2025年の本当の方向を決めるのは株価が下落してから?

 では、「2025年の日経平均は52週移動平均線をキープできれば安泰か?」というと、話はそう単純ではなさそうです。

 相場の値動きを「波」として捉えた場合、少なからず52週移動平均線を下抜けるほどの株価下落の場面が訪れる可能性は「かなり高い」からです。

図3 日経平均(週足)の動きとエリオット波動(2024年12月26日時点)

日経平均(週足)の動きとエリオット波動(2024年12月26日時点)
出所:MARKETSPEEDIIを基に作成

 上の図3は、日経平均の週足チャートにエリオット波動の目安を描いたものです。

 2024年の日経平均は、エリオット波動の「3波」の途中から始まり、7月の最高値が「5波」でピークを迎え、8月あたまにかけての下落は「A波」、そして現在は52週移動平均線をサポートにしつつ、もみ合いを形成しながら「B波」の状況に位置していると考えられます。

 今後のシナリオとしては、(1)「もうしばらくB波を続けて再度高値をトライした後、下落してC波に入る」、もしくは(2)「このままC波に突入」、(3)「想定以上に株価が上昇し、エリオット波動の見直しに迫られる」などが考えられますが、確率的にはC波に入る展開を前提にした方が良さそうです。

 そして、このC波の株価下落が2つめのチェックポイントになります。

図4 エリオット波動の上昇と下落のサイクル

エリオット波動の上昇と下落のサイクル
出所:筆者作成

 そこで、エリオット波動について、もう少しだけ補足します。

 エリオット波動とは、株価の動きを「波」として捉え、その上げ下げのリズムを繰り返して、より大きな波を描いていくという考え方があります。

 要は、相場が上昇基調にあるときは上の図4の左側の形(上昇サイクル)、反対に、下落基調にあるときは右側の形(下落サイクル)を描いていきます。

 あらためて、先ほどの図3で見た現在の日経平均の状況(B波からC波)は、上昇サイクルの終盤であるということです。

 そして、「C波の次にどうなるか?」が2025年の日経平均の最大のヤマ場になりそうです。

図5 エリオット波動の波の動き

エリオット波動の波の動き
出所:筆者作成

 つまり、C波が終了し、再び上昇サイクルを繰り返す動きとなれば、中期的な上昇トレンドへの意識が強まるため、2024年7月の高値超えをトライする動きも期待できます。

 一方で、C波の突入をきっかけに、下落サイクルを描く動きとなれば下値を探りに行くことになり、それぞれ真逆の展開となるため、これまで見てきたことを整理すると、2025年の日経平均のチェックポイントは2つあります。

 ひとつは目先のトレンド維持の視点による「株価と52週移動平均線の関係」、もうひとつは、相場の大きな波を捉える視点による「C波後に描くサイクル」になります。特に後者は相場の方向感を決める重要なポイントになります。