2024年も米国株式が世界株式の堅調をけん引した
2024年の米国市場では株式動向を象徴するS&P500種指数が23.3%上昇する堅調となりました。
強気相場の要因としては、(1)AI(人工知能)需要拡大期待がけん引したナスダック主力株の堅調、(2)FRB(米連邦準備制度理事会)による金融政策正常化(9月から12月にかけて政策金利を3回利下げ)、(3)米景気のソフトランディング(軟着陸)見通し、(4)大統領選挙で当選したトランプ次期大統領による減税・規制緩和を巡る期待などが挙げられます。
S&P500は2024年に最高値を57回(大統領選挙後は10回)更新しました。2023年の24.2%上昇に続きS&P500の上昇率が2年連続2割超となったのは1997~1998年以来の記録でした。
図表1は、2020年初来の米国株(S&P500)、全世界株、「米国を除く全世界株」の推移を示したものです。全て「ドル建て時価総額加重平均指数」で、全世界株式の時価総額ウエートで6割以上を占める米国株の優勢が全世界株の堅調をけん引したことが分かります。
一方、「米国を除く全世界株」は、欧州株や日本株などが(ドル換算すると)アンダーパフォームしたことを示します。昨年12月2日の本稿でご紹介した通り、筆者は「2025年も幾度の調整を挟みS&P500は『6,600±200』で年末を迎える」とのメインシナリオを見込んでいます。
バリュエーション(予想PER(株価収益率))とファンダメンタルズ(予想EPS(1株当たり利益))から試算し、2025年も2026年もS&P500ベースの予想EPS(市場予想平均)が二桁台の増益率(2024年に続き過去最高益を連続更新)を維持することを想定しています。
<図表1>2024年に米国株式は23%上昇し世界株式堅調をけん引