律48万円の基礎控除の枠が設けられています。そして2026年税制改正にて、基礎控除の額が58万円に増額となる見通しです。
この基礎控除、株式などの売却益や、配当金を確定申告する際にも使えます。
大部分の方は源泉徴収ありの特定口座を使用していると思います。この口座を使えば売却益については源泉徴収されて課税が終了するので確定申告は不要です。
また配当金については、20.315%の源泉徴収にて課税が終了しているため、改めて確定申告をする必要はありません。
ただ、「確定申告をしなくてもよい」となっているだけで、確定申告をした方が有利であれば申告した方が得です。
例えば次のようなケースです。
- 株式の売却により30万円の利益が出た
源泉徴収ありの特定口座にて、税額である「30万円×20.315%=6万945円」が源泉徴収されています。
この30万円の利益につき確定申告すると、基礎控除48万円で30万円の利益の全額を相殺できますから、税額はゼロとなり、源泉徴収された6万945円が還付されます。
- 株式の配当金を10万円(源泉徴収前)受け取った
配当金を受け取る際に、「10万円×20.315%=2万315円」が源泉徴収されています。
配当金10万円につき総合課税にて確定申告すると、基礎控除48万円で10万円の利益の全額を相殺できますから、税額はゼロとなり、源泉徴収された2万315円が還付されます。
利益が大きいと扶養控除の対象外となる可能性
なお、未成年口座にて売却益が多額に生じている、などの理由で所得金額が大きくなると、親権者の扶養控除の対象から外れてしまい、逆に税額が増えてしまう可能性もあるので注意が必要です。
扶養控除は扶養を受ける人の合計所得金額48万円超だと適用を受けられませんから、未成年口座での株式投資・資産運用による利益が48万円超であり、かつそれを確定申告した場合に影響が生じます。
15歳未満の未成年者は所得税での扶養控除の対象となっていないので問題ありませんが、16歳以上は扶養控除の対象ですから、確定申告した場合の節税効果と、それにより親権者が扶養控除を受けられなくなることによる税金増加額を比べて、確定申告するかどうかを判断するようにしてください。
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